公論イベント「愛子さまと悠仁さま」(2023.12.3)感想

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(前半)
 初心者を取り込む「ボーカルマジョリティ」戦術と、精鋭部隊を強化する戦術の2正面作戦。今回は、後者に重きを置き、高森師範の熱意と緻密さが伝わってきました。  高森師範は「問題を乗り越えるか、目を逸らして(結果的に)皇室を危機に晒すのか。その2択が、国民の側に迫っている」と、改めて危機意識・当事者意識を促しました。また政治の経過と、これからのロードマップについても、詳しく解説されました。

 11月の馬渕澄夫議員の質問で、内閣法制局は「旧宮家案の『違憲の疑い』を、払拭できなかった」事は間違いないでしょう。一方、それを報道する側が(趣旨を理解できず)「合憲だ」と報道してオーソライズしてしまうという悪夢。政治家・論壇(自称専門家)・メディアが「深堀しちゃダメ」と保身に走るという、コロナ騒動と似たような図式。しかも「保身の積み重ね」がアイデンティティー化してしまい、支持者離れ&総崩れを怖れる「謝ったら死ぬ病」。皇室の安定継承を阻むのは、戦後から続く「現代病理のキメラ」なのかもしれません。

 安倍政権で憲法無視が横行した結果「憲法違反への麻痺」が生まれ、メディアの側も「14条を破って旧宮家案を実現したら、何が起こるのか」を、リアルに想像できなくなっています。そうした中で「正義の旗よりも真実」を唱える小林先生は、戦後日本にとって、確かに不都合な存在なのでしょう。

 倉持師範も的確な働きをしてくれました。「野党が弱体化した理由」について、「立民の内部が左傾化したので、中道左派の議員が道に迷った→倉山的な『右っぽいもの』に迎合し、吸収された→『女性天皇はいいけど、女系はね~』のぼんやりリベラルに着地」という流れは分かりやすいです。倉山たちも「俺らには、これだけ政治家の味方がいるんだぜ」とより居丈高になってしまい、悪しき相互作用を与えあっています。

 今回の数少ないギャグ「テレフォン性行為の方が高度である」には吹きました。よしりん辻説法(4巻のP51)に出てきた「オンライン正○位、オンライン騎○位、オンライン不倫、ぜんぶできないっ!」のような話ですが。「無理筋なルール&保身に拘るあまり、ギャグ漫画と内閣法制局が同レベルになっている」というのが、危機の本質なのかもしれません。澄夫議員が指摘したように、安倍総理の亡霊(内閣人事局による、官僚たちへの圧力)が未だに生きているなら・・彼らは憲法の番人なのか、安倍総理の墓守なのかという話です。

 また西村長官の言葉「安定継承に課題がある」からは、平成28年(生前退位のビデオ)から、状況が動いていないという危機感・重みが伝わってきます。その背景にある「皇室のご意志」にどれだけ向き合い、具体的な行動に移せるかが、引き続きの課題といえます。

(後半)
 高森師範の説「秋篠宮バッシング(と、秋篠宮ご一家内部の亀裂)の背景には、無理筋な典範ルールが放置されている事が大きい」という指摘に考えさせられます。「愛子さまが次の天皇」という漠然とした国民感情→邸宅の予算50億・英国外遊の報道など→「ラインから外れている秋篠宮家を優遇するな、税金泥棒め!」という流れ。無理筋のルールを放置してきたツケを負わされたのは、皇室の方々という悲劇。「現在の継承順を変えるな」は、「引き続き、皇室にツケを負わせろ」に加担するも同じです。谷田川も大衆も「変化に伴う責任」を負いたくない・・という共通点はあるでしょう。「問題点は分かったけど、変化させるのが怖いようブルブル」という感情への対処策も、必要かもしれません。

 倉持師範の「価値の順列」を巡る言説も、印象的です。「法的安定性という価値か、より上位の価値を取るかという判断により、制度改正が行われた」というリアル。コロナ騒動の延命主義者・キャンセル系の人権第一主義者も「より重要な価値」を、考えていないでしょう。 法的安定性よりも憲法の要請。天皇がいなくなったら、憲法改正(して共和制に移行する)が必要ですが・・そのときに国会を招集できない→改正の手続きが出来ない→日本の統治、終了!という、最悪の危機が想定できますね。

 質疑応答では「血のスペア」から議論が展開しました。「天皇ロボット説で、右派と左派が握手している」状態ですが、近年はキャンセル左派にも「天皇は人権が無くて当然だ」に迎合する者がいるとの事。彼らの「合理性」だけでは、皇室は成り立ちません。神話からの連続性、血統による民主政治(の欠点)の補完、国民との相思相愛によって成立する皇室、「やっていただいている」と国民が心を寄せていくこと、などなど。「天皇がこんな事をやったら、国民統合の象徴にふさわしくないぞ!」という「自由への許容範囲」は、理性よりも情で決まる側面もあります。憲法12条の「不断の努力」が、皇室を戴く国民、一人ひとりの構えになるのが理想的です。

(小括)  ・・・結局、高森師範の話は難解であり、半分も理解できませんでした。「やっぱ俺じゃ、精鋭ほどの理解力は無いな」と項垂れていた所、小林先生から「愛子さまの御誕生日動画を評価する」とのフォローがありました。精鋭に入れなくても、手紙作戦・意見投稿など、まだ出来る事はありそうです。高森師範の締めの言葉「皇室のご意志は、皇族数確保では無く安定継承にあります!来年の3~9月までが正念場です。自民党の内部にいる良識派を動かせ!今やらないと、絶対に後悔します!」に発破をかけられました。時間が無いという危機が、一層目の前に迫っている今、自分ももう一度立ち上がってみたいと思いました。  
最後に設営隊の方々、どうもありがとうございました!(完)

文責 殉教@中立派(福島県)

6 件のコメント

    ひょうろくだまノ介

    2023年12月7日

    殉教@中立派さん、有り難うございました。私など、恐らくねこまるさんよりも更に更に今回の道場についてまとめきれておらず、少々自己嫌悪に陥っていたところだったので、この記事には感謝します。「精鋭に入れなくても、手紙作戦・意見投稿など、まだ出来る事はありそうです」のお言葉に励まされました。

    takahire

    2023年12月5日

    責任の所在をうやむやにしながら、結局は、男系をごり押しして、何か事が起こっても、だーれも知らんぷり。まるで原子力発電所のようですね。まさに自民党的な手法であり、自民党を変えることなんてできるんですかね?

    ねこまる

    2023年12月5日

    自分もその場にいましたが、とっ散らかってしまい、このブログを読んで、そうそうこれ言ってた、あれもそうだ、と頭の中が整理され、とても助かりました。
    殉教@中立派さん、ありがとうございます。
    来年の前半が天王山!
    諦めずに頑張りましょう!!
    愛子さまを皇太子に!!!

    ダダ

    2023年12月5日

    殉教@中立派さん
    タイムシフト予約を忘れた私としては、要旨が分かりやすいのでとても有難いです
    旧宮家案の立法化は眩暈がしますよね。
    国民の中にいる旧宮家男子は一般国民より上位存在(準皇族)なので皇籍取得は合憲、という立法事実になると思うんですけど、その根拠を法,慣習,社会環境で示せないという馬鹿馬鹿しさ。
    なによりそこには愛子皇太子以上の正当性が無いのですから、象徴天皇の否定にも繋がります。
    やはり、愛子さまを皇太子に!です。
    庶民の力、見せつけてやりましょう(^O^)/

    まー

    2023年12月4日

    前編後編で投稿いただいたものをまとめさせていただきました。ご了承ください。

    京都のS(サタンのSでも飼い慣らすし)

    2023年12月4日

     読み応えのある論考でした。「14条を破って旧宮家案を実現したら、何が起こるのか」は、違憲立法による天皇が誕生する→国事行為(国会召集・総理任命…)は法的根拠を失う→違憲の議会と違憲の行政トップが政治を行う→(バカな国民は問題意識を持たない)→国際的な信用がゼロになる→外国勢力や国内の革命勢力が蠢動する→日本国が消滅する→…と進む気がします。
     「テレフォンセックスは高度だから罪が重い」には笑いましたね。「オンライン正常位」は無理ですが、「オンライン尊皇攘夷」は出来ます。当サイトの活動に参加することから出来ます。「紙上尊皇攘夷」まで進んでハガキ出しちゃいなよ(笑)。
     大衆の秋篠宮キャンセルは「正統ラインから外れてるくせに我儘が多い」という二重三重に間違った認識があるということが腹立たしいですね。まず、現行の皇室典範を放置すれば、傍系ではあっても秋篠宮様と悠仁様こそが(法的な意味で)正当ラインで、直系の愛子様は外されていますし、眞子様を小室圭氏と共にキャンセルした大衆は週刊誌と自称被害者に騙されただけの単なる馬鹿でしたし、宮廷増築問題は傍系という立場を自覚されている秋篠宮様と佳子様の配慮である可能性がありますし、結局は現行典範を放置し続けた国会議員を含む国民の怠慢こそが真因でした。それを棚に上げてよくも好き放題言えるもんです。「法的安定性という価値か、より上位の価値か」は皇室典範の安定性を採るか、皇位の安定継承を採るか、という比べるべくもない価値の順列です。コレが解らないなら国民を山ていただきたいですね。殉教様、前後編ともに読み応えがありましたよ。

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