河野防衛大臣への反論にもなっていない反論

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8月23日、河野防衛大臣が自身のYouTubeチャンネルで、「女系天皇を容認する」旨の意見表明され、世の中の話題になっています。

 当サイトでも早速このニュースを取り上げたところ、サイト立ち上げ以来の大勢の方からの反響が寄せられています。

 男系継承を絶対視する人たちから反論(しかも、あまり論理的ではないもの。)が早晩出るであろうことは想定していましたが、想定していたとおり、河野大臣と同じく自民党所属の赤池まさあき議員から反論が出てきました。

 BLOGOS 河野太郎防衛大臣の女系天皇容認論に反論 

なぜ我が国の皇位継承は男系なのか

https://blogos.com/article/480493/

 赤池議員の論を読んでみると、旧宮家の子孫の皇族復帰(復帰という表現は正確ではありませんが・・・。)など、男系継承を支持する人たちにありがちな意見もありましたが、特に注目すべきは皇位継承は傍系継承のほうがよいとする、「傍系主義」をとっている点です。

 傍系主義のメリットとして、赤池議員は・・・

  直系主義だと、直系で子供がいない場合、次代を誰にすべきかということ

  で紛争が起こりやすいが、傍系主義であればどこまでも男系の血筋を遡る

  ことでそのような紛争が回避できる。

と主張されています。

 赤池議員の現実を全く直視しない、皇室典範の主旨にも基づかない杜撰な論に、私は腰が砕けそうになりました。

 歴史学者で皇室研究の第一人者である高森明勅先生はご自身の公式サイトのブログ(令和2年3月29日)において、皇位継承の直系主義について皇室典範の条文をあげて解説されています。 

https://www.a-takamori.com/post/200329

 高森先生は、皇室典範11条が皇族の中でも皇太子と皇太孫のみに皇籍離脱を認めていないことをあげられ、皇族の中でも直系子孫である皇太子及び皇太孫が別格であること=直系主義であると結論づけておられます。

 しかも、この直系主義は現行の皇室典範から取り入れられた主義ではなく、明治の皇室典範から受け継がれた主義でもあることが述べられています。

 何事も法に則って国政を進めていくことが求められる国会議員が、皇位継承について論じようとするに際し、皇室典範を十分理解していない、または自己の主張にあうように曲解し、その方向へ国政を進めていこうという姿勢は、残念という他ありませんし、将来の日本国民に対し無責任でもあると思いました。

文責 愛知県 たこちゃん

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1 件のコメント

    チコリ

    2020年9月7日

    「反論にもなっていない反論」心底呆れて果てますねー。
    本気で国を思う気持ちなどさらさらなく、自分が何が何でもそうであるべきと信じる方向に、ただ強引に持っていきたいだけ。
    勉強不足で、「自己の主張に合うように曲解する」なんて、
    政治家として恥ずかしくないのだろうか?
    (政治屋ばかりで、本物の政治家が極めて少ないのが現実ですが)

    自分が信じたいものだけを信じ、現実を見ようとしない逆賊、男系カルト信者との議論は、とうの昔に語り尽くされました。私からすれば、不毛、時間の無駄としか言いようがありません。
    でも、こうして誠実に赤池議員の「反論にもならない反論」でも、キチンと取り上げ検証してくださる、そのご苦労たるや、(苦痛?)ただただ、頭が下がります。本当にありがとうございます。

    国民的議論を爆発的に巻き起こし、国会が無視できないところまで追い込みましょう!
    私を含む国民がぼーっとしている事が大問題。
    真実を報じないマスコミが大問題。

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