この問いは衝撃的です(゜o゜;
人間にとって酸素は必要か? と同じレベルで自明のものとし顧みることすらしていなかったことを告白せねばなりません。
日本の歴史を紐解けば、天皇こそ政治的正統性の根本であることは明白です。
実際、皇室にお家騒動が起き正統性の根源が割れてしまうと国内は乱れています。
・壬申の乱:古代最大の内戦
・保元の乱:武家に政治の実権が移動する端緒に
・南北朝:名分より実力(私利私欲)の風がはびこり下剋上の戦国時代につながる
一方、大きな混乱を収束できたのは天皇あればこそともいえます。
近い時代の有名な事例では以下が挙げられます。
・明治維新
・大東亜戦争終戦の御聖断
ある本では「天皇は500年に一度役立つ(からいいのだ)」といった記述を見た記憶もあります。
「役に立つ」ことは間違いないと思うのですが、そのような道具の如き見方だけでいいのかという気持ちも否めません。
あれこれ考えているうちに、数年前の飲み会で職場の20代前半若い子に「日本ならではのものって何ですか?」的なことを聞かれ、「天皇と日本語…かな」としか返せなかったことを思い出しました。
人間一人ひとりに人柄があるように、各国にも国柄があると見るのは不自然なことではないはずです。
国柄が何によって表象されるのかはそれぞれ違いがあるでしょうが、日本の場合は天皇の存在を抜きに語ることはできないと考えます。
ここで思考実験をしてみたいと思います。
大変畏れ多くまた不敬を申し上げ甚だ恐縮ではありますが、仮に現在の皇室の方々が何らかの理由で一度に全員お隠れになったとします。
その場合、どうすべきか?
a.民間人のうち皇室の血を引く人にお願いして皇族、天皇になってもらうのか?
(a1.その人が断ったらどうするのか?)
(a2.断らなかったとしても国民はその人を皇族、天皇として受け入れることができるのか?)
b.天皇(制)はこれにて終了、とするのか?
天皇制は必要と考える者ではありますが、a.にはどうにも抵抗を感じますしa1a2のような難題が生じるのも必至です。
となると、制度として心底絶対無条件で必要と考えているわけではない、つまり、今の皇室とその子孫による天皇制は続いてほしいが皇族の血を引いていようとも生まれながらに皇族として育っていない人が天皇になるのは認めない、という論に帰着します。
現時点でいえるのはここまでですので、さらに思考を深めるべく読書や議論をしてみたいと思います。
3 件のコメント
一両
2020年11月27日
京都府・Sさん)
コメントありがとうございます!
今の憲法は出自も内容にも問題は多いと見ておりますが、第一章が天皇から始まっていること、天皇を秩序の最上位に置いていること、天皇抜きでは国の統治が成り立たないようにしていることは評価できると思います。
男系派は一知半解の知識を振りかざしもはや伝統の名に値しない男系維持という旧弊維持にやっきになっておりますが、それこそ皇室滅亡への近道であることをわかっていない、もしくはわかろうとしていない点、いわゆるコロナ脳マスク脳にそっくりです(-_-)
ダダさん)
コメントありがとうございます!
天皇制は必要である、と単純に言い切ってしまうと、誰でもいいから天皇をやってください、に行き着いてしまうような気がしており、そこが引っかかっています…
皇室の方々も人間ですので、いつお隠れになるかわからないですし、子供に恵まれるかもわからないわけです。
天皇皇族が一人残らずいなくなったらそこで終了やむなし、しかし日本国は残る、ということなら、天皇制は(必ずしも)必要ではない、となってしまいます。
制度というのは属人的ではないからこそ制度なわけですが、天皇制だけはそうではない。
そのあたりを考えていきたいと思っています。
京都府・S
2020年11月25日
「天皇制は要らない」論を展開する意義は、総理大臣任命や国会開催など国家の機能として組み込まれた天皇を無くした場合、早急に憲法改正が必要になるが、それでも良いのか?と左翼側に迫ることが出来ると思います。左翼は反天皇イデオロギーと護憲イデオロギーの一体どちらを取るのか?は見物ではあります。自称保守側はレゾンデートルとして皇室を保守したいはずですが、この先も永遠に男系で繋がっていく可能性がゼロに近いからには、天皇制が無くなることを想定すべきでは?と迫ることができます。それでも男系に固執して共和制に至っても已む無しとするか?それでも女系容認に転向するか?が見物ではあります。
ダダ
2020年11月25日
皇族ゼロからの再出発は不可能だと思います。
天皇と同じ時代を生きてきた。という情緒から、aは選択できません。
私の場合は、bです。
私はここら辺が限界ですが、一両様はさらに展開されようとしているので頭が下がります。