第18回愛子天皇論への感想、どしどしと届いております(その4)!
第18回の感想です。
漢乃益荒子の男系固執のバックボーンが見えた回でした。
なるほど、益荒子は「門地による差別」の犠牲者だったんですね。
家族からの反対、脅迫により被差別部落出身の彼氏と別れざるを得なくなり、彼氏も自殺することになってしまったとは・・・。
ただ、彼女の境遇には同情する一方で、その恨みを皇室に向けるのは違うのではないかと自分の中の冷めた理性では感じます。
恨みを向けるとすれば、漢乃家でしょう。
憲法では「門地による差別」を禁じており、天皇・皇族方も差別に否定的です。
そうでなかったら、なぜ眞子さまは小室圭氏と結婚されたんでしょうか?
差別心があれば、そもそも付き合うことすらなかったでしょう。
あと、これはあくまで憶測ですが、益荒子の目論見通り天皇制がなくなったとしても、差別がなくなる訳ではなく、これまで以上に露骨な差別が増える気がします。
私から見れば、益荒子は二重三重に間違っているのです。
もっとも、これは理屈でしかなく、益荒子にこのような言葉を聴く耳があるのかどうかはかなり怪しいです。
益荒子の恨みに直系よしりんはどう向き合うのかが今後の鍵になると思います。
次回を待ちたいと思います。
(じーまさん)
(第18回感想です)
前回の最終ページにて。
私は「差別論には『岡林信康の曲・手紙』をイメージさせる逸話があった。まさか益荒子の過去って・・・」と予想しましたが。
悲しいかな、その予想は的中してしまいました。
非科学的な世間主義(と、差別意識)。
それはコロナ騒動の遥か前から、様々な悲劇を生み出していたことが分かります。
そこには、差別論の執筆から28年経っても消えない、根深い問題があり、寒気を覚えました。
益荒子は「この国から、血統差別をなくしたい。天皇制は『高貴な血』であり、差別の根源だ。天皇制が消えれば、その反対語である『穢れた血』の区別も消えるだろう。平等バンザイ!」という考えなのでしょう。
ただ、それに基づいて天皇制を廃止していく過程で「貴族階級のような人々」が出現し、また新たな悲劇が生み出されるでしょう。
そうした最低限のシュミュレーションも、益荒子の心には、届きそうにないのが悲しいです。
「安倍政権では、憲法破りが横行したが、俺らの日常生活には、大した影響が無かった。もし14条が破られても、大したことはないだろう」
↑大衆の中にある、こうした意識は、極めて厄介ですが。
今回の物語は、こうした意識に対する、強烈な一撃になるでしょう。
そうした「悲劇の当事者」になる可能性は、誰の人生であっても、ゼロではないのですから。
最後に。今回の話は「差別論」「戦争論1:嫌韓ネトウヨ本・出版ラッシュの背景」「2ndSeason収録のギャグ(※)」など、過去作を下敷きにしつつ、強烈なメッセージ性が込められています。
そうした「戦歴のタテ軸」と、公論戦士&読者の織りなす「ヨコ軸」の交差こそが、小林先生の作品に「深み」を与えるのでしょう。
そうした複雑さに向き合い、思想して、ほかの読者と話し合う。カレーさんの試みは、まさにその実践と言えるでしょう。
(※)公園の遊具を使ったギャグは、2ndSeason3巻の155ページ。結婚差別については、差別論収録の「第76章:解同・小森書記長に会う」を参照。
(殉教@中立派さん)