[good]毎日新聞「考・皇室 深まる危機」続報④

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毎日新聞が皇室についての特集を組んでいます。当サイトでお伝えした記事の続報です。

なぜ男系継承なのか 有識者会議座長の科学者がたどりついた結論
( 山田奈緒記者。2023/12/30 05:30(最終更新)配信有料記事)

https://mainichi.jp/articles/20231228/k00/00m/040/359000c

今回の連載、現段階ではデジタル配信のみのようです。しかし、昨年12/28の朝刊に掲載された記事(当サイトの続報①分)によると、(この連載は)随時掲載と書かれていました。そして、先述したように有料配信の記事ですので、掲載されているのは一部のみです(ただ、ここまで読み進めるだけでも、元東京大学長、吉川弘之氏による、サイエンスの世界に生きた理系の研究者ならではの視点は、新鮮です(保守系が揶揄していたのとは、まったく次元が異なります))。私見では、下記の吉川氏の言及は、実に理系の研究者らしい、捉え方だと思います(論理的だということです)。

合意のための必要条件は何か。長い歴史のある皇室制度を絶対に失わない条件を満たす方法を探ることだと思います。

デジタル版で書かれていない部分を要約しますと、以下のようになります。

実際に議論を進めると、皇室制度に関して自身の主義や考え方を述べる委員など一人もおらず、(議論の)目的はあくまで、未来に安定して皇室が存続するためのルールを考えることに集約されていました。

ヒアリングした専門家の中には、世襲で続いた理由を「男系だからこそ続けられた」と主張する人もいました。ですが、私たち委員は、男系のみという事象の理由を明らかにすることが課題であると考えていたのだと思います。

男系だけで続いた理由として、当時は社会に浸透していた長子、男子優先の家制度が用いられたということなのだと。しかし見えてくるのは、”「天皇家」の外にいるのに天皇の地位を手に入れようとした人は排除されてきた歴史があります。天皇制を守ることによって国を守ろうとした昔の人たちの知恵は、現在の人々も学ぶべきなのでしょう”ということです。

私たちが出した結論は、皇位継承を「男系男子のみ」から「男女を問わず長子優先」にすべきだという内容でした。女性や女系の天皇の容認は、社会の変化に対応しながら、国民が支持する象徴天皇制を安定してつなぐことを可能にする意義があると考えます。

そして、この最後の発言は、非常に重要なことを言われていると思います。

有識者会議を代表して小泉首相に報告書を手渡したとき、私はこの結論を国会で十分議論してほしい、とお願いしました。この報告書は天皇制の持続のための必要条件を述べたものであり、国民がこの条件を守る意味をより深く理解するためには、国会での議論が必要だと考えたからです。

これは実に理系の科学者らしい発言の仕方であり、びっくりしました(なんと頭の良い議論なのでしょう)。報告書が担保しているのは、あくまでも(皇位の安定継承を考えるための)必要条件であり、十分性を満たすためには、国会の議論が不可欠である、と。すなわちこのプロセスを経て、”男女関係のない直系長子優先⇔皇位の安定継承”、という、必要十分条件が満たされるということを示しています。

私、この平成の有識者会議について、吉川氏のインタビューで学べることは、直系長子優先という結論はもちろん大切なのですが、この結論に至る会議のプロセスだと思います(自民党の懇談会の議論こそ、このように進むべきだったと強く思う次第です)。いかがでしょうか?

ナビゲート:「愛子天皇への道」サイト編集長 基礎医学研究者

*その後、2024年1月11日の朝刊21面(総合・社会面)に、紙面上の記事として掲載されました(基礎医学研究者より<(_ _)>)

3 件のコメント

    基礎医学研究者

    2024年1月6日

    (編集者からの割り込みコメント)urikaniさん、明けましておめでとうございます(この感じですと、新潟の少なくともurikaniさん周辺の地域は大丈夫そうなのでよかったかと( ´艸`)。で…
    そうなんですよ(「男系で続いてきた」が消えていたんですね!)。この連載、紙面ではこのような書き方はしていないのです。こう思っているのは自分だけではないと思いますが、「毎日新聞」のこのあたりの対応は、大したものです)。そして、感想報告、ありがとうございました

    urikani

    2024年1月6日

    遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
    昨年末は脳ミソがいつも以上に回らず、感想が書けずにいました。
    (読んでも頭に入ってこない、文章が出てこない状態でした(>_<。)

    わたしは毎日新聞デジタルを購読しており、大晦日の夜にこの記事を読み、感想を年跨ぎでやっとやっと
    ((φ(-ω-)カキカキして 毎日新聞さまへ送りました。
    紙面では、「男系で続いてきた」が消えていたんですね!
    ( *˙ω˙*)و グッ!
    では、今年もよろしくお願いいたします。
    ┏○ペコッ

    ******

    あけましておめでとうごさいます。
    昨年末12月30日『連載・考・皇室 深まる危機 なぜ男系継承なのか 有識者会議座長の科学者がたどりついた結論 』拝読しました。

     冒頭の、「皇位は男系のみによって継承されてきた。」というのは正確ではありませんが、それを差し引いてもこの連載は本当に素晴らしいです。

    2005年の有識者会議と2021年の有識者会議の違いは、吉川氏のこのお言葉からもよく分かります。
    「目的はあくまで、未来に安定して皇室が存続するためのルールを考えることに集約されていました。」

    2005年の有識者会議では、『安定的な皇位継承』を叶えるという前提が認識されているのに対し、2021年では何故か『皇族数の確保』にすり替わっています。恐らく『男系継承』を外したくない、外さないという前提があったのだと思います。

    やっと動き出した政治にも、29日の貴紙の自民党懇談会の結論のスクープ記事を読み、国会議員はどこを、誰を見て誰の何のために動いているのか?と怒りが沸きました。

    男系継承では絶対に続かないことは明らかで、現在一般国民である旧宮家系男系男子の中に皇族の養子に入る意思のある方は絶対に出てこないでしょう。
    日本は皇室を諦めなければいけないのか?と絶望しそうになることもありますが、毎日新聞さまの連載を読み、また皇室に思いを寄せる皆さまの存在、何より国民と共にあろうとして下さる天皇陛下と皇室の皆さまのご存在に、なんとか気持ちを保っています。
    今年も毎日新聞さまに期待し、応援致しますので、何卒よろしくお願い致します。

    サトル

    2024年1月5日

    (記事詳細は未読ですが……)
    「合意の為の必要条件とは何か。」

    実に(当たり前なんですが)、的確です。
    倉山の「絶対条件」「相対条件」のねじ曲げと明確に違いますね。
    明晰ですね。

    まあ、倉山らダンケーの頭の中は「エッシャーの騙し絵」みたいなもんですからね。
    錯視なんか錯綜なんか知らんけど。

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