「愛子さまの軌跡」webバージョンは、これまで愛子さまのご誕生から悠仁さまのご誕生まで、10個のできごとを紹介してきました。
これらのできごとの期間は、約5年(平成13年12月1日~平成18年9月6日)。
その間、愛子さまの輝かしいご成長の裏で、筆舌に尽くしがたい程に酷い男系固執の動きや、男児出産圧力が皇室の方々を苦しめてきました。
今回は、番外編として、この間に起きた男系固執の動きや男児出産圧力についてまとめました。
平成13(2001)年
12月1日
愛子さまご誕生の裏で、事前に生まれるお子さまが女子であることを知っていた宮内庁幹部は、早くも第二子のことを雅子さまに持ち出し始める。
平成14(2002)年
4月2日
「生まれてきてありがとう」と語られた皇太子さま・雅子さまの記者会見の中で、高松宮妃喜久子さまの寄稿を誤った意味に捉えて切り抜き・引用しながら、公然と第二子の出産圧力をかける質問が飛ぶ。
平成15(2003)年
6月10日
前日、皇太子さま・雅子さまがご成婚10年に当たっての文書回答で、(第二子よりも)愛子さまの育児に専念したい意思を示し、
さらに「今後,一人目に至るまでにあったような内外からのプレッシャーを是非とも避けたく,この点につき,よろしくお願いしたいと思います。」
とまで明確に求められたのにも関わらず、
宮内庁長官がこの日の記者会見で「やはりもう一人は欲しい」と、お二人のお気持ちを踏みにじる発言をする。
12月11日
宮内庁長官が、雅子さまが帯状疱疹を発症された直後の記者会見で、
「秋篠宮さまのお考えもあると思うが、皇室の繁栄を考えた場合、三人目のご出産を強く希望したい」
と発言する。
平成16(2004)年
5月頃
皇太子さまの「人格否定発言」を受け、宮内庁のある幹部は、
「雅子妃が実直な皇太子にあのような発言をするよう仕向けたのではないか」と、
本気で敵意を見せ始める。
一方その頃・・・
6月
「朝まで生テレビ!」で八木秀次がY染色体を言い出し、スタジオが呆然となる。
後に八木は、「男系継承」の意義を人に説明するには「Y染色体」を持ち出すしかなかったと述懐している。
「男系継承」の意義を「Y染色体」以外には見出せなかったと白状したことになる。
よしりん先生
「彼が守りたいのは「男系」ですらなく、「Y染色体」だった!」
8月16日
宮内庁が、雅子さまや主治医の確認もせず、皇太子ご夫妻のブルネイ訪問を発表する。
だが当時の雅子さまは、ご静養のために那須に移動することもできない状態で、飛行機に乗って海外渡航などできるわけがなかった。
当然雅子さまのご訪問はキャンセルとなるが、それにより宮内庁では、「人格否定発言」に加えてさらに「顔に泥を塗られた」と、皇太子ご夫妻に憎悪の感情まで抱く者がいたという。
この頃には、東宮職は宮内庁から一方的に突き上げられ、沈黙して一切情報が出てこなくなり、宮内庁から雅子さまに対する悪意で歪曲された噂が際限なくマスコミに流れるようになる。
同時期には、宮内記者会のボードに掲げられた雅子さまのお写真の上に「わるもの」というキャラクターのシールがしばらく貼られていたこともあったという。
12月23日
天皇誕生日の記者会見を受けて、岩井克己が「苦渋にじむ直截な表現」と題し、皇太子さまバッシングを展開する記事を朝日新聞に載せる。
これを口火として、皇太子ご夫妻=悪、秋篠宮さま=善といったストーリーにもとづくバッシングが蔓延るようになる。
12月末
『WiLL』2005年2月号に、加瀬英明の「皇太子殿下に敢えて諫言申し上げます」と題するバッシング記事が載る。
その中で、
「御皇室を尊崇する一人として、殿下の御発言はその御位にふさわしいものではなかった、と思う」と批判。
尊崇するといいながら、
「御皇室のありかたは、御皇室の方々が考えられるべきものではない。(中略)国民が決めることである」
「天皇、皇后両陛下は、なるべく静かになさっていらしていただきたい」と上から目線で両陛下に指図。
平成17(2005)年
9月30日
「皇室典範に関する有識者会議」で女性・女系天皇公認へと議論が進められていく中、
ひげの殿下こと三笠宮家の寛仁さまが、関係団体の会報で、男系継承の維持およびそのための手段として旧宮家養子案等を主張される。
主張の中で、八木の論文(?)に学んで「神武天皇のY1染色体が継続して現在の皇室全員に繋がっている」と記されている
(女性はY染色体自体を持たないにも拘わらず、「皇室全員に繋がっている」と記されているところからして怪しいが)。
10月
安倍晋三が官房長官に就任。
このとき、八木が安倍に「女性宮家の問題点について」説明。
元々は女性宮家や女性天皇に否定的でなかった(と八木が語る)安倍を男系固執に転向させる。
平成18(2006)年
1月10日
竹田恒泰が『語られなかった皇族たちの真実』を出版し、男系継承維持の主張を展開する。
この頃、かねてより親交のあった寛仁さまから、娘の彬子さま、または瑶子さまとの結婚話を持ちかけられる。
しかし、彬子さまに「私は好きな人と結婚できないのですね」と返されるなど、「とにかく娘があいつを嫌っている」ことにより、破談となる。
1月14日
自称保守オールスターが一堂に会し、「皇室典範改悪阻止 国民総決起集会」を開催。
元々は「万策尽きれば女系」という程度には柔軟性もあったものが、完全に「男系ゼッタイ」とする同調圧力が作り上げられる。
その後、反対集会は全国展開、まだ法案提出前の時点で全国会議員の3分の1が反対を表明、政局の問題に発展しかねない状況にまで至っていた。
2月
紀子さまがご懐妊され、安倍官房長官が記者会見で、
「ご懐妊になられたけれど、有識者会議で出た結論を踏まえた法制化を粛々と進めていきたい」とのメモを握りつぶし、
独断で「ご懐妊を踏まえ静かな環境が必要、改正議論は凍結する」と発表。
その3日後に、内閣として正式に改正法案提出を断念する。
9月
悠仁さまがご誕生され、勝手に安堵した政治家が議論を棚上げする。
同時に、皇太子さま・雅子さまに改めて男児出産圧力が加えられる。
13日には、登山をされていた皇太子さまに同行していた記者が、
「愛子さまは弟を欲しいとおっしゃっていませんか」
「弟と相撲を取りたいなんておっしゃいませんか」
との質問を投げつける。
これ以降も、西尾幹二・橋本明による「廃太子論」など、皇太子ご一家へのバッシングは苛烈を極めることになりますが、ここでいったん締めます。
振り返って思ったのは、秋篠宮ご夫妻に対しても、男児出産圧力は働いていたのではないかということです。
宮内庁長官が、記者会見で公然と「三人目のご出産を強く希望」と発言する前から、内々でそのようなことを言ってきたのではないでしょうか。
平成17年から18年にかけての、
寛仁さまが意思表明し、
八木が安倍を懐柔し、
竹田が登場し、
自称保守オールスターが大規模な反対運動を展開した
という動きには、すさまじいものがあります。
同時に、秋篠宮ご夫妻にも相当なプレッシャーがかかっていただろうことは、想像に難くありません。
悠仁さまがお生まれになったとき、紀子さまは部分前置胎盤となられ、大変なお産となりました。
こうした経緯を口実に、男系派は
「継承順位を変えるのは、悠仁さまや紀子さまに失礼だ」
といったような言いがかりをつけてきます。
しかし、そのように悠仁さまの生まれた意味を「男系を維持するため」としか捉えないことの方が、よほど悠仁さまや紀子さまを侮辱しています。
悠仁さまがお生まれになったのは、それだけで素晴らしいことですし、「愛子皇太子」が実現しても、
「国民と苦楽を共に」という皇室の伝統を受け継がれる、大切な次世代皇族のお一人
であることに変わりはありません。
私は、雅子さまが愛子さまを生んでくださったのと同じように、
紀子さまに、眞子さま、佳子さま、悠仁さまを「生んでくれてありがとう」と、心から感謝しています。
男系維持に繋がらないだけで意義を見失ってしまうような歪んだ愛は、悠仁さまを苦しめるだけです。
そのような異常な状態は、一日も早く解消しなければなりません。
※肩書きや称号は、全て当時のものです。
参考文献:
・『皇后雅子さま物語』(友納尚子、文春文庫)
・『天皇論 平成29年』(小林よしのり、小学館)
・愛子内親王殿下御誕生につき(平成14年)
・皇太子同妃両殿下ご成婚10年に際しての文書回答(平成15年)
・小林よしのりライジング Vol.415 笹幸恵「自称保守派こそ、皇室を破壊する【勢力】である~小室眞子さん、圭さんの結婚で彼らは何を言っていたか~」
(現在、サイバー攻撃に伴い閲覧不可)
・『ひげの殿下日記』(寛仁親王、小学館)
・『語られなかった皇族たちの真実』(竹田恒泰、小学館)
・週刊文春平成25(2013)年11月21日号「華原朋美も知らない 竹田恒泰『”ヒゲの殿下”長女への下心』」
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文責:静岡県 L.K
5 件のコメント
SSKA
2024年8月21日
この当時は皇室についてあまり真剣に考えていなかったので偉そうな事は言えないのですが、人格否定発言は報道量が多かったのもあり、身内に関してただならぬ事態が起きていると自ら訴え出た皇太子様を心配した記憶はあります。
後に小林先生の作品等で詳しい時系列に触れてからは二度と起きてはならないと皇室の事情を知ろうと努める様にはなりましたが、残念ながら原因となる男系主義とそれを支える男尊女卑の魑魅魍魎は陛下の周辺からは払われた印象はありつつも、外部や政治家から執拗に掛けられる圧力は未だ変わらず同じ事が再び繰り返される兆ししか見えないのが現状と言えます。
悠仁様のお相手を同世代と考えても、その両親や親族、関係者は雅子様の身に起きた内容と同じ目に遭わせまいと娘や孫の幸せを願い送り出すのを頑なに拒否すると容易に想像出来るのですが、人の家庭や個人を思い通りに動かせると勝手に考える連中は頭がどうかしています。
秋篠宮家が日常的に心理不安を抱えているのも根本的に生んだ後も変わらぬ男子必須圧力、唯一の男だから立派に育てろと家庭の外から外野が口を挟む土壌が何も変わらない為に気が休まる時が1秒も無く助けも得られない中で必死に耐えられている劣悪な環境がご一家全員を苦しめていると言えると思います。
ご家庭が安定しなければお子様の成長にも不安を感じ、その空気を嫌った国民も皇室入りを拒む事で次の世代の誕生にも弊害が生じる認識が行き渡らず、遅すぎるとしても変えて行かねばどうにもならない気がします。
くりんぐ
2024年8月21日
男系固執派や宮内庁の天皇皇后両陛下・秋篠宮ご夫妻への所業には、読んでいて虫唾が走る思いです。
男系固執のままでは、今度は悠仁さまとそのご結婚相手が「必ず男子を産め圧力」に苦しめられるのは確実。
それは悠仁さまがご結婚を拒むには十分過ぎる理由です。
愛する人と一緒になることが叶わない。その方がよっぽど可哀想です。
悠仁さまの幸せのためにも、皇位継承を一刻も早く直系長子優先の双系継承へ移行しましょう!
パワーホール
2024年8月20日
天皇皇后両陛下の「産まれてきてありがとう。」という言葉に男系派は何も感じないのでしょうか。すごく感動的で素晴らしい言葉なのに。
あしたのジョージ
2024年8月20日
読んでいるのも嫌になるぐらい、トンデモない精神的ないじめをやってきた、宮内庁の人達やメディアや男系派の人達。
宮内庁は、皇室の人達をお守りする立場なのに……。
男系派のロビー活動で、安倍晋三もやられてしまったのでしょうか。
未だに八木秀次のY染色体論を信じている 竹内久美子。
竹田恒泰など、ろくでもない男系派の人達のロビー活動に騙されてしまった政治家達をいかに巻き返し出来るかに皇室の未来がかかっていると思います。
ありんこ
2024年8月20日
当時の時系列をまとめてくださってありがとうございます。加瀬英明「御皇室のありかたは、御皇室の方々が考えられるべきものではない。(中略)国民が決めることである」というのは、自称右派保守共が皇室の考える伝統を伝統ではないと切り捨てている現状の元ネタなのかな?と感じました。(国民主権病ではありますが)
はらわた煮えくり返りますね。
悠仁殿下の誕生を伝統ある皇室の滅亡の元凶にしかねない彼らの態度、いったいどうしたもんかと思ってしまいます。