女人禁制を破った漢

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天覧相撲 は一月場所に行われる事が多いらしいですが、令和7年天覧相撲への期待
今年の一月場所では行われませんでした。

前に投稿したブログで当時の動画が紹介されていますが、最後に天覧相撲が行われたのは令和2年(2020年)一月場所です。
やはり、未だに厳しい状態が続いている能登半島地震の被災地への御配慮でしょうか。

さて、ここから本題。
皆様は大相撲の第39代横綱・前田山英五郎(まえだやまえいごろう)をご存じでしょうか。
大正3年(1914年)生まれの前田山は昭和4年(1929年)一月場所で初土俵を踏みます(所属は高砂部屋)。
その後、昭和13年(1938年)一月場所後に大関となり、昭和22年(1947年)六月場所後に横綱に昇進します。

しかし前田山は性格に問題があり、若い頃は酒に酔って騒動を起こしては脱走を繰り返したと言います。
また、ある時巡業中に力道山と些細な事で喧嘩になり、力道山を張り手一発で失神させたそうです。
そして、極め付きが横綱時代です。
昭和22年(1947年)十月場所中に腸炎で休場したはずが、その後、サンフランシスコ・シールズと読売ジャイアンツの試合を観戦していた事が発覚し、引退に追い込まれて「クビになった横綱」と呼ばれました。

しかしその一方で、漢気がある人物でもありました。
昭和9年(1934年)に稽古中の怪我で右腕切断の危機に陥った時には、数度の手術を執刀した前田和三郎医師への恩義から四股名をそれまでの佐田岬から前田山に改名します(ウィキペディアのこの話の注1に頭山満の名前がありました)。
また、引退後には昭和26年(1951年)に当時前例の無かったアメリカでの巡業を行ったり、昭和42年(1967年)には出羽海一門から破門された千代の山(千代の富士の最初の師匠)を高砂一門に受け入れるなどしました。

そして前田山の漢気が最大限に発揮されたのが、昭和32年(1957年)3月末の事でした。
前田山は愛媛県での巡業で女相撲の大関(女相撲の最高位)だった若緑の相撲を開催し、土俵の女人禁制を破りました。

かつて、大相撲の土俵に上がった女性がいた。地方巡業で起きた前代未聞のできごと

上記の記事によると(一部表記を変えています)、前田山は「皇后陛下でも土俵に上がれないことは私も知っています。畏れ多くて土俵には上がれません」と言って固辞する若緑に対し、前田山は「確かに神代の時代から女は一度も土俵に上がったことはない。でも、いつまでもそんな考えをしているのは時代遅れだ。日本の封建的な時代は、今度の戦争で終わったんだ」などと言って説得したと言います。

前例や伝統(とされているもの)を「※そんな事は不知火!」と破った前田山の生き方は(前田山の横綱土俵入りは雲龍型だったそうですが)、現代の国会議員にも見習って欲しいです。
特に、男系固執派の国会議員は「愛子天皇が真の伝統?」「そんな事は不知火!」などと言っていないで、直系長子優先の皇室典範改正を実現して下さい。

※自作のよしりん語。
横綱よしりん(四股名は常識の海)・木蘭丸(露払い)・笹錦(太刀持ち)の3人で不知火型の横綱土俵入りを披露する。

尚、両手に花なのはよしりんが大相撲の女人禁制に反対だからである。

文責 愛知県 叶丸

4 件のコメント

    京都のS

    2025年3月5日

     いえ、直接的に反天皇を匂わせる描写は出てきません(でもタイトルに「菊」が入っているのは隠喩として?)。敵は資本家です。戦争に向かっていく世相が舞台設定で、政商(主に政治屋と結びついた軍需産業)の要人を狙っていたように記憶しています。無政府主義者の結社と女相撲の力士たちに交流があったという「歴史のIf」を描いていました。「きな臭い安倍政治」批判と「女を土俵に上げるな」問題が左派の主要な話題だった頃に企画された作品です。

    叶丸

    2025年3月4日

    京都のSさんが紹介されている映画について検索してみました。
    よく解らないですが、主人公は「天皇が差別の元凶」的な考えだったのでしょうか…?
    https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%B5%9C%E5%93%B2

    叶丸

    2025年3月4日

    掲載とコメントありがとうございます。
    余談ですが、相撲の知識は以下の趣味で書いている小説もどきの為に(付け焼き刃ですが)色々調べました(前田山の事もその時に知りました)。
    相撲のシーンが少ない会話主体の作品ですが(笑)、時間と興味がある人は読んでみて下さい。

    相撲の国の刀舞
    https://estar.jp/novels/25727452

    それから、作中では地名や人名は微妙に変えていますが、皇室の方々の(個人名は出て来ないですが)御名前はそのままの設定です。
    更に物語は2027年十一月場所から始まりますが、その数年前には皇室典範が改正されていると言う設定になっています。
    作品を書き始めたのは構想も含めると約5年前になりますが、当時は「流石に、数年し後には皇位継承問題は解決しているだろう」と思っていたのでそうしました。

    まさか、自民党を始めとする男系軽党があそこまで酷いとは…。

    京都のS

    2025年3月4日

     これですね。「かつて、大相撲の土俵に上がった女性がいた。地方巡業で起きた前代未聞のできごと」( https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/wakamidori-zeki#google_vignette

     そして、瀬々隆久監督が女相撲を題材の一部に据えた映画「菊とギロチン」を撮っています。アナキスト(無政府主義者)が主人公ですから、当サイトで紹介するには似つかわしくないですが…。
    https://cinema.u-cs.jp/interview/kiku-guillo-zeze-aizawa/

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