“「旧宮家の養子」内閣法制局も合憲ですか?”に対する反応(京都のSさん)

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昨日、当サイトでは、産経新聞の正論(コラム)について紹介しました。

いい記事ではまったくなかったのですが、これに対して、危篤にも素早く産経新聞に意見・コメントを送られた方より報告が寄せられたので、以下に紹介します。


【京都のSさん】

 貴紙の1月11日掲載の「正論」「『旧宮家の養子』内閣法制局も合憲」という百地章氏による記事を拝読しました。氏は園部逸男氏の直系論に疑問を呈していましたが、色々と問題の有る意見だと感じました。
 初代の神武から13代まで(神話の延長部分)と116代の光格から126代の今上陛下まで(ほぼ近現代)しか直系で続いていないと言いますが、神話時代と古代・中世の継承を比較すべきでないことは言うに及ばず、感染症を克服できる程の医療技術が無かった時代と現代を比べるのもフェアではありません。また、その現代とて皇位継承の安定性は薄氷を踏むような状態です。それは何故でしょうか?現行の皇室典範が男系継承しか認めていないからです。であれば、紛争・抗争・病死のリスクが高かった古代・中世・近世の直系継承を論うより、現代における男系継承の不可能性を問題視して皇位継承の安定性を高める方策を模索するのが学者の本分ではないでしょうか?
 また百地氏は、馬渕澄夫議員に対する内閣法制局長官の国会答弁に触れ、皇族男子が3方しか居られない現状を鑑みれば、皇統に属する男系男子を確保する(皇室典範1条を満たす)ために旧宮家系の男系子孫を養子入りさせることは憲法14条違反(門地による差別)に当たらないと強弁しますが、それは憲法の下位法に過ぎない皇室典範が上位法の憲法を凌駕しても良いと思っていることを意味します。このような人物が憲法学者を名乗って良いのでしょうか?そう言えば八木秀次氏も竹田恒泰氏も憲法学者でしたね。自称保守で自称憲法学者の3方が挙って男系論者で、挙って旧統一教会との関係も深いという事実に唖然とします。
 貴紙は1面のコラムを上記の売国的な人物のために確保しておくリスクを感じないのでしょうか?   京都市在住の一読者・○○
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まず、産経新聞にご意見送られた労に、敬意を表します。正直、産経新聞。この論調では、失礼ながら全国紙から陥落されたのもやむをないと思いますが(関西に在住していますとこの事実は分かりにくいのですが)、それを放置しないところが、素晴らしい。自分は記事を引用する際、直系継承の百地氏の意見については、ちょっと控え目なコメントだったのかもしれません。実際は、京都のSさんのようにハッキリと、「古代と現代の比較はフェアではなく、考えるべきは、公衆衛生が発達し乳児死亡率も減少した現代で、なぜ皇位の継承が薄氷を踏むような状態になったのかを考えるべき」というのは、非常にクリアでしたね。また、内閣法制局長官答弁の解釈についてはまったく同意で、なぜこの結果「ダンケー」と言われる方々が調子づいているのかは、正直、理解不能(逆に、(政府案の)縛りがあると、あのような答弁しかできなかった、というのが実際のところでは)。新聞への警告として良い感想だったと、思う次第です(基礎医学研究者)。

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