〈記事紹介・感想〉第9弾 森暢平成城大教授の警鐘(これでいいのか「旧宮家養子案」)

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森先生のこれでいいのか「旧宮家養子案」第9弾です。

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サンデー毎日:「女性宮家」潰しのためにまかり通った歴史の曲解 社会学的皇室ウォッチング! /107 成城大教授・森暢平

「令和の有識者会議」の案にある、ありえない家族の形

女性皇族の夫と子供は国民

素人でも「なんじゃこりゃ?」です。
森先生は冒頭

有識者会議が男系論者に忖度して、女系天皇につながる「女性宮家」をどうしても認めたくなかったためだ。実は、そのために歴史が曲げられていた。

と書かれています。

「令和の有識者会議」は、女性宮家創設を問うた「退位特例法」の附帯決議にゼロ回答。国会を舐めています。安定的な皇位継承に何もつながりません。

「TikTokで配偶者の女性皇族が何しているかを配信しても問題ない。なぜなら国民の権利だから」ありえないですね。立憲民主党の論点整理で問題点が指摘されています。

森先生は「皇女和宮」の例を出し、女性宮家を認めない有識者会議の報告を「残念だ」と嘆き、

 明治天皇の叔母である和宮が婚姻後も「皇族」であったとする報告書は間違いである。明治の皇室典範ができるまで「皇族」という概念自体がないためだ。それに代わる概念は「皇親(こうしん)」である

と書かれています。

皇親?

現代は、婚姻によって身分が変わる(美智子さま、雅子さま、紀子さまは結婚されて皇族になられ、黒田清子さん、小室眞子さんは結婚されて国民になられた)のに対し、皇女和宮の当時は結婚しようがしまいが
「皇親」←天皇との血統のつながりがある方

知らなかった!

「皇室」という言葉も明治期以降に作られたもの

知らなかった!

江戸時代から、明治大正昭和と天皇の家族の在り方はだいぶ変わりました。側室のある家族から一夫一婦制へ。これが皇室が積み重ねてきた伝統です。それを「令和の有識者会議」が「皇女和宮」の例を出して「女性宮家」を潰しにきたことについて
森先生は

「皇族・国民混成家族」案は、有識者会議が、今後の日本社会の家族の多様性を反映させるがために編み出した案ならまだ分かる。しかし、そうではない。伝統的な家族観を重視する保守派が、「女性宮家」を潰すために出した案である。保守派が、逆説的に皇室の家族を壊そうとしているのは皮肉なことだ。

 和宮・家茂夫妻は「皇族・国民混成家族」であり、それが、皇室の伝統であるという主張は滑稽(こっけい)としか言いようがない。有識者会議は最初から結論ありきで、自分たちに都合のよい専門家しか呼ばなかった。だからこんな情けない報告書になる。

と、「令和の有識者会議」をぶった斬っています。

森先生の連載を読む前から感じていたことではありますが、

「令和の有識者会議」は何のために集められたのか?

この疑問が連載を拝読するたびに強くなっていきます。

今回、高校の時に現代社会で習ったこの言葉が浮かびました。

ゲリマンダー – Wikipedia

18日も、自民党はいまだにこの「令和の有識者会議」での報告書を元に「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」が議論を行っています。

いい加減「安定的な皇位継承」に何も効果がない報告書を元にして懇談会を開くという茶番は終わりにしてください。

森先生の次回作を楽しみにしています。

文責 愛子天皇への道サイト運営メンバー ふぇい

5 件のコメント

    くりんぐ

    2024年3月20日

    現代で国民女性が男性皇族と婚姻する場合皇族の身分を取得するのは、皇室の品格を守るため。
    それは憲法で基本的人権・ありとあらゆる自由を保障された国民のままでは、皇室の品格は守れないということです。

    内親王・女王の配偶者が国民のままという案を押し通そうとするのは、令和の有識者会議が皇室の品格を軽んじた証です。
    皇室の品格を貶める問題行動を繰り返したことが皇籍離脱の理由になった旧宮家系元皇族の男系子孫を、特別扱いで皇族にしようとしているのも、皇室の品格を軽んじているが故の行いでしょう。

    SSKA

    2024年3月19日

    勉強になりましたし、全く仰る通りだなと言う内容でした。
    明治以前と以後で全く違うのは身分の撤廃で以前だと原則生まれた身分のまま一生を終えるのに対し以後は違ったと、同時期に廃された姓も近い経緯であったと感じます。
    価値観や制度として儒教や朱子学から西洋の物に置き換えたのでどちらも外来の物から取捨選択した、その行動様式が固有の歴史や保守のはずなのですが男系からは何も伝わりません。
    与党案が極めて質が悪いのは、皇族を特別な身分と見なし重んじる振りをしながら森先生のご指摘の通り近代の理念に真っ向から反する女性差別を正当化している点です。
    女は男と違い宮家設置の権利を認めないのと同時に現代人に明治以前の身分差の価値観で生きる事を強要するのは精神的虐待としか思えませんし、その一方で皇族にとって特別な権利である宮家すらぞんざいに扱おうとする姿勢(産経の飛ばし?)からは天皇、皇室の歴史も文化も無視し、ただ男優位の意識を残す以外何も感じません。

    自称保守は古い価値を廃した明治近代化は礼賛し、イラク戦争では近代文明を絶対としていたのに男系はどちらにも逆行し、どこの歴史とも繋がらずただ一点遺伝子のみを概念として凝視する異様な宗教であると自ら示しています。

    ありんこ

    2024年3月19日

    毎回森さんの記事が面白い。
    こんな至極真っ当な見方がどうしてあちこちから湧き上がらないのか。どこに忖度しているのやら。最近やたら毎日新聞下げ案件見ますけど、こういう今都合の悪いことやってるからなんだろうなぁって思いますね。
    令和の報告書鵜呑みの自民党・公明党案を至極当然批判することで善の側に立てるというのに。お手軽ヒーローになれるチャンスなのに。不思議だ。愛子さまがいい、そのお子様が天皇になるのの何が問題なんだ?で十分なのに。どうせ男尊女卑が守るべき伝統だからと堂々と言えない連中なのだから。ウダウダ言い出しても男尊女卑じゃんでいい。
    へ理屈はいくつでも付けられるし、彼らは「いや違う!」としか言えないから。男尊女卑以外の何物でもないのに。

    突撃一番

    2024年3月19日

    「形式的には明治初期まで国家体制を規定する法典であり続けた」
    とされる養老継嗣令にも、第1条に親王・諸王の条件に加え、「親王より五世は~皇親の限りに在らず」と、「皇親」の範囲については明文化されてますが、配偶者の身分規定はされてませんからね。

    明治典範とは異なり、皇族の婚姻を「華族に限る(39条)」という規定すら消滅した昭和以降とは、前提が全く異なるという事を、自民党にはまず認識してほしい。

    いたずらな先例踏襲主義は、誰も幸せにしません。

    (冒頭については、山川出版社「日本史広辞典」 高森明勅『天皇「生前退位」の真実』p178からの二重引用)

    チコリ

    2024年3月19日

    ホントに「なんじゃこりゃ?」ばっか!
    「ゲリマンダー」初めて知りました。
    有識者会議は茶番、
    どこが何をもって有識者?メンバーも見事に茶番。
    寺内貫太郎にちゃぶ台ひっくり返してもらいたい。
    (私たちがするんでしょっ!)
    森先生、記事の発信ありがとうございます。

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