「アイヌ」の現状に見る、血統差別の弊害について(第二回)

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前回ブログでは、北海道のとある観光地における「アイヌと和人」の関係性について、私が見てきた実態をまとめてみました。

勿論これは、北海道の片田舎で起きている小競り合いのレベルに過ぎない話かも知れません。

だが、もし権力者が正式に、旧宮家子孫の養子縁組案に顕著なように「血統によって、国民間で異なる待遇をする事」を正当化してしまったら? 

そしてその差別を、あろうことか「皇室の維持」の為に必要な要素として制度化してしまったら??

当然ながら、前回私が提示したような事態は北海道だけに収まらず、全国各地に「国民同士が、男系血統の有無によって分断しあう」という状態が波及してしまうでしょう。

それがどのような巨大な不幸を招くのか、「シミュレーション」とは言ってみたものの、正直私にも全く想像できません。

「旧宮家ブランド」を商売に利用する者が現れたり、出世で有利に働いたりする事もないとは言えません。

何より「旧皇族でもないくせに、皇室について偉そうに語りやがって!」などと、アタリマエみたいに言われる日が来るかも知れません。

実際、アイヌ問題に関しては私も同じように言われた事もありますから。「アイヌじゃないくせに・・・」みたいに。

ついでに言うと、アイヌの関連事業を批判的に論じた書籍の出版が道内で極端に少ないのも、「当事者」に遠慮してモノが言えない風潮を作ってしまっているせいかも知れません(それに反比例するように、所謂(いわゆる)「ヨイショ本」なら、大量に出回っている)。

私の知る限り、アイヌをヨイショしない「アイヌ関連本」の執筆者は、砂澤陣さんとか的場光昭さん、故人では河野本道さんくらいですかね。

そうやって、皇室に関する様々な問題すら「特定の国民だけが語る事を許された、専売特許の分野」みたいな風潮になっていけば、皇室の側だって、全ての国民に分け隔てなく接するという事も難しくなるでしょう。

そうなってはもはや、「国民統合の象徴」とすら言えない状態を作ってしまいかねません。

「皇族数の確保(?)」に関する国会の全体会議も、5月17日から始まったそうですね。

自民の笛の音に、公明維新国民が吊られて踊り狂ってる有り様は、さしずめ「ダンケーバカルテット」とでも言いましょうか。

一部の勢力におもねるあまり、こいつら音痴四兄弟が国民への血統差別を強行しようとしている今、ちょっとでもそれを阻止する為の警告になればと思い、投稿させていただきました。

※ 最後に、この問題をより整理しやすくする為、蛇足ながら私見を加えさせていただきますが、私はもう「先住民族」なるカテゴリー分けそのものが、少なくとも日本においては全く不要だと思っています。

元々、本州以南と北海道とは、少なくとも縄文時代には既に、津軽海峡を超えて混血と交易が活発に行われていた事は様々な研究から明らかになっていますし、刃物等の鉄製品や儀式に使う漆器等、和人との交易品の存在に依存する事で「アイヌ文化」も成立しているのですから。

代表的な「熊送りの儀式」とて、元は内地由来の「イノシシ祭り」が起源ですから、アイヌにのみ、独自性のある文化とは言えません。(瀬川2016)

従って”先住性”がそもそも認められない以上、「アイヌ民族」「アイヌ系日本人」なる区別は不要であり、権利も義務も我々と対等な「日本国民」と定義して、全く問題ありません。

もし、伝統文化を次世代に継承したいのであれば、「先住民族の文化」としてではなく、相撲とか歌舞伎、じょんがら節等と同様、「数ある日本文化の中のone of themとしてのアイヌ文化」という扱いでいいと思います。

前回ブログで既述した通り、もはや和人の関りなくしては文化の継承すら出来ないのですから、「伝統文化の担い手を血筋で分断する」という価値観を、さっさと捨てるべきでしょう。

和人が古式舞踊の踊り手になろうが、

外国人がアイヌ語の語り部になろうが、

ナメック星人がアイヌ料理屋を経営しようが、

本人に「才能と熱意」さえあれば、時代の変化に合わせて新しい感覚を取り入れながらもエートスを継承していけるのだから、それは正統な「アイヌ文化」なのです。

相撲界だって今や、外人だらけじゃないですか。

スーパー歌舞伎で「ワンピース」やってたみたいに、マッスルミュージカルならぬ「マッスル古式舞踊」とかやっても面白いかもww

文責 北海道 突撃一番

~参考文献~
・「アイヌの生活実態」
交易社団法人 北海道アイヌ協会HP:
https://www.ainu-assn.or.jp/ainupeople/life.html

・瀬川拓郎『アイヌと縄文』ちくま新書2016年2月10日

3 件のコメント

    突撃一番

    2024年5月21日

    掲載&コメントありがとうございます!
    旧宮家という「家柄」によって国民を差別する事が「門地による差別」なのは間違いありませんが、例えば「男系血統」とか、あるいは「アイヌの血を引いているか否か」を理由に、国民間に異なる扱いをする事は、どちらかというと「人種差別」に該当すると私は考えています。
    言うまでもなく、これも憲法第14条で厳禁されています。

    2019年に成立した、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(通称「アイヌ新法」)においても、「北海道の先住民族であるアイヌの人々・・・」と謳ってはいるものの、「アイヌの人々」が具体的に誰を指す呼称なのか、その定義については、この法律では全く定めていません。

    おそらく、法律で「先住民族とは何か?」に関する定義づけをしてしまうと、必然的に血統を根拠の一つに据える事を避けられない為、上記の理由によって違憲立法の疑いが生じてしまうリスクを避ける意味合いもあると思われます。

    実に姑息な立法です。

    皇室典範改正によって、あるいは新立法によって、自民党の草案通りの「皇族数確保」プランを実行しようとすれば、必ずその新法には「皇籍取得条件」を明記せざるを得なくなります。

    「アイヌ新法」同様、該当者の条件を曖昧にしたままで法案を成立させてしまえば、「国民男子なら誰でも皇族になれる」という事になってしまい、それこそ「君臣の別」を崩壊させてしまいますから。

    必然的に、養子縁組の条件に「旧宮家」あるいは「男系男子孫」という皇籍取得条件を明記せざるを得ないでしょう。

    それは即座に、「人種差別法」の成立を意味します。

    SSKA

    2024年5月21日

    問題視される一部のアイヌの血統主義は行政との癒着で一見潤う様に見えながら利権の死守に徹し文化継承の熱意を失うのと国民との隔たりを生む為に外部から関心が失われ、将来的に組織が先細りし商売目的と化した文化自体自滅に進んでいると予想します。

    反皇室4政党の中で公明は母体の独善的な宗教教義、維新は地域差別の大阪単独政策(首都構想、かつての道州制や地方分権の懐かしい響きも)と何れも排他主義や地域分断を正当化する反国民に支持される特徴がありますが、一部アイヌの血筋、地域への拘りや皇統の旧宮家系神格化も同様に差別を標榜しながら自ら国民との距離を深め隔絶したカルト集団と位置付けられ滅びる運命しか見えません。
    ナメック星人の自存と共生の思想に学べは仰る通りだと思います。

    旧宮家系男系支持者は皇室を御し易い怠け者の組織に作り替えたいのでしょうが、ご本人達から真っ向から否定されているのに無駄な努力と感じないのが致命的に頭が悪い点です。

    京都のS(サタンのSでも飼い慣らすし)

    2024年5月21日

     自称アイヌ民族を台頭させた上で、「我こそはアイヌ民族の開放者なり」と名乗り出る者も出てくるはずです。例えば、ウクライナで負けてルックイースト(ターゲットを日本に変更)したロシアとか、数十年前から北海道の土地をガンガン買収している中華系資本(中国)とかです。血統による分断の先にあるのは他国からの侵略かもしれません。さらに血統による分断が皇室すら破壊しかねないなら、我々は侵略に対抗するバックボーンすら失うことを意味します。
     それから「ナメック星人がアイヌ料理屋を経営しようが、」をブッ込んでくる感性が素晴らしいです(笑)。

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