皇統クラブ活動が活発な中、主君の為に東奔西走した三国志の文官たちの姿に主君、君主の為に恋闕の心が観えたと思い、ご紹介したく失礼致します。
三国志時代は戦乱の世で荒れに荒れて、人の命が羽毛の如く消えたりしていた中、主君の為なら何のそのと投げうつ文官たちがいました。 流浪で国、宿無しと呼ばれた劉備に仕えていた文官たちも関羽、張飛、趙雲たちと同じく、地位や財産捨てても劉備の為に力を振るい、 劉備が負けて落ち延びる先を手配したり、劉備の再起の土台を整えたりしました。
通常は、文官たちは武官に比べれば戦いの前線に立たされる事は少なく、後方支援や事務処理、政務にあたるのですが、ことに外交に当たっては前線で戦う並にリスクが高いことがありました。 この当時の外交では普通に相手が機嫌損ねたら簡単に首をはねられたり、命を落とすリスクがあり、文官たちは命をかけています。その為、文官たちは胆力や弁舌に力を入れて自軍の利益確保と命の確保に努めていました。ことに劉備に仕えていた文官たちはその苦労が人1倍、いや2倍あり、 主君を生き延びられるよう手を尽くします。
劉備は滅亡寸前まで追い詰められる事がたびたびあり、その一つに官渡の戦い前後に曹操に負け、再起したさいにどこに落ち着くかと悩んでいたさい、大陸の中央下位置する荊州を治める、劉表に頼る事になりました。 劉表は劉備と強い繋がりはありませんが、唯一共通があったのは漢の帝と同じ血の繋がりがありましたので、同じ帝を支える一族として落ち延びる先に選ばれました。
劉表はこの頃、地方を上手く統治しているように観えましたが、外には曹操の大軍の影が観え、内には、長子に後を譲るか、次男に譲るか決断出来ず、次男の外戚の圧力もある状況でした。劉備としては何とか曹操と対抗する為にも腰を落ちつけたく、内外に不安抱えこむ劉表に、曹操の南下を防ぐためにもと説きたく、劉表に向かわせる文官を誰にするか悩みました。 下手すると自分と文官の命を落とすリスクがある中、胆力と弁舌を備えた人物として、孫乾が名乗り出ました。
孫乾は劉備が徐州を治めたさいに仕えた文官で、劉備に惚れ込み、劉備が宿無し君主になっても付き従い、苦労を厭わない人物でした。 劉備は心配するも、孫乾は大丈夫です。と主君を安心させ、劉表に面会しました。 折しも、この頃劉表の陣内では曹操に降伏か抗うかと議論され、外戚の蔡氏の降伏論に傾きかけていた中でした。
孫乾は来る途中でも街の人々から様々な情報を得ながら、劉備をどう売り込もうと考え、劉表の陣内に入り、状況を察します。 “これは並のやり方じゃ駄目だな”と孫乾は頭をフル回転させつつ、劉表に恭しく一礼をし、外交を始めます。孫乾は劉備がここまで至った経緯と劉備の大義を説き、自分たちを曹操の防人として置くと劉表軍にとって大きなメリットになると語ります。劉表は孫乾の上手く心をくすぶるような話ぶりに関心を持ち、孫乾の話を聴きました。
しかし、降伏派の蔡一族の蔡瑁が待ったをかけます。蔡瑁は曹操に降伏派であり、後継者争いの中に劉備が入るのを懸念したとあり、蔡瑁は義をモットーにしている劉備が長子を蔑ろにする自分たちにつかず、障害になると思ったのか、劉表に孫乾の首をはねて、ついでに劉備の首を添えて曹操に献上しようと強く訴えます。劉表は困惑し、どうしたものかと考えあぐねた顔をしたさい、孫乾は腹の底から高笑いし、場の空気を変えました。 孫乾は笑いながら、「劉表さまは名君と謳われ、荊州四郡を素晴らしく治め、その力は曹操にも抗えます。しかし、蔡瑁殿の言う通りに私の首と我が君の首を曹操に贈ったら、曹操はほくそ笑むでしょう。まだ何も軍を起こしてないのに、劉表は首を二つ贈りおった、これなら軍を率いただけですぐ降伏するだろう、四郡を治め軍もあるのに、ああ劉表は愚かだな」と。
孫乾は劉表の名士としてのプライドを刺激しつつ、我が君は戦って負けても曹操に降伏しないのに、四郡を治めている劉表殿は戦わずに降伏するのは漢の流れを汲んでいる君主としてどうよ?とのたまいました。 劉表は孫乾の言葉を聞いて、蔡瑁の降伏論を下げ、劉備を招き入れる決断をしました。 こうして劉備たちは一息つける場所を得る事が出来ました。
思うに、孫乾の外交での土壇場の底力は人と交流するさいに必要な事ではないかと思い、皆々様の皇統クラブ活動の一助になればとご紹介させて頂きました。御役に立てれば幸いです。
文責 神奈川県 神奈川のY
2 件のコメント
神奈川のY
2025年1月30日
あしたのジョージさま、コメントありがとうございます。
大陸の三国志演義を観ると普通に外交に来た人の前に煮えたぎった油鍋(人が入るサイズ)が置いてあったり、戦のあたりだとそのまま首が飛んでいったりして、当時の文官も命懸けだと思いました。今の外交では表立って命落とすリスクは見えませんが、油断してると・・・ですね。
あしたのジョージ
2025年1月29日
孫乾という人は、度胸が据わっていますね。
首をはねられるかもしれないのに、一歩も引かないクソ度胸は、見習うべきところですね。
私には出来ませんけど。🥹