【産経新聞が動いてきた! 10/28朝刊「産経抄」への反応】(基礎医学研究者、ゴロンさん、maruさん)

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10/28、当サイトでも報じたように、産経新聞が1面などで「皇位継承問題」を取り上げました。この記事に対する反応は、さらに続きます(その2)。では、どうぞ<(_ _)>


10/28 朝刊に掲載された1面および7面への意見・コメント

産経新聞さま
10/28に掲載されました「海道東征 橿原神宮に響く」、「産経抄」、および7面の「自民 皇位継承議論の新組織」を読みました。率直な感想を書きます。正直いいまして、これが「全国紙」の論調か?というくらいの失望感がありました。この論調は現状を正しく踏まえていますか?読者をミスリードしてませんか?と、いうことです。
「海道東征 橿原神宮に響く」については、一面に載せるような話題とは私には特に思えなかったのですが、産経新聞社さまの主催により、奈良県の橿原神宮で神武天皇の「海道東征」をイメージした合唱講演を行う、ということを報じた記事。記事としては悪くないな?と思いましたが、同じ紙面に掲載された「産経抄」と合わせると、非常に意図的なものを感じます(穿った見方をすると、初代天皇は「男系」ということを補強しているようにも)。
 さて、産経抄についてですが、なぜ「GHQの意向で宮家を解体」とか、「皇籍離脱時の旧皇族への要請(私は皇族だった方々への要請なので「元皇族」だと思いますが)」という事実関係に疑問がでている話題を強調し、“皇室の伝統を断つことになる「女系天皇擁立論より、よほど自然な流れである」”ということを、あえて主張されているのでしょうか?私には、産経新聞さまが言われている「皇室の伝統」(言い換えると保守)が、時代の流れなどまったく無視した硬直したもののようにしか、見えません。この文脈のどこに、「皇位の安定継承」につながる意見があるのでしょうか?あえて言わせてもらうと、「皇室の伝統」とは時代に合わせて変化するものはあるが、聖域で育まれた「皇室」の伝統が、できるだけ直系で存続される、ということなのでは(そこに、男女の区別はありません)。そう考えないと、戦前に制定された「臣籍降下準則」や昭和天皇さまが「側室制度」を廃止したことについては“理解不能”となってしまいますが、いかがでございましょうか?
 さらに言うと、どういう意図かわかりませんが、岸田首相の所信表明演説における「皇位の安定継承に向けて国会で議論する」という宣言に相当動揺されたのか、論調が偏っている月刊オピニオン誌のインタビュー記事をわざわざ引用して、「その時の約束を反故にする」というところをやたらに強調して、「女系天皇以外の方法を検討すべきだ」としているのは、新聞社としてフェアな態度なのでしょうか?この内容は、「検討すべき」といっていることが重要で、「男系を維持する」とはいっていません。あくまでも、「皇位の安定継承」に寄与する方法はどのようなものか?ということをこれから議論する、という流れの中での発言と、自分は思いますが(これは、所信表明演説の前のインタビューだったので、一国の首相の発言としては、当然だったのでは、と私見では思います)。
 そして、7面の「自民 皇位の皇位継承で新組織」については、総裁直轄ということは正しい報道だと思いますが、その中身について、いたずらに令和の有識者会議案を強調した「養子縁組した男系継承を認めるか?」ということを報じているのは、一面的なのではないでしょうか(こういう部分に、私は読者へのミスリードを感じます)。むしろ実体は、与党自民党といえども、0ベースで「皇位の安定継承」ということの議論を加速させるために、新組織を発足する、ということかと思う次第です。

 産経新聞さまが、「皇位の安定継承」についてどんな論調なのかは、本日の報道でよくわかりました。しかし、読者は、国民は、そのような姿勢をしっかり見ています。ですので、メディアの矜持を持っているのでしたら(私は、産経新聞の記者さまの中には、まだそのような方がいることを期待します)、今後の日本の運命を左右するかもしれない「皇位継承問題」について、 一部の読者におもねるのではなく、もっと広い読者の思いを想像していただけないでしょうか?それが、「社会の公器」としての役割だと、私は信じます。

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(基礎医学研究者)


産経新聞社様
もういい加減にしてください。
 いまさら76年前も前の思い出話をしている場合ですか。GHQが最後の一押しをしたのだとしても、皇籍離脱自体はGHQが言い出したことではありません。大正9年に制定された皇族降下準則によって伏見宮家の臣籍降下は決まっていたでしょう。この「皇籍降下準則」で伏見宮系皇族は邦家親王の4世子孫を最後に消滅することになっていたので、5世子孫の竹田恒泰氏の代は、元々臣籍降下させられる身分だったはずです。何が、もともと正当な皇位継承資格者ですか。そんな方は一人もいないのです。
 元首相の故安倍氏も平成31年3月20日の参院財政金融委員会で、皇位継承の安定策をめぐり、戦後に皇籍を離れた『旧宮家(旧皇族)』の復帰について、『(旧宮家の皇籍離脱は)70年以上前の出来事で、皇籍を離脱された方々は民間人として生活を営んでいる。私自身が(離脱の)決定を覆していくことは全く考えていない』と述べていました。
 菅元総理も、令和2年2月10日、官房長官時代の答弁で、旧宮家の方々の皇籍取得の意向を政府として確認したことはあるかの質問に、「確認したことはない。これからも考えていない」と返答されています。
 天皇の歴史の中で女性天皇は8人10代存在し、女系継承も行われています。男系男子に限定したのは、男尊女卑の考えが強かった明治時代からのほんの百年余りです。伝統というなら、男系女系に限らない皇位継承の方でしょう
 男系男子限定は、側室があって初めて可能になる制度です。側室がない現在、女系継承を公認しない限り、「安定的な皇位継承」は実現できないことは明らかです。貴社は、「安定的な皇位継承」には興味が無いのでしょうか?実現性が全くない旧宮家の子孫の男系男子の皇籍取得案を、「皇室の伝統を断つことになる女系天皇擁立論より、よほど自然な流れである」などと、大多数の国民の常識的な感覚から、180度異なる認識を改めない限り、世間から取り残されていくだけだと思います。
(ゴロンさん)
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これは、皇室を敬愛するが故の”怒りのコメント”でございますね。ゴロンさんが詳細に書いてある通り、産経新聞さんが何を思ったのか、紙面でさも「男系継承」が正当だと主張しても、このように読者に見破られることはあるので、心した方が良いですよ。そして、いみじくも「ゴロンさん」が書かれてように、産経新聞さんは本当に「皇位の安定継承」に関心がないのでしょうか?これは、読者として重要な問い!と、自分は思います(基礎医学研究者)。


産経新聞さま
『10/28付 産経抄 ブレは許されない皇位継承策整備』を拝見しました

●旧宮家男系男子の皇族復帰案(正しくは”旧宮家系男系男子の皇籍取得案”)模索が当然という見解について
 GHQの意向があったにせよ「皇族ノ降下ニ関スル内規施行準則」により決定した事項であり、過去にそれを覆すつもりはない旨、安倍元首相が述べられています。旧宮家系男系男子は既に一般国民であり、憲法第14条「門地による差別禁止」に抵触するため、憲法違反との指摘もあります。”人権”への配慮が強く求められる昨今、一般国民に基本的人権を放棄させ皇室入りさせるプランなど、国民の支持が得られるとは到底考えられません。また、そのような経緯で皇族となった人々に対し、将来の「国民統合の象徴」として敬意を向ける事ができるのでしょうか。

●女系天皇擁立は皇室の伝統を断つことになるのか
 旧宮家の皇籍離脱時「身を慎むよう」要請があったという事ですが、”万が一にも”の言葉通り、これは将来的に皇族復帰を約束する類のものではなく、どちらかと言えば皇室に留まる側への配慮をお願いしているに過ぎません。
 さて「女系天皇擁立は皇室の伝統を断つことになるのか」について。
 貴紙は「皇室の伝統=Y染色体なる単なる男性性決定遺伝子を継承していく事」等と、狂気的な思想を支持しているのでしょうか。過去には10代8方の女性天皇がおり、日本は古来より男女の別なく皇位継承を行ってきたのですから、まず女性天皇擁立は「皇室の伝統を断つこと」にはなりません。元明→元正を男系継承と見るか、女系継承と見るか意見の分かれるところであるのは認識しています。ただし、現在まで「女系継承」が無かったと仮定したとしても、それは先例が無かったというだけの事です。長きに渡り続いてきた「側室制度」を廃止している事が示すように、皇室の求めるところは「安定的な皇位継承」にあるのであって、意地でも”先例”や悪しき”因習”を守っていくことにはありません。従って「女系天皇擁立」は皇室の伝統を断つどころか「安定的な皇位継承」にとって必要不可欠な要素と言えます。

●岸田首相について
 正当な論理に対して耳を傾けない事を「首相の矜持と覚悟がある」とは言いません。ただの「聞く力」がない人というだけでしょう。たとえ岸田首相が過去に「女系天皇以外の方法を検討すべき」と主張していたとして、その主張を変える事=ブレた事にはなりません。女性/女系天皇は国民8割方の支持が得られています。これら国民大半の声に答えて初めて「聞く力と決断する力」がある首相だと評価できるのです。国民大半の要望に応える事ができないのであれば、岸田首相は「増税メガネ」どころか「国賊メガネ」と呼ばれて然るべきかと存じます。
(maruさん)
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maruさんの場合は、”怒りの(# ゚Д゚)”とはなっていませんが、それでも読者としてのリテラシーを発揮しているのは、前のゴロンさんと同じ。そして、岸田首相の「所信表明演説」についても、手放しで賞賛ではなく是々非々の態度を示しているところに、建設的なものを感じます(一方、産経新聞さんの紙面における態度は、どうだったでしょうか?)自分、こういうことを指摘してくれる読者って貴重な存在と思いますが!?(基礎医学研究者)

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