平成の皇室典範改正法案を提出しないという行政文書は存在しない 立憲 長浜博行参議院副議長 令和4年3月14日 参議院予算委員会 議事録読み③

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「悠仁さままでの皇位継承はゆるがせにしてはならない」方針で進められている全体会議を取り仕切る衆参正副議長四者のうちの一人である長浜博行議員が、三年前に行った安定的皇位継承を巡る質疑は佳境を迎えます。

第208回国会 参議院 予算委員会 第13号 令和4年3月14日(173長浜博行~)

○長浜博行(ながはまひろゆき)君 そして、年が明けまして、郵政選挙の後ですね、年が明けて、当然、平成十八年、二〇〇六年一月二十日に、郵政選挙で勝利をされた小泉総理による通常国会冒頭の施政方針演説が行われました。

これも事務総長に伺いますが、安定的な皇位継承のために総理が行おうとした部分があれば読んでいただきたいんですが。

○事務総長(岡村隆司君) お答えいたします。

当時の小泉内閣総理大臣の施政方針演説では、「象徴天皇制度は国民の間に定着しており、皇位が将来にわたり安定的に継承されるよう、有識者会議の報告に沿って皇室典範の改正案を提出いたします。」との発言がございました。

○長浜博行君 今申し上げたように、報告書の結論、そして、総理が国会議員の前で皇室典範の改正法案を提出すると言う状況になりました。

まあ施政方針演説が終わると予算委員会がスタートします。今年も同じでした。あのときも、その後、一週間後の一月二十七日開催された衆議院予算委員会で、憲法二条、これは皇位の世襲について説明された部分があるんですが、それに対する、当時は安倍内閣官房長官でしたが、官房長官の答弁を、官房長官、教えてください。

○政府参考人(内閣官房内閣審議官(当時)現在は内閣官房皇室典範改正準備室長) 溝口洋君) お答えいたします。

お尋ねにつきまして、当時の安倍官房長官は、憲法第二条に規定する世襲は、天皇の血統につながる者のみが皇位を継承するということと解され、男系、女系、両方がこの憲法においては含まれるわけであります、

一方、皇室典範第一条が皇位継承資格を男系男子に限定していることについては、現行の皇室典範制定時の議論を見てみますと、また、特に国会での議論を見てみますと、過去の事例を見る限り男系により皇位継承が行われてきており、それが国民の意思に沿うと考えられること、

そして、女性天皇を可能とした場合には、皇位継承順位など慎重な検討を要する困難な問題があり、なお研究を要すること、

そしてもう一点は、男性の皇位継承資格者が十分に存在していること、大体この三つが当時の国会での論点でございました、

いずれにいたしましても、政府としては、男系継承が古来例外なく維持されてきたことを認識し、その事の重みを受け止めつつ、皇位継承制度の在り方を検討すべきものである、このように考えておりますと答弁されているところでございます。

○長浜博行君 確認ですが、官房長官、男性も女性もないではなくて、男系も女系もないという答弁が最初のフレーズだったと思いますが、それでよろしいですね。

国務大臣(内閣官房長官(当時)松野博一君) お答えさせていただきます。

お尋ねについて、当時の安倍官房長官は、憲法第二条に規定する世襲は、天皇の血統につながる者のみが皇位を継承するということと解され、男系、女系、両方がこの憲法においては、憲法においては含まれるわけでありますと答弁をしております。

○長浜博行君 その翌月の二月七日ですね、小泉総理の演説から二週間余り後に、宮内庁が秋篠宮妃紀子殿下の御懐妊を発表をいたしました。そして、大変おめでたいことに、九月六日、悠仁親王殿下が御誕生あそばされました。国民こぞってことほいだことを懐かしく思い出します。その二十日後に安倍内閣がスタートをしたわけであります。

ところで、皇室典範の改正案は、待てど暮らせど小泉内閣では提出をされませんでした総理の諮問に答えて報告書が提出をされ、そして、総理が施政方針演説で、報告書に沿って皇室典範の改正案を提出すると国民の代表たる立法府、国会で言明したにもかかわらず、提出はされなかったんであります。

官房長官、どのような理由で政策変更がなされたんでしょうか。

○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。

平成十八年一月二十日の施政方針演説は、悠仁親王殿下がお生まれになる前、次の世代の男性皇族がどなたもいらっしゃらない状況において、平成十七年に開催された皇室典範に関する有識者会議の報告書を踏まえ、これに沿った皇室典範改正法案の提出を目指す旨を述べたものと承知をしております。

そうした中で、同年二月に秋篠宮妃紀子殿下の御懐妊という御慶事があり、九月六日には悠仁親王殿下がお生まれになったこと等を踏まえ、法案の提出に至らなかったものと承知をしております。

○長浜博行君 もう一度同じ質問をいたします。

小泉総理は、この報告書に基づいて皇室典範の改正案を提出すると国会で述べられました。この報告書の結論、先ほども言っておりましたけれども、あえてもう一回読みます。

古来続いてきた男系継承の重さや伝統に対する国民の様々な思いを認識しつつも、議論を重ねる中で、我が国の伝統を考えると、皇位の安定的な継承を維持するためには、女性天皇、女系天皇への道を開くことが不可欠であり、広範な国民の賛同を得られるとの認識で一致するに至ったものであります、検討に際しては、今後、皇室に男子が御誕生になることも含め、様々な状況を考慮したが、現在の社会状況を踏まえたとき、中長期的な制度の在り方として、ここで明らかにした結論が最善のものであると判断をしました。

ちょっと答弁に矛盾があるようですので、もう一回お答えください。
皇室典範に関する有識者会議 報告書(23頁)

今後、皇室に男子が御誕生になることも含め、現在の社会状況を踏まえたとき、ここで明らかにした結論=女性天皇、女系天皇への道を開くことが不可欠であり、広範な国民の賛同を得られるが最善のものであると判断
皇室に男子が御誕生されたとしても女性天皇、女系天皇への道を開くことが不可欠とされた結論・国会で皇室典範の改正案を提出すると立法府のトップに立つ総理大臣が述べたにも関わらず、提出されていないという矛盾。

○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。

報告書の中の結びに御指摘のような記述があることは承知をいたしておりますが、平成十八年当時、先ほど申し上げたような経緯になり、法案の提出には至らなかったものと承知をしております。

○長浜博行君 内閣官房には、この課題を担当していた皇室典範改正準備室というのがたしかあったはずでございます。名称はその頃から随分変わっているんじゃないかというふうにも思いますが、この組織は、内閣官房の組織は今も存在して、業務は継続されているんでしょうか。

また、このような重大な、私にはですね、皆様はどうか分かりませんが、このような重大な政策変更の経緯の記録は公文書として保管されているのでしょうか。併せてお答えをください。

○政府参考人(内閣官房内閣審議官(当時)現在は内閣官房皇室典範改正準備室長) 溝口洋君)お答えいたします。

まず、皇室典範改正準備室でございますけれども、この室は平成十七年十二月から設置されておりまして、現在は十七人で構成されております。

この皇室典範改正準備室でございますが、これまで、平成二十四年の皇室制度に関する有識者ヒアリングを踏まえた論点整理の取りまとめ平成二十九年の天皇の退位等に関する皇室典範特例法の制定、それから天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議への対応などに取り組んできたところでございます。

それから、先ほどの法案の件でございますが、政府としてこの法案を提出しないとした行政文書はそもそも存在しないものと承知をしております。

今国会で進められている全体会議に参加している現在は内閣官房皇室典範改正準備室長である溝口洋から、平成の有識者会議の報告に基づいた「皇室典範の改正案を提出しないとした行政文書はそもそも存在しない」と言質を取ったこと、本当に素晴らしいです。

○長浜博行君 法案の、まあ政策転換を行って、本会議の施政方針演説で提出する法案を言い、それを提出しないという、公文書というか、経緯を書かれたものが何も残っていないという理解でよろしいのでしょうか、官房長官

国連の女性差別撤廃委員会への対抗措置が出された経緯が明らかになっていないことについても、社民党の福島みずほ議員が鋭く指摘していました。

○国務大臣(松野博一君) 今ほど政府参考人が答弁させていただいたとおりでございます。

○長浜博行君 これを今、総理、聞いていただいて、公文書すら、メモすらと言った方がいいのかな、後の世代の人間が、今を生きている世代だけではなくて、後の世代の人間が、あのときどういう決定がなされたか、なされなかったか、これを検証できることを担保するといって公文書管理法を作ったんじゃないですか。いかがですか。

○内閣総理大臣(当時)(岸田文雄君) 今のやり取り、ちょっと整理いたしますと、平成十八年一月二十日の施政方針演説は、悠仁親王殿下がお生まれになる前、次の世代の男性皇族がどなたもいらっしゃらない状況において、平成十七年に開催された御指摘のこの皇室典範に関する有識者会議の報告書を踏まえて、これに沿った皇室典範改正法案の提出を目指す旨述べたものと承知をしております。そして、そうした中で、同年二月に秋篠宮妃紀子殿下の御懐妊という御慶事があり、九月六日には悠仁親王殿下がお生まれになったこと等を踏まえ、法案の提出に至らなかった、こうした経緯であると承知をしています。

そして、この平成十七年報告書の結び、委員が御指摘になった部分でありますが、この皇位の安定的な継承を維持するためには、女性天皇、女系天皇への道を開くことが不可欠といったことが述べられているわけですが、これらの記述は当時の状況を踏まえてのものであると理解をしているところであります。

全体会議における自民党と同じく、立憲民主党が説明していることを、全く聞いていません。

皇室に男子が御誕生されたとしても女性天皇、女系天皇への道を開くことが不可欠

この状況は、当時も現在も、変っていません。

○長浜博行君 私は、ある種の論理矛盾というか、これを国民の皆さんはお聞きになってどう判断されるかよく分かりませんが、慶事をことほぐことと、日本国の基本である、まあ一丁目一番地、象徴天皇制を守るための安定的な皇位継承を確保することは、立法府に身を置く一人として私は峻別しなければならないというふうに思っております。

未解決の課題、問題が存在し続けているがゆえに、前述した二〇一七年六月に成立した天皇の退位等に関する皇室典範特例法の附帯決議、これ国会で決議をした法案ですが、附帯決議で国会の意思として今更のように安定的な皇位継承を確保するための諸課題を先延ばしすることはできない重要な課題であると、こういうふうに書かざるを得なかったんじゃないですか。今も同じことをやっています。特例法が成立をして五年、小泉総理の施政方針演説から十六年が過ぎ去りました。

立法の不作為という言葉があります。大体意味としては、憲法上、国家が法律を制定すべきところをその職務を怠り、そのために国民に損害を与えるようになってしまうこと、こんな意味じゃないかなというふうに思っております。私たちは、子供たちの未来のために、今を生きる世代の責任は大きいというふうに思っております。

慶事をことほぐことと、安定的な皇位継承を確保することは、立法府に身を置く国会議員ならば、峻別しなければならない

悠仁さままではゆるがせにしない」と慶事を寿ぐことに事寄せて男系男子に固執して法案提出がなされなかったが故に安定的皇位継承が揺らぎ、国民に損害を与えるような事態に陥ってしまっている。

3年前の長浜議員の質疑、見事でした。

現在、進められている全体会議においても、3年前の質疑の通り、平成の有識者会議、皇室典範に関する有識者会議の報告書に基づいた法案に立ち戻るように、参議院副議長として、しっかりと働きかけていただきたいと思います。

「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ

2 件のコメント

    ダダ

    2025年4月17日

    この時の長浜議員は素晴らしいのですが、今回の全体会議では沈黙しています。
    他ブログのコメントに投稿したかもしれませんが、3/30に長浜議員へメールしました。
    ***
    参議院副議長 長浜博行様
    お世話になります。
    【令和7年3月10日 天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議】第3回の議事録を拝読しました。
    玄葉議員は『悠仁親王殿下までの皇位継承順位はゆるがせにしないという前提で御議論をいただきたい』と仰っていますが、長浜議員もこれに賛同しているのでしょうか。
    平成17年有識者会議報告および皇室典範改正案が未提出へとなった経緯を記録した公文書がないことを国会で確認したのは、他ならぬ長浜議員でした。
    玄葉議員を筆頭に遵法を意識しない方々は令和3年有識者会議報告書を金科玉条としていますが、違憲違法の疑いがなく、安定的な皇位継承の具体的な方策を結論付けたのが平成版であることは明白です。
    結論ありきの議論は無価値です。
    立憲民主党は、党名に恥じない闘いをするべきです。
    朝晩の冷え込みが厳しい時節柄、ご自愛ください
    ***

    同日、玄葉議員にもメールしています。
    ***
    衆議院副議長 玄葉光一郎様
    お世話になります。
    【令和7年3月10日 天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議】第3回の議事録を拝読しました。
    玄葉議員は
    ・『女性宮家の創設等について検討を行うと。この「等」には、今日議題になっている、いわゆる旧十一宮家からの男系男子養子案も入っております』
    ・『悠仁親王殿下までの皇位継承順位はゆるがせにしないという前提で御議論をいただきたい』と仰いますが、その根拠はどこにあるのでしょうか。
    女性宮家の創設等の「等」に養子案が入るのならば、女性・女系天皇が含まれますが、それを破棄し、違憲違法の養子案に肩入れしているのは何故でしょうか。
    付帯決議には『広く国民の理解が得られるものとなるよう、万全の配慮を行うこと。』とも記されていますが、玄葉議員の言動からはそれを微塵も感じられず、申し上げにくいのですが、整合性が全くありません。
    国民の手本となるような議論を展開して下さるようお願い申し上げます。
    皇統問題でご不明な点がございましたら、宮内庁長官や野田代表、または馬淵澄夫議員へご確認くださるようお願い申し上げます。
    ***

    宜しければご教示下さい

    2025年4月17日

    平成17年度の有識者会議報告書には、男児の出生も含めた取り決めが書かれており悠仁様が誕生されたからと言って白紙にするような内容では無かった。
    この岸田の物言いはダンケーカルト連中も良く宣いますが、統一教会と共犯の安倍の独断で握り潰したのが正解でしょう。

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