その1,およびその2において、突撃一番さんは、今回「愛子天皇論」を議員事務所に届けたコンセプトを説明してきました。で、今回はいよいよ本番で、突撃一番さんが、実際に各事務所の議員にお渡しした文面の公開、となります。では、どうぞ(by基礎医)
さて、自由民主党・立憲民主党も含む多くの国会議員の方々の間では、「秋篠宮文仁親王殿下から悠仁親王殿下までの継承の流れを、揺るがせにしてはならない」という意見が、大半を占めているように思います。
この固定観念は、本当に正しいのでしょうか?
2020年11月8日の「立皇嗣の礼」によって、秋篠宮殿下が皇嗣である事実が内外に宣言されたとはいえ、決してそれが即座に、次の天皇が秋篠宮殿下だと確定した事には、なりません。
なぜなら、「皇嗣」は「皇太子」とは異なり、あくまで現状における継承順位「暫定1位」の立場でしかなく、継承順位の変更も十分あり得るお立場だという事は、皇室研究家の高森明勅氏も再三に渡って指摘されている事ですし(高森p20~24)、何より当の秋篠宮殿下ご本人が、「皇太弟」の称号も辞退され、継承順位第1位である「皇嗣」となられる際の心構えをジャーナリストから問われた際も「象徴天皇制を担うのは、あくまで天皇であり、私は兄を支える、助けることに徹するのではないでしょうか」(江森p128)と、わりかし受動的な姿勢を崩しておられない事等、即位に対しては消極的な御意志をお持ちだという情報も漏れ聞こえています。
天皇在位中の上皇陛下が、御即位20年に際した記者会見において、「この先,皇族方の数が非常に少なくなり,皇位の安定的継承が難しくなる可能性がある」という記者の質問に対して「皇位の継承という点で,皇室の現状については,質問のとおりだと思います。」と、特に踏み込んだ回答をされている事実や、「ゆくゆくは愛子に天皇になってほしい」と発言されたという情報が書籍によって公にされても(奥野p244)、宮内庁が特に抗議の声を上げた形跡もない事を踏まえれば、当事者たる天皇陛下や皇族方が、決して皇室制度の「現状維持」を望んではおられない事は、拝察できると思います。
何より、これまで皇統の男子継承を永らく支えてきた「側室制度」という基盤を失った今日、皇室典範の「男系男子」というルールを維持したままで皇統を未来永劫、継続する事は不可能です。
まさに「制度の欠陥」と言えるでしょう。
その「欠陥」の上に現行の皇位継承順位があるのですから、典範改正によって制度の欠陥が是正された結果、順位が変更されるというのであれば、特に批判されるべき事ではないのです。
むしろ先述したように、当事者たる皇族方が、継承順位変更に反対される筈もなく、また一割程度の男系固執派を除く圧倒的多数の善良な国民も、「祝賀ムード」をもってそれを歓迎するであろう事は、今年共同通信が行った世論調査の結果からも、容易に予想出来るでしょう(後述)。
参考文献
・奥野修司『天皇の憂鬱』新潮新書2019年3月20日
・江森敬冶『秋篠宮』小学館2022年5月16日
・宮内庁HP「天皇陛下ご即位二十年に際し(平成21年)」https://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/kaiken/kaiken-h21-gosokui20.html・高森明勅『「女性天皇」の成立』幻冬舎2021年9月30日
文責 北海道 突撃一番
2 件のコメント
突撃一番
2024年9月18日
掲載&コメントありがとうございます!
ある意味今回の論点が、自民立民双方のダンケーカルトの脳髄に共通してこびりついた固定観念だと思うので、最も重要なテーマかも知れませんね。
ここだけでもバンバンと拡散してほしいです。
基礎医学研究者
2024年9月18日
(編集者からの割り込みコメント)ごくろうさまです。「悠仁様までの継承順位を揺るがせにしてはならない」、これをタイトルに持ってきたのは、よかったですね。このキーワードの固定観念がかなり強力なのは、現在の自民党総裁選が象徴的ですが、逆にこの前提をとってしまえば、もっと柔軟な考え方ができるはず(実は、大多数の国民はこのようなことを前提とはしていないはず)。今回の手紙部分を読んで、そのように思いました。