「先 例 上 は 女 性 の 天 皇 も い ら っ し ゃ い ま し た」第二回全体会議における極めて重要な立憲民主党・馬淵議員の意見が反映されていない第四回全体会議において配付された資料・「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果」に対する各党・各会派の意見の要点(令和7年4月17日全体会議机上配付)。
養子案について議論された第三回全体会議において、馬淵議員が示した①立法事実なし、②先例なし、③憲法上の疑義あり、④事実上の不都合ありという意見の要点は、資料にまとめられているか、さらに見てゆきましょう。
3.皇族数確保のための第2案「皇統に属する男系男子を養子に迎えること」について
(1)その賛否について
有識者会議報告書(R3.12.22)
・旧 11 宮家の皇族男子の子孫である 男系の男子の方々に養子に入っていただくことも考えられる。
・ 具体的な制度の検討を進めていくべ き。
自由民主党
・旧 11 宮家の皇族男子の子孫である男系の男子を 養子にすることは、皇族数確保、安定的皇位継承 のため必要な方策
令和7年4月17日 第四回全体会議 配布資料追記(第三回全体会議での意見の要点)
・当時は皇族数が十分ということで旧11宮家は皇籍離脱したが、皇族数が十分でなくなった現在で は、旧11宮家の中から養子という特例を認めるこ とが一番リーズナブル
・皇族であった方々及びその男系子孫が皇族復帰した先例はある。
・歴代天皇と旧11宮家は菊栄親睦会で交流を続け てこられた。養子縁組制度を作れば、必ず応じて いただける方が出てくるだろう。
・皇族数確保、安定的皇位継承 のため必要な方策
→第二回全体会議第1案「女性皇族の婚姻後の皇族の身分保持」の際は、付帯決議で提言された「安定的な皇位継承を確保するための方策」を「国民の理解が十分得られる皇族数確保の方策」と言い替え、すり替えておいて、養子案においては、「安定的皇位継承 のため必要な方策」に戻している自民党。
・養子という特例を認めるこ とが一番リーズナブル
→憲法違反の養子案を特例で通そうとするのが合理的。不敬極まりない意見です。
・男系子孫が皇族復帰した先例はある
→男系子孫は一般国民。復帰はできません。男系子孫が一般国民と認識していないゆえに、内閣官房参与・山崎重孝氏は「完 全 に 、 一 般 人 に 初 め か ら な っ て い る 方 が 誰 か の 養 子 に な っ て 戻 っ た 例 が あ る わ け で は あ り ま せ ん」と、同じ第三回全体会議で三度ほど述べていることも理解していません。
・菊栄親睦会で交流を続け てこられた。養子縁組制度を作れば
→男系男子が一般国民と認識していないゆえの交流があれば皇族になれるという国民の理解は到底得られない発想。
立憲民主党
・慎重な立場ではあるが、皇族数の確保のため第2 案も選択肢として残している。
・国民の理解がほとんどない。
令和7年4月17日 第四回全体会議 配布資料追記(第三回全体会議での意見の要点)
・旧11宮家の全ての子孫が対象か、時期や親等で区 切るのか、有識者会議報告書に記載はない。旧11 宮家以外にも対象を広げるかについて、有識者会 議ではほとんど議論されていない。
・養子縁組という形で皇族でなかった方々を皇族にした先例はない。
・養子になると皇族としての権利制約が生じるの で、一般国民である男系男子の方々にとっては高いハードルになるのではないか。
・養子縁組という形で皇族でなかった方々を皇族にした先例はない
→内閣官房参与・山崎重孝氏の「完 全 に 、 一 般 人 に 初 め か ら な っ て い る 方 が 誰 か の 養 子 に な っ て 戻 っ た 例 が あ る わ け で は あ り ま せ ん」言質をしっかりと取った②先例なしの意見は要点に入りました。
・一般国民である男系男子の方々にとっては高いハードル
④事実上の不都合ありの意見も要点に入りました。
→第二回全体会議における自民党の意見
・女性皇族の配偶者・子は、皇族の身分を有することなく、一般国民としての権利・義務を保持し続けることが適 切
・配偶者を皇族とするのは、女性皇族の婚姻の非常に大きなハードルとなる。
=「一般国民が皇族になるのは、高いハードルとなる」ここで大ブーメランとなりました。
女性皇族の配偶者と養子案の旧宮家の子孫 皇籍取得のハードルが高いのは、どちらなのか、高森明勅先生のDOJOブログ「女性皇族の配偶者が皇族になる場合だけハードルが高くなる?」を参考にまとめておきます。
身分 | 先例 | 聖域性 | 心情的な結びつき | |
配偶者 | 国民 | 男性皇族の配偶者は皇族取得の先例あり | 女性皇族との婚姻に因り皇族になれば保たれる | 結婚に因り強固 |
男系子孫 | 国民 | 国民の養子に因る皇籍取得の先例なし | 憲法違反の疑義のある養子制度に因り保たれない | 憲法違反の疑義のある制度に因り薄弱 |
①憲法上の問題の有無に ついて
自由民主党
憲法2条は 14 条の特則。2条に基づき皇統に属する男系男子による皇位の継承を定める皇室典範も 当然合憲であるとの共通認識に立って議論を進め るべき。(再掲)
立憲民主党
・憲法上の諸課題(14 条 1 項など)をクリアにする 必要がある。
令和7年4月17日 第四回全体会議 配布資料追記(第三回全体会議での意見の要点)
・(R7.3.10の議論で)14条1項の問題は何も解決 していない。
・憲法1条で天皇の地位は国民の総意に基づくか ら、一般の方を養子として迎えることが国民感情に沿うかは十分考慮が必要
・養子案は、憲法上の疑義があり、国民感情にはまったく沿っていません。③憲法上の疑義ありの意見も要点に入りました。
②実際の対象者の有無や その方々の意思の確認 の必要性について
自由民主党
・制度を決めた上で、意思があれば養子縁組を進めることとすべき。
令和7年4月17日 第四回全体会議 配布資料追記(第三回全体会議での意見の要点)
・今の法体系で法的根拠のない養子縁組の意思を聞けるはずもない。
・制度創設後、それぞれの意思に基づいて養親子関係が結ばれるものであり、あらかじめ決められるものではない。
立憲民主党
・現実的に養子の対象となり得る方がおられるのかを、その方の意思とともに慎重に確認した上で、 制度設計の議論に移らなければならない。
・意思確認が難しいことは理解するが、どんな知恵があるか議論したい。
令和7年4月17日 第四回全体会議 配布資料追記(第三回全体会議での意見の要点)
対象の存在や意思が不明であり、皇族数の確保手 段として非常に不確実
・立法事実の確認をしないままに、制度を作ることはできません。①立法事実なしの意見も要点に入りました。
③何らかの要件(皇室会議の議を経ることにする等)を 設けるか否かについて
・全体会議において、これまで自民党と立憲民主党からは意見が出されていない論点。
「皇室のことは、皇室の方に決めていただければ良い」と、ゴー宣を読んでいない家人がいつも申しており、皇室会議で決めていただければ、もっとも国民感情に沿うように思います。
④何らかの制限(天皇陛下等を 養子縁組の対象としないこと 等)を設けるか否かについて
立憲民主党
令和7年4月17日 第四回全体会議 配布資料追記(第三回全体会議での意見の要点)
具体的な制度設計において、養親がどなたとなるのかについて整理が必要
馬淵議員の意見がここでは要点として入りました。
(2)皇族となられた方の皇位継承資格について
・皇位継承資格を持たないこととすることが考えられる。
自由民主党
・皇位継承資格を持たないとすることが適切
立憲民主党
・長期的に検討すべき課題
(3)皇族となられた方の配偶者及び子の皇族の身分及 び皇位継承資格について
・縁組前に生まれた子は皇族とならないことも考えられる。
自由民主党
・縁組後に生まれた男子は皇位継承資格を有するも のとすることが適切
立憲民主党
長期的に検討すべき課題
令和7年4月17日 第四回全体会議 配布資料追記(第三回全体会議での意見の要点)
養子となった方の子孫は皇位継承資格を有するかについて、有識者会議報告書に言及はないが、整理が必要
皇族数の確保に限定して進んでいるはずの全体会議において、皇位継承資格についての意見が出ています。
議論すべきは、男系男子ではなく、「皇室典範に関する有識者会議 報告書」(平成17年11月24日)で提言された「幼少の頃から、将来の天皇として国民が期待を込めて成長を見守ることができるような安定性という意味で、出生順に順位が決まる長子優先」すなわち
「愛子さま立太子」実現しかありません。
4.皇族数確保のための第3案「皇統に属する男系男子を法律により直接皇族とすること」について
(1)その賛否について
自由民主党
・皇族数確保、安定的皇位継承のための方策として 考えられる。
・皇族となられた方は、皇位継承資格を持たないと することが適切
・皇族となった後に生まれた男子は皇位継承資格を有するものとすることが適切
立憲民主党
・ 一般国民である対象者の同意も無しに基本的人権 をはく奪することにつながり、第2案と比べても さらに憲法上のハードルが高い。
(2)現時点で結論を出すか否かについて
有識者会議報告書 (R3.12.22)
・第1案・第2案では十分な皇族数を 確保することができない場合に検討する事柄と考えるべき。
自由民主党
・第1案・第2案によって皇族数確保という目的を果たせなかった場合の方策
立憲民主党
・急いで結論を出すべき課題ではない。
憲法上の疑義があり、国民の理解は到底得られない養子案のさらに上をいく第三案は、自民党も二の次にしているようです。
◎議論の進め方
自由民主党
・静ひつな環境の中で真摯な協議を重ね、「立法府の総 意」を築き上げてゆくことは、各党各会派に課せられた責務
・政府の有識者会議報告書に基づいた項目による整理は妥当
立憲民主党
・ 静ひつな環境で議論を行うとともに、議論の経過を 国民に提示し、世論の動向も踏まえて「立法府の総意」をつくり上げていかなければならない。
・国会が主体的に論点を整理し、建設的な議論を尽く さなければならない。
・基本的には、有識者会議報告書をベースに議論を 進めるべき。
・退位特例法の際は、議論の運び方について一定のコ ンセンサスを得ていた。丁寧に進めていただくよう 強く要請
・野党第一党と、特に自民党・公明党とにおいて、一致点を見出すべき。
立憲民主党・馬淵議員の示した四つの論点整理①立法事実なし、②先例なし、③憲法上の疑義あり、④事実上の不都合ありは、すべて第四回全体会議で配付された資料・「各党・各会派の意見の要点」に入っていると判明しました。
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「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ