〈記事紹介・感想〉第20弾 森暢平成城大教授の警鐘(これでいいのか「旧宮家養子案」)

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森先生のこれでいいのか「旧宮家養子案」第20弾です。

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サンデー毎日:皇室民主化の象徴だった戦後「旧皇族」の皇籍離脱  成城大教授・森暢平

 旧宮家皇族たちが、もし連合国軍総司令部(GHQ)に皇籍離脱させられたなら、独立回復後、復籍させて皇位継承者を確保しなかったのはなぜだろうか。それは、敗戦直後の皇籍離脱が「皇室の民主化」の象徴であり、国民はこぞって雲上から「降りてきた」皇族の「国民化」を称賛したためである。(一部敬称略)

ずっと気になっていた旧宮家皇籍取得「なぜ今なのか?」に、閑院宮春仁氏の生活を挙げて森先生が教えてくださいます。

閑院宮春仁氏は、皇籍離脱7日後の記者団と会見し平民となった心境を話し、手記を手渡しています。
その内容は、

「皇籍離脱の御感想を」と聞かれた春仁は、「(離脱が)本格的な世論となつて以来、その実現の日を待望していた。皇族籍を離脱されて、さぞお淋(さび)しいでしようと同情されるのは私にいわせればお門違いである」と言い切る。春仁は皇籍離脱を見据え、三都和(みつわ)商会(本社・東京日本橋)の社長におさまっていた。進駐軍向けの建築金具の製造のほか、結婚相談など手広く事業を手掛けた合名会社である。春仁は「純然たる民間人として、実業方面に進み、再建日本のために出来るだけのことをしたい」「(社長業は)ロボツト的存在に甘んずる気持はない」と強調した。

どうしても「お淋しい」と思ってしまいがちですが、ご本人は社長として会社を引っ張り、日本の再建のため民間人として働いていこうという気概を話されています。
実際には担がれた社長でしたが、電車通勤をされたり市井で働く姿を見せ、住んでいた小田原邸の庭を開墾して自給自足の生活をしたいなど話されています。

これからは一市民として過ごしていくことを話され、そして実践され、その姿を報道し、国民が好感を持って接しています。

世間知らずの旧皇族をテーマの映画に「同じ国民として見てほしい」と怒り、
森先生は

春仁が強調したかったのは、臣籍降下する旧皇族は、天皇と国民の間に立つ役割を果たすということだった。戦後の新生皇室と国民は「たがいに心を合わせて日本再建に進むという関係」となるはずだと春仁は考えた。そのなかにあり、天皇家と国民の間に立つ役回りを強調したのである。

と書かれています。

森先生のこのシリーズで繰り返し報じられていることですが、天皇も国民も旧皇族ご本人も、どなたも「皇室に戻って皇位継承者になってほしい」と考えていないようです。

漫画家との対談に庶民を強調する春仁氏。実際は土地を売って使用人を使って庶民の生活とはかけ離れていたようですが、そこについては当時報じていないようです。

森先生は結びに

 皇籍離脱して、戦前にはなかった自由を得た旧皇族たち。52(昭和27)年、日本が独立を回復した後、社会のなかからも、旧皇族たちの間からも、皇籍復活を主張する声はなかった。それにもかかわらず、皇籍離脱から77年が経(た)った今、時計の針を戦前に戻し、皇室の「非民主化」を行うことがはたして妥当なのだろうか。

と締めています。

もう一度。

森先生のこのシリーズで繰り返し報じられていることですが、天皇も国民も旧皇族ご本人も、どなたも「皇室に戻って皇位継承者になってほしい」と考えていないようです。

春仁氏に子供はいなくて、ご本人が亡くなった昭和63年に閑院家は廃絶しています。
安定的な皇位継承に「旧宮家養子案」は、誰の得になるのか。旧宮家の子孫の方々にとっても迷惑な話でないでしょうか。
当事者(陛下・皇族・旧宮家子孫を含む国民)が誰も望んでいない、助からない制度をごり押しするメリットは何なのでしょう。「天皇と国民の間に立つ」と考え行動された歴史を男系固執派はどう考えているのか。

森先生の次回作を楽しみにしています。

文責 愛子天皇への道サイト運営メンバー ふぇい

3 件のコメント

    くりんぐ

    2024年6月28日

    皇族に戻ることを望む方が誰もいなかったのは、それだけ自由が魅力的なものだったのもあるでしょう。
    現代で皇族になれば、心無いバッシングに反論する自由も無い、お金を自由に使えない、「必ず男子をもうけろ」と責められる。
    好きな人が皇族というわけでもないのに、誰が「皇族になりたい」なんて思うでしょうか。

    旧宮家系国民男性の中に「旧宮家復活」をしつこく主張してる方が一人いますが、本人は自分が皇族になるつもりが無い。
    自分は自由を謳歌したい、これからも自分がダンケーカルト内でちやほやされるために、他の旧宮家系国民男性を生け贄にしたいだけ。
    こんな人のために皇族になってあげるなんて冗談じゃないでしょう。

    SSKA

    2024年6月26日

    全体に詳しくありませんが、カルトやマルチやら不正な蓄財に励んだ人以外は旧皇族の肩書が民間では功を奏し、所属する組織や社会への貢献もありつつ平穏に暮らされた印象が強く、旧皇族では無い竹田ですら皇族の末孫の肩書で国内外でちやほやされますから、実際に皇室から降りた方は特別な事をせずとも、いるだけで存在感は絶大だった様に思われます。
    表現は悪いですが、皇位から遠い人々からすれば皇室は縛りがきつい反面実入りが少なく、GHQの喧伝する自由への憧れもあり出る事に躊躇の無い人も少なからずいただろうと考えていました。
    映画の内容に激昂するのも一般の視点からは世間ズレの部分もあったにせよ、当事者達は皇室の国民と共に歩む理念を本気で体現する気であったと感じられ、その心意気を現代になって無下にする自称保守派はどこまで他人の人生を踏みにじれば気が済むのかと怒りが湧いて来ると同時に憲法14条は国民である彼等を守る為にある事も納得出来ます。
    ご夫婦の庶民暮らしのエピソードは黒田清子さんに近いものを感じましたが、家庭生活の円満に皇族も国民も関係無いので身分差のままの結婚等断じて有り得ないと改めて結論付けられます。

    あしたのジョージ

    2024年6月26日

    この記事、朝Xで見て、コンビニでサンデー毎日を買いました。
    旧宮家皇族復帰は、男系固執派だけが望んでいて、旧皇族の人達や一般国民は望んでないと思います。(どちらも一般国民ですが)
    男系固執派のメンツの為に利用しようとしているだけに見えます。
    真面目に考えているようには見えません。😮‍💨

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