国を護り、零戦に桜満開させ、縦横無尽に戦った 撃墜王・零戦虎徹と言われたエースをご紹介します。(その五・菊水作戦その1、岩本徹三氏と剣部隊の特攻への想い。)

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この時、日本は制空権、制海権をアメリカに取られ、段々抗う術がなくなって物資も底を尽くかという状態でした。そこへ、特攻という機隊諸共、体当たりで敵艦を沈める攻撃に海軍は舵を切ります。お国の為に進んで機体に爆弾を付けて敵に体当たりの特攻が必死の戦果を上げていく中、海軍の上層部は、だんだん、志願制の特攻をほぼ同調圧力で特攻を命じる事が起き、岩本徹三氏や志賀淑雄大尉、坂井三郎氏などエースパイロット達は自分らは行かないで若者達に行かせるのはどういう事だ!と強い抵抗を覚えます。

また、 岩本徹三氏の回想・人物伝曰く、 サイパン銃撃隊(第一御盾隊)隊員となる若年搭乗員達を訓練していたさい、第1御楯特別攻撃襲撃隊大村中尉以下の活躍を聞き、「短期訓練で、あれだけ困難な任務をよくもやりとげたもものだと、強い感銘を受けた」とあり、近接護衛戦闘機として数十機の特攻機の突入を目の当たりにして、数刻前まで共に存在していた人々が消えてしまったことに「髪の毛が逆立つ思いであった。」「せめて彼らの最後と、その戦果を、詳細に見届けておこうと、私は何時までも上空を旋回していた」とありました。戦争末期の飛行機の搭乗員に対しては「訓練しては前線に送り、一作戦で全滅させて、またもや訓練の繰り返しである。実戦に役立つ戦力に達するには程遠い。しかし、前線では搭乗員が不足しているのだ」とやりきれなさを残してます。


343空は岩本徹三氏達と同じく、一度きりの特攻するより、他に戦えるのなら、戦闘機乗りは命がある限り敵を落とすのが本懐である!という気風があり、 源田実司令の教官であった有馬正文中将という人は幹部を集め、「これからは敵空母を沈めるためには、体当たり攻撃が必要です。そのためには若い士官や兵隊だけを死なせるわけにはいきません!」特攻を行うなら上級指揮官が搭乗すべきと、志願者を募るが、集まった幹部は誰一人名乗りを上げず、普段温厚実直の中将が、それまでの温厚な口調を一転して、「誰もおらんのか!よし、それなら私が乗ろう」と怒鳴ると、参謀や副官が止めるのも聞かず司令自ら一式陸攻に搭乗し帰って来ませんでした。
 自ら出撃したのは、有馬中将が常日頃から「司令官以下全員が体当たりでいかねば駄目である」「戦争は老人から死ぬべきだ」と言っており、一身を犠牲にして手本を示して有馬中将は、出撃時に軍服から中将の襟章を取り外し、双眼鏡に刻印されていた『司令官』という文字を削り取って出撃したとあります(有馬正文の人物伝・ウィキペディア参照。) そんな有馬正文中将の背中を観ていた源田実司令官とその気風受け継ぐ剣部隊と数々の戦場で仲間を看取って来た岩本徹三氏は、“特攻と言うのなら、まずお前えら(上層部)が行け!”という感じだったと推察します。 そんな折の中、特攻作戦・菊水作戦が展開されます。 今回はここまで、次回は深窓のご令嬢、零戦と田舎のイノシシ娘、紫電改の活躍をご紹介します。

(その2に続く。)

番外:

???: ちょっと待てぃ!Yの肩を強く掴む気配。
Y: 何ですか、オヤジ。もう結構オヤジ達の話書いたじゃないですか、順番こですよ。順番こ。
???: まあ、待て。ちょっと言葉を借りたいのだ!
Y: 何でしょうか?
源田実オヤジ: うむ、実は話たいことがあってな、今大東亜戦時代の英霊達に関する話題が盛り上がって尚且つ皇室問題に動きが出ただろう?更にブルーインパルスも大阪では残念だった(*)が、活躍する予定だし、両陛下が英霊に寄り添ってくれるし、今年は熱い!
 岩本徹三氏が乗る零戦の話題も多く、何か流れが動いたと感じたぞ!
Y: それは良かったです、そろそろ岩本徹三氏の話に戻ってもよろしいでしょうか?
桜吹雪の岩本徹三氏: いや、待て!源田実司令官に言いたい事がある!!じゃないと次回やりきれん!やい、 343空ばっかり最新機の紫電改集めやがって! 更に零戦の防弾に反対しやがって許さんぞタヌキオヤジ!
源田実オヤジ: その件は申し訳なく思う。 紫電改を創る余裕が無い中、集中的に配備して相すまない。だが、ただ独り占めしただけではなく我らも命懸けにて戦果を残した、すまん。 零戦の防弾の反対は物資不足にあったが、改造が難しかった面もあったのだ。下手に改造するとあの名刀の斬れ味が損なうと敵に太刀打ち出来んかったと思う、は言い訳か。すまん。
桜吹雪の岩本徹三氏: 源田司令だけ悪い訳じゃないが、どうしても言いたかった。すまん。 次回、お互い暴れてやろう!
源田実オヤジ: 無論!見敵必戦で日本の意地を見せてやる!!

*これは、大阪・関西万博の開幕日の2025年4月13日に予定されていた航空自衛隊の「ブルーインパルス」による展示飛行(アクロバット飛行)が中止になったことを指す(by基礎医)

以上、2人の想いをYの調でのやり取りでした。

文責 神奈川県 神奈川のY

3 件のコメント

    神奈川のY

    2025年4月16日

    あしたのジョージさま、叶丸さま、
    コメントありがとうございます。
    あしたのジョージさま、周りの年配者を観ますと我が物タイプと人に気を遣いまくるタイプが多いのかなと思いました。どちらかと言うと学生運動時代とかの前後のような気がします。
    軍人も我が物タイプと気配り出来るタイプがあり、源田実のオヤジ殿達は民や配下の事に気を配れたタイプかと思います。
    叶丸さま、岩本徹三氏の異名は零戦と斬れ味抜群の戦闘方法が名刀に例えられてたと思います。零戦は名刀故に下手に改造が難しかったのかと推察します。人の性質も皇室も然りかと。男系固執の変なやり方では名刀の斬れ味も丈夫さにも影響出ると思いました。

    叶丸

    2025年4月16日

    自分の知識は付け焼き刃ですが…番外で零戦が名刀に例えられている事からすると、やはり岩本徹三氏の零戦虎徹異名の由来は名刀の名前からでしょうか。
    日本刀の素材として最高級なのは玉鋼ですが、無理やり皇位継承の話に繋げるならば、天皇や皇族と言う日本刀の素材に男系固執派が推す旧宮家養子案では玉鋼の足元にも及ばないでしょう。
    更に日本刀には外から見える皮鉄(型)だけでは無く、内側の心鉄(魂)があります。
    直系長子優先で女性皇族の夫と子供は皇族としなければ完全な日本刀にはならず、それ以外は偽物です。

    あしたのジョージ

    2025年4月15日

    いつの世も若い人達を犠牲にして自分達は逃げるような年寄りがけっこういると思います。
    戦時中でも現在でも。
    最近だとコロナ禍が、そういう年寄りが多かったと思いました。
    自分達が病気にならないように若い人達に自粛させて。
    私達は若い頃散々楽しんできたんだから若い人達に活動してもらって年寄りはちょっとの間大人しくしていようというような年寄りが余り見当たらなかったと思いました。
    むしろ逆のような年寄りばかりでした。
    源田実氏や岩本徹三氏や有馬正文氏は、そんな人達ではないと思います。
    彼らが今の世に生きていたらさぞかし腹の立つ事ばかりだと思います。😡

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