百地章氏の言説を、産経新聞が報じています。
<正論>世襲の天皇と「日本国民の総意」国士舘大学名誉教授、日本大学名誉教授・百地章【産経新聞】
「愛子天皇」支持者の中には、憲法第1条が天皇の地位は「日本国民の総意に基づく」と定めていることを根拠に「愛子天皇」こそ「国民の総意」だと主張する者もいる。例えば天皇という地位は「国民の総意」に基づくべきであり、世論調査では9割が「女性天皇」を認めている。この国民の気持ちを無視してよいのか(高森明勅『愛子さま 女性天皇への道』)との見解がある。
(中略)
このように「愛子天皇」論者や天皇制度に否定的な学者たちは、意図的に憲法第1条のみをとり上げようとする。しかし憲法第2条には「皇位は世襲のもの」と明記されており、これを無視することは許されない。問題は「国民の総意」に基づく天皇と「世襲」によって継承される天皇の関係である。
憲法第2条には「皇位は世襲のもの」と明記されており、これを無視することは許されない。
その通りですね。天皇陛下の長子でいらっしゃる御方を無視することは許されません。
意図的に憲法第1条のみをとり上げようとする とのことですので、『愛子さま 女性天皇への道』を紐解いてみますと、第6章「皇室典範はこう変える」の冒頭に「憲法が皇位の世襲を要請しているので皇室典範の改正はどうしても必要」とあります。この文言は、目次にも明記されていますので、読み落としとは考えられません。
「愛子天皇」論が、意図的に憲法第1条のみをとり上げ、憲法第2条「皇位は世襲のもの」を無視、などという記事を、仮にも全国紙と呼ばれる新聞が掲載するのは、如何なものでしょうか。
産経新聞社 記事に対するご意見・ご要望
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「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ
1 件のコメント
mantokun
2025年9月5日
記事のご紹介ありがとうございます。産経新聞に以下の意見メールをお送りしました。
9/4付「正論」百地章氏の主張について
「正論」欄ご担当者様
かつて貴紙を購読しておりました、一読者の◯◯と申します。
表題につきまして、一読して非常に違和感がありましたため、ご意見を差し上げました。
百地氏の見解では、天皇陛下のお子様である敬宮愛子内親王殿下の皇位継承は、憲法第2条が求める「世襲」の要件を満たさないということのようです。
しかし、百地氏は第1段落では「悠仁親王殿下には秋篠宮殿下の次の天皇となられるべく、揺るぎない道を歩んでいただきたいと思う。」と書かれています。言うまでもなく、秋篠宮殿下は今上陛下の弟君ですが、兄から弟への継承は世襲と言えるのでしょうか。百地氏は憲法第2条の「世襲」を根拠に、陛下の実のお子様である敬宮殿下のご継承が不適格であるかのように述べていながら、現行の皇室典範が皇位継承者を男系男子に限定しているために、自動的に兄から弟という同世代間の継承にならざるを得ない問題について触れないのは、矛盾していないでしょうか。
しかも秋篠宮殿下は、ご自身は天皇になるための教育を受けてきておられないことや、5歳しか違わない兄の後を継いで即位することはできないとお話しされています。それは秋篠宮殿下が、即位を前提とした皇太弟ではなく、あくまで暫定の皇位継承第1位であることを示す「皇嗣」のお立場を選ばれたことからも明らかです。
これほど天皇という地位の重さを誰よりもよくご存じの秋篠宮殿下が、ご子息である悠仁殿下に、天皇になるための心構えを教えてこられたとは思えません。というより、父親である殿下ご自身が皇太子としての教育を受けていないのですから不可能です。これで、天皇の地位が世襲で継承されたことになるのでしょうか。
また、百地氏は「揺るぎない道」とおっしゃいますが、20年前の小泉内閣の時点で、男系男子に限定した現行の皇室典範のままでは、制度的な欠陥により将来にわたる安定的な皇位継承が行えなくなるとの懸念から、女性天皇を認める皇室典範改正が実現する直前だったことをご存じないのでしょうか。
つまり、20年前の「皇室典範に関する有識者会議」では、国会議員も内閣法制局も宮内庁(天皇陛下の代理として出席)も、女性天皇・女系天皇で問題なしとの結論に達していました。それは当然、国民の総意と世襲という、憲法第1条および第2条に整合していると判断されたからこそです。
20年前に皇室典範が改正されていれば、天皇陛下のお子様である敬宮殿下のご継承が確定していたはずだったのに、男系男子継承にこだわる百地氏のような人々が猛反対して白紙に戻してしまったために、敬宮殿下のお立場こそ、揺らいだままにさせられ続けているというのが実情です。
「女性週刊誌やネット記事ではいまだに『愛子天皇』を支持する声が少なくない」と、さも不見識で軽薄な声であるかのように書いていますが、百地氏がなぜそこまで敬宮殿下を敬愛する国民に侮蔑の眼差しを向けるのか、理解に苦しみます。
また、「『愛子天皇』論者や天皇制度に否定的な学者たちは、意図的に憲法第1条のみをとり上げようとする。」とも書かれていますが、これは、天皇制度に否定的な学者から見ても、男系男子を主張する百地氏のような人々の頑なで視野の狭い主張が、とても皇室の長い存続をまともに考えているとは思えないとの皮肉に他なりません。
敬宮殿下のこれまで公開されてきたご幼少時の作文、その通りに大学ご卒業後に海外留学よりも日本赤十字社へのご就職を選ばれたこと、ご成年会見での「常に国民と苦楽を共にすることが皇室の伝統的なあり方」だというご発言。そして実際に、能登半島地震などの災害に苦しむ人々に思いを寄せられ、天皇陛下とともに被爆地を訪問されるなど、精力的にご公務に取り組んでおられるお姿を見ても、敬宮殿下はすでに実質的な皇太子です。
これほどご聡明で慈悲深く、皇室の伝統をまさにその身に宿しておられるお方が、天皇陛下の実のお子様でありながら、女性というだけで皇位継承できないのはおかしいと、大多数の国民は考えているのです。だったら百地氏は、1割以下の男系男子派の言う通りに傍系継承を強行して皇統を先行き不透明な状態にし、国民が皇室への敬愛を失ってもいいと言いたいのでしょうか。国民は、天皇が男系男子だから敬愛しているのではありません。
百地氏は常々、旧宮家の子孫の国民男性を宮家の養子にすべきだと主張しておられますが、皇室に男子が生まれなくなる度に、国民からまるで「供給」するかのように、次々と男性を養子に入れて皇位継承権を与えることの、どこが世襲なのでしょうか。
かつて上皇陛下がビデオメッセージの最後に、「象徴天皇の務めが途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ」とおっしゃったことを、百地氏は一体なんだと思っているのでしょうか。
皇后陛下が天皇陛下とともに、日本国民に敬宮殿下という宝物を授けてくださった奇跡への感謝がわずかでもあれば、このような皇族方への思いやりのない、自己都合に終始した主張を「正論」などとは、とても言えないでしょう。
大学名誉教授ともあろう老学者の方のこのような主張、そしてそれを全国紙が「正論」と題して掲載することを、かつての愛読者としてひたすら残念に思います。