革命的皇位簒奪への対策を『源氏物語』から学ぶ

Post's thumbnail

 Eテレの番組「趣味どきっ!」の「源氏物語の女君たち」は大河ドラマ「光る君へ」の連動番組であり、古典ロマンスの最高傑作『源氏物語』の見所を光源氏が愛した8人の女君たちを通して紹介しています。以下の論考は『源氏物語』本文を読まずに前掲番組から得た知識だけで立論したものであることを予め断っておきます。

 まず、主人公の光源氏は身分の低い女房「桐壺更衣」と帝(桐壺帝)との間の子であり、皇族の生まれでありながら母の身分の低さゆえに臣籍降下して源姓を下賜されたという設定です。父の桐壺帝は嫡妻「弘徽殿の女御」の他に「藤壺宮」という妻もおり、光源氏は義理の叔母である「藤壺宮」を恋い慕っていました。まだ光源氏が宮中に居て皇族の身分だった頃と、源姓を賜って臣籍降下した後との2度、二人は密通しました。そして皇位は、桐壺帝と「弘徽殿の女御」との子である「朱雀帝」から、「藤壺宮」との子である「冷泉帝」へと受け継がれました。しかし、実際には冷泉帝は藤壺宮と光源氏との子であり、彼が皇位を継いだということは臣籍降下して源姓を賜った臣民の子が皇位を簒奪したわけです。つまり、ここで皇室タイプのY染色体が間男のY染色体に置き換わったことを意味します。男系固執派ならば「光源氏は男系の皇胤だから継承資格がある!」と大喜びしそうですが、真の尊皇家なら「君臣の別を舐めるな!」と言わねばなりません。

 では、この易姓革命にも似た皇位簒奪劇を防ぐ方法はあったのでしょうか?当然あります。「朱雀帝」(桐壺帝と弘徽殿女御の子)から「冷泉帝」(藤壺宮と光源氏の子)への革命的傍系継承を阻止するために、朱雀帝の娘(内親王)である「女三宮」に直系継承させることです。つまり女帝擁立です。そして以後は女三宮の皇子が継いでいくこと(女系継承)です。

 娘を入内させて帝の外祖父に成りたい右大臣家や光源氏からすれば男帝以外は認めがたいでしょうが、「君臣の別」を厳粛に守りたいのであれば女帝と女系継承を認める以外は無かったということです。私益のために男系継承を守りたい『源氏物語』劇中の権力者も、男尊女卑を捨てたくない現代日本の男系固執派も、軒を貸して母屋を取られている(男系を守って皇室そのものを滅ぼしている)のです。    

文責:京都のS

2 件のコメント

    京都のS(サタンのSでも飼い慣らすし)

    2024年3月24日

     Y様、※ありがとうございます。Y染色体に拘る御仁らの塵芥(トラッシュ)ぶりったらないですね。パトラッシュと一緒に寝ロって思いますわ(笑)。

    神奈川のY

    2024年3月23日

    母屋を取られてるに気付かない男系固執派は哀れな塵芥(トラッシュ)な存在ですね。こちらも油断して同じムジナにならないよう気を付けて参りたいです。

コメントはこちらから

全ての項目に入力が必須となります。メールアドレスはサイト上には表示されません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。