“安定的な皇位継承”政府有識者会議、4人中3人「女性天皇」賛成  2021/05/11【TBS NEWS】賛成意見を無視する取りまとめ

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毎日新聞と同系列のTBSが4年前にYouTubeにアップした動画をみつけました。

“安定的な皇位継承”政府有識者会議とは、令和の有識者会議のこと。

10日は、憲法学者ら4人から意見を聞き、女性天皇に3人が賛成したということです。政府はヒアリングを重ねる予定で、会議の運営に携わる政府関係者の1人は、今年秋までには一定のとりまとめをしたい考えを示しています。

動画が上げられた前日の2021年5月10日には、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議(第4回)が開かれており、憲法学者ら4人とは、以下の有識者の方々。

岡部 喜代子 元最高裁判所判事
大石 眞 京都大学名誉教授
宍戸 常寿 東京大学教授
百地 章 国士舘大学特任教授

有識者の方々の意見を令和の有識者会議の資料からみてみます。
令和3年12月22日「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議

岡部氏意見
男系男子を主張する方は、女性や女系天皇が国民の尊敬を得られるかという点や、女性天皇等の配偶者が権力を持つ事態を心配しているのではないか。そのような懸念をどう考え、どう対応するかなどを検討する必要があるのではないか。そこで、今の段階では男系を主張する論者からも理論的には認められる男系女子の皇位継承資格を認めることが、多くの人の賛同を得られる可能性もあり、円満に皇位継承者を増やす方策ではないか皇室の問題は国民のできるだけ多くが賛成する形で少しずつ変わっていくことがあるべき姿ではないか。53頁

憲法に規定されている皇位の世襲の原則は、天皇の血統に属する者が皇位を継承することを定めたもので、男子や男系であることまでを求めるものではなく、女子や女系の皇族が皇位を継承することは憲法上は可能。また、立法者意思もそうであったと理解する。56頁

大石氏意見
「安定的な皇位継承」に重点を置き、現在の皇族数の減少、特に男子皇族が少ないことを考慮するなら、皇位継承資格を内親王・女王にも認めるとともに、女系にも拡大するというのが基本的な方向としては妥当。50頁

宍戸氏意見
かつては女性天皇も存在したところ、明治維新以降、それまでの天皇・皇室の在り方を、当時のヨーロッパの君主制の在り方も参照しつつ、意識的に伝統を確認、形成したものを日本国憲法下で引き継ぐことにしたと受け止めている。現行制度は、このような伝統の下で皇位継承順位を明確にし、皇位継承資格を有する皇族の心構えを含む皇位継承への準備、さらには国民が将来この皇族が天皇になるという予期を形成する利点を持つものと評価する。他方、皇位継承者の減少をもたらす制度的要因になっている。50頁

一般に憲法第2条の定める世襲は女性を排除するものではないと解されている。皇室典範の改正により内親王・女王に皇位継承資格を認めることは可能。国事行為及びそれに準ずる活動は女性天皇でも可能であり、日本国及び日本国民統合の象徴としての役割が、女性が天皇となることを妨げるものではない。皇位継承者数が限られている現状に照らし、国家制度としての天皇制を維持する前提を採る以上、内親王・女王に皇位継承資格を認めることに賛成。53頁

どこからどう読んでも、3人の有識者は女性天皇、さらには女系天皇にも賛成しており、TBSがニュースをYouTubeでアーカイブ化したのも納得です。

女性・女系天皇に賛成している有識者が3人もいたにも関わらず、取りまとめにはまったく反映されず令和の有識者会議の報告は、皇族数の確保に限定されてしまいます。

今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない。
まずは、皇位継承の問題と切り離して、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題であり、その際、多様な世代の方が男女共に、悠仁親王殿下を支えるということが重要ではないか。

第217回国会(常会 令和7年1月24日~6月22日)における「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議」は、皇族数の確保に限定しても、ほとんどの政党・会派が賛成した女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案でさえ、自民党側が山崎内閣官房参与が関与した「皇統に属する男系男子の養子縁組を認める案」を含む修正案を提示したことによって、ご破算になりました。

女性・女系天皇賛成の意見が複数みられた令和の有識者会議も、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案に、ほどんどの政党・会派が賛成した全体会議も、取りまとめは賛成意見を無視

これでは、意見ヒアリングも議論も、まったく無駄ということになるではありませんか。
国民の信託を受けた国会議員が、こんなことを許していて良いのですか?

次の国会は、取りまとめをする者の選定から、始めねばなりません。

「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ

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