映画「茜色に焼かれる」において、風邪(新型コロナ)ぐらいで社会活動を完全に自粛した世間に対し、鮮やかに反旗を翻した石井裕也監督が最新作「愛にイナズマ」で訴えたことは何でしょうか。
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本作の概観として、物語の前半は新人監督(特に女性)に降りかかった理不尽な「映画業界あるある」の現状を描き、それに対して主人公の折村花子(松岡茉優)が反撃を誓う展開ですが、転調してからの後半は花子が反撃映画の題材に選んだ自身の家族と向き合う物語です。当然ながら本稿で取り上げたいのは前半です。
ビルの屋上に立った人が自死しようとしている現場にて、野次馬の一人()が「早く飛び降りろよ!」と不満を漏らしました。現場に遭遇した花子はそのまま脚本に起こしましたが、プロデューサーの原(MEGUMI)が付けた助監督の荒川(三浦貴大)は「ありえない!」と一蹴し、花子に脚本の修正を要求しました。「だって本当に言ったんです」「実際に有ったこと(「早く飛べ」と言った男が居た事実)を無かったことにしていいんですか?」と食い下がるも、助監は「意味が解らない」「もっと人間をよく観ろ」と言い放ち、Pも「若いからねw…仕方ないよ」と決めつけました。未だ映画業界にも先輩に絶対服従する因習が蔓延っているのでしょう。花子の自宅で映画の方針を相談していたPと助監でしたが、ようやく帰ったと思われた助監が「飲もう」と言って戻ってきました。明らかに花子の体が目当てです。これを拒絶すると、間もなく花子は監督を解任され、荒川が新監督に決まりました。こうして花子は映画界からキャンセル(無かったことに)されましたが、花子を潰したのは業界に蔓延る「男尊女卑の因習」でした。
さて、現代日本に蔓延る最もシンボリック(象徴的)な男尊女卑は、皇族女子が「女性という理由だけで」皇太子および天皇になれないことです。
また、不都合な事物を無かったことにするキャンセルカルチャーを放置すれば、外圧に屈した大衆世間が人権の観点から皇室をキャンセルしかねません。
つまり、因習も外圧も皇室をキャンセルしかねないわけです。
ところで、「愛にイナズマ」というタイトルはSMAPのヒット曲「青いイナズマ」を想起させます。コロナ自粛や男尊女卑の件(皇室問題に通じる)で正鵠を射抜いた石井氏なら、ジャニーズ問題でも本質を掴んでいると期待したいところです。
文責:京都のS
2 件のコメント
京都のS
2023年11月3日
ひとかけら様、※ありがとうございます。因習を改めるためには外圧が必要だと軽く言ってしまう人がリベラル方面に多いのですが、外国様が皇室をキャンセルする指示を出す場合のことを考えないのか?と思ってしまいます。
ひとかけら
2023年11月2日
因習を維持し皇室が限界寸前になっても現状維持を叫び自分の世間や生活を守ろうとするのは日本人の悪いクセですね。これらを変えるには労力が多大に必要ですが、皇室は日本人にとって必要だと啓蒙を続けるしかないと思います。