今週号のSPA!倉山論破_その2(L.Kさん)

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(編集者より)
昨日、倉山によるSPA!11/7・14号の「言論ストロングスタイル(vol.211)」に対して、L.Kさんの反論ブログが寄せられましたが、追及はさらに続きます。では、どうぞ<(_ _)>

*昨日のブログ内容は、大きな反響を呼び、「ゴー宣道場」HPにおけるトッキーさんのブログ、さらに、笹さんのブログでも取り上げられました。


SPA!今週号に掲載された倉山文から読み取れる「歴史家としての無能さ」について。

倉山は、武烈天皇が崩じたときに、女性皇族(=武烈の女きょうだい)を皇位につけず、継体天皇に継承されたのは、

「男子が継がねば(以降の継承が)男系継承にはならない」から、
つまり男系継承を維持するためだとしています。

しかし、当時は宋の冊封を受けていたことが文献で確認できる「倭の五王」時代の直後であり、シナ男系主義の影響を受けていたことは容易に推測できます。

そのような時代に男を優先したからといって、男系継承が未来永劫続けるべき
伝統である根拠
とするなど、短絡にも程があります。

シナからの独立志向が強かった飛鳥・奈良時代に女帝が多く出現したこと、そしてシナに倣って律令制度を導入した際に、わざわざ「女帝の子も亦同じ」という本註を付したことも併せて考えれば、分かりそうなものですが。

そのときどきの時代背景を考慮もせず、「男系継承が伝統」という
明治時代に作られた先入観ですべての時代を捉えているのだから、
お粗末という他ありません。

また、継体即位の時点で「女帝の先例もある」などといっていますが、これは誰のことを指しているのか。

これまでの倉山の言説から、神功皇后か、飯豊青皇女あたりを指していると推測されますが、

神功皇后は200年以上も前の話で時代が違いますし、
飯豊青皇女に至っては、即位の記述がないだけでなく、出自や執政期間も記紀で扱いが異なる詳細不明の人物です。

このように、時代や事情の異なる事例を一緒くたに「女帝の先例」といい、その先例に従わなかったのは男系が伝統だからだとこじつけるのです。

歴史家失格でしょう、

こんな態度。

どのように伝わってきたかも歴史学の対象だと嘯いていますが、

現実世界で進行する皇位継承の危機、皇室の方々の苦しみに見向きもせず、明治時代の男尊女卑観念に縛られた「ボクのワタシの皇室論」に悪用する倉山に、それを言う資格はありません。

9 件のコメント

    L.K

    2023年11月3日

    引き続き、コメントいただきありがとうございます!
    >>突撃一番さん
    仰るとおり、男系に固執しておきながら神功皇后、飯豊青皇女を女帝扱いするなど、ダブルスタンダードも良いところです。
    飯豊青皇女については、継体即位との時期が近く、また『新天皇論』で一コマだけ取り上げられていて、推古女帝が登場する下地が作られたと推論されています。
    そこを逆手にとって自分の屁理屈に利用しようとしているのでしょう。
    しかし、記紀においては結局即位はしていませんし、即位していたにしては記述があまりにも軽すぎます。
    そして、いうまでもなく即位するには統治者としての個人の能力も問われます。
    そうしたことも考慮せず、神功皇后や飯豊青皇女の例があるのに女帝を立てなかったのは男系が伝統だからだ!
    とするのは短絡に過ぎます。

    >>mantokunさん
    全く同感で、男系カルトが男系継承を主張すればするほど、男尊女卑の地が露わになってきますね。
    倉山の文からは、皇室の方々の姿が全然見えてこない。
    尊皇派を自称する自称保守の連中がこんなだから、皇室が存続の危機に立たされているんです。
    ちょうど高森先生が今日ブログを上げてくださったとおり、皇室の伝統として最も説得力があるのは、一番の当事者であった上皇陛下のお言葉です。
    今上陛下を始めとする今の皇室の方々も、折に触れて繰り返し同じ思いを語られています。
    皇室の方々の意向を差し置いて、自分勝手な伝統観で皇室を滅ぼそうとするなど、逆賊の極みです。

    mantokun

    2023年11月3日

    今回の倉山の記事はまだ読んでいないのですが、L.K.さん、ケロボーさん、笹さんによる論破を拝見して、語るに落ちたなと思いました。女性天皇や女系継承を否定するために、天照大御神が女神であることや皇室の御祖神、日本人の総氏神たる神格まで否定しにかかるとは、左翼と何も変わりません。
    男尊女卑以外に、男系男子限定継承の理由なんてないことは明らかです。

    倉山にしろ竹内久美子にしろ、男系固執派はなぜか当然のように「女性が継いだら危険だ」「男系男子で継がなくては皇統は断絶だ」と叫びますが、この人たちはヤフコメなどのネット上ではすでに「愛子様が継がない、継げないような皇室なら、もう令和で廃止しても構わない」という意見まで噴出しつつある現状を、一体どう認識しているのでしょうか。

    これは単純に、マスコミのバッシングによるアンチ秋篠宮家の増加という次元の問題ではなく、時代錯誤な男尊女卑思想の知識人や政治家たちが、天皇や皇室のありがたみを「長く続いたから」「男系男子で続けてきたから」としか言わず、しかも今後もそれを続けるために、直系のお子様が娘であるというだけの理由で、平気で傍系に継承権を移動させようとしていることも相当に影響していると思います。

    男系派は口を揃えて「一例の例外もなく男系で続いた重み」と言いますが、それには欠史八代と言われる古代の天皇たちの実在を証明した上で、彼らの血筋が間違いなく男系で現在の皇室まで続いていると証明していなくてななりません。それができてないなら、一例の例外もないなんて完全に嘘だし、嘘を前提にした伝統の継承を続けろだなんて、そもそも論理が破綻してるんですよ。

    私だって、もし天皇や皇室に特に関心のない家庭に育っていたら、さらにゴー宣を読んでいなかったら、「天皇や皇室の何がありがたいの?男性しか継げないような時代錯誤な身分制の残滓で、しかも維持するために税金もかかるなら、もう廃止すればいいんじゃない?」と考えていたかもしれません。
    男系男子限定継承は伝統だから続ければいいなどという単純な話ではなく、そのために直系継承を回避するせいで、国民の皇室への素朴な敬愛心を失わせる愚策にしかなっていないんです。

    大体、昭和の敗戦の時点で、世界中の人々が日本の皇室はもう終わりだと考えたはずです。それが、昭和天皇の全国御巡行を各地の人々は感謝して出迎え、この御巡行が戦後復興に及ぼした影響は計り知れないものになりました。この時点では、昭和天皇がマッカーサーに「私の身はどうなってもいいから、飢えた国民を助けてほしい」とお願いされたことなど、国民は知らなかったにもかかわらずです。
    まさか男系派は、この昭和天皇のお振舞いが男系男子限定継承によるものだなんて思っているんですか?

    皇室が長く続いてきた理由、そして天皇がありがたい理由は、天皇が仁徳を備えられた無私の君主だからです。そして、その君主としてのご覚悟と資質が昭和天皇以降、上皇陛下から今上陛下、そして愛子様に脈々と受け継がれていることを庶民は感じ取っているんです。だからこそ、圧倒的多数が愛子様への継承を望んでいる。

    皇位が男系で続いてきたのは結果であって、しかも間には女系継承も挟んでいるし、ありがたい理由でも何でもない。なのに、男系継承を続けようとして皇室の存続を危機に晒し、皇統断絶寸前の状況に追い詰めるなんて、本末転倒にも程があります。

    倉山氏は無駄な知識ばかり羅列してないで、「女神が最高神の神話なんて気に入らない、女性が天皇になって男の上に君臨するなんて許せない」と、はっきり本音を言えばいいのに。
    そして、「SPA!」はまともに校正もしてないと丸わかりの、嘘ばっかりの駄々こね感想文で読者から金を取るなと、何度言わせたら気が済むんでしょうか。

    突撃一番

    2023年11月3日

    冒頭でL.Kさんが推測されている通り、継体即位当時はまだ冊封の影響により、王を推挙する側であった群臣たちの間にも、「男王へのこだわり」があったようです。

    倭国が冊封を受けていた南宋から官職をもらえるのが、男性だけだった、という事実が強く影響しているようです。
    (義江明子『女帝の古代王権史』)

    また、神功皇后やイヒトヨの皇女については、大正15年までは「女帝」として扱われていたそうなので(義江前掲書)、この二人が天皇枠から外された事も、もしかしたら当時の「男を尊び、女を卑しむる」ような価値観が反映されているのかもしれません。

    もし倉山が、神功皇后とイヒトヨさんを「女帝」として扱おうとするなら、まずは戦前の男尊女卑的風潮を否定するところから始めないと、つじつまが合わないかもしれませんね。

    L.K

    2023年11月2日

    コメントいただきありがとうございます!
    基礎医さんとのやり取りも、全然お気になさらずに。
    戦士同士の情報共有の場って感じで嬉しいです😊

    SPA!に対しては、一応、お問い合わせフォームもありますけどね。
    https://nikkan-spa.jp/inquiry?cx_clicks_footer=inquiry

    出版社としては、出版することが命なので、量を書ける奴はそれなりに重宝されるらしいですよ。
    質を犠牲にして量産を続けても、自分の首を締めるだけですけどね。

    ただまあ化けの皮がわかりやすく剥がれてきているので、引き続き攻めていきましょう!

    サトル

    2023年11月2日

    (再びL.Kさん申し訳ありません……)

    基礎医さん。
    早速の返信ありがとうございます。

    mantokun さんの以前のコメントも拝読しており、また、編集部の事情も私なりのルートからも漏れ伝わっております。
    なかなか言葉足らずで申し訳ありませんでした。そこまで「動いて」いらっしゃるとはm(_ _)m

    ボディーブローが産経にも効いてるのでは……との報告も聞いておりましたので、ようやくSPA!も……と思ってたところでしたので。

    ただ、確実に、少なくとも倉山は、断末魔……ですね。
    ここはSPA !には、叱咤激励……ですかね。小林先生に厳しく……倉山に甘い?好き放題?の姿勢の違いは、「その時」が来れば、結果として、倉山の退場となる「SPA!捨て身の深慮遠謀」と納得させることにします。SPA !への指摘は止めませんが、「深慮遠謀」ですし。

    いきなり石は転がりませんが、転がれば一気に……となりますね!
    さらに私も「動いて」参りたいかと思っております。
    ありがとうございましたm(_ _)m

    基礎医学研究者

    2023年11月2日

    >サトルさん
    (L.Kさんのブログに割り込んで申し訳ありませんが)基礎医でございます。編集者としての自分へのコメント、ありがとうございました。なるほど、確かに上記の議員はSPA!を購入していそうですね。そして、確実にいまの流れを「青天の霹靂だ~」みたいな感じで、同様しているでしょうね(ほんまに、ダンケーにとっては、マズイ流れになっているのだと思います)。

    ただ、SPA!編集部。自分は、小林先生には「表現」の注文をつける割には、倉山は野放しというのはバランスが悪いのでは?と、何度も編集部にハガキを出しました。(自分だけではありませんが)Xのポストで、編集部に指摘したこともあります。

    実際、本当は「倉山」の記事の信頼性が怪しいことは、さすがに感じているのでしょう。ただ、本質は2つあって、1つはmantokunさんが看破されたように、「編集部がサジを投げた状態である可能性が高いこと!」、もう1つは産経新聞の基本論調と倉山の「男系継承 先例絶対主義」は親和性があるので、その意向には逆らえないのでしょうね。でも、現在の状況を見るに、産経新聞の方も、自分たちの歪んだ論調がすごい批判にさらされ、意見をトーンダウンするような記事を出してくるような感じなので、読者がおかしいと感じている、というボディブローは効いているような気がします(さすがに、あまりにも読者に嫌われたら、「倉山の連載」も継続は、難しいでしょうね。とりいそぎ

    サトル

    2023年11月2日

    (私信のようで申し訳ないですが……)
    基礎医さん。

    長島昭久(自由民主党)、大塚耕平(国民民主党)、玉木雄一郎(国民民主党代表)、泉健太(立憲民主党代表)の方々にも、同号のSPA!と共に(これは、倉山と昵懇(じっこん)の間柄の方々のようですから、当然届いて、いや購入されてることでしょう(嗤))、このL.Kさん(並びにケロ坊さん、笹さん)の指摘ブログ、コメントがどうすれば届くのか?と思っております。

    ……また、各議員は、「アドバイス受けた」と公言されてる……あるいは倉山番組にご出演されてるようですので、「アドバイスを受けただけで、支持するものではない……」などと逃げることなく(予想)、国会にて議論進めて欲しい……と思う次第です。(泉代表は、テーブルが……と逃げてるようですが、自民党にも、国民民主党にも、「同志」がいるようですので、呼び掛ければよろしいかと)

    サトル

    2023年11月2日

    お疲れさまです。

    彼はその著書(倉山皇室論……決定版らしい……)にても、「養老律令の箇所」に関して、「注釈(本註)」と「解釈」の違いがわからなかったようで。
    しかも「字が小さい」とも書いてましたね……。

    歴史学と嘯く……と言うより「嘘つき」では?
    と思った次第です。

    「自称」憲政史家……のようですし、ナニモノなんでしょ、彼。

    基礎医学研究者

    2023年11月2日

    (編集者からの割り込みコメント)今回も、重要な論考、ありがとうございました。倉山の場合、笹さんも言われていましたが、なんか「オレ、こんなに知ってんだぜ!」という感じで(知らない人に)マウントをとろうとしていますが、我々の方のリテラシーも進化しているので、もはやだまされないでしょう(というよりも、庶民をナメルナヨ!という方が適当でしょうか?)。しかし、こんなことやっていても、「皇位の安定継承」につながる意見は何一つないので、言論の自由があるとはいえ、SPA!編集部は、何でこんな肝心のことを書かない原稿を採用するのかにつぃて、かなり問題があるのではないでしょうか(どうすれば、SPA!編集部にこのことがとどくのでしょうか)。改めて、思った次第です。

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