こんにちは。
愛知県在住のマメ菓子と申します。
4月15日、産経新聞のウェブニュースにこのような記事が掲載されました。
「女系天皇」小泉政権で加速 論拠は弱く(有料)
https://special.sankei.com/a/society/article/20200415/0001.html
記事では、2005年小泉政権下の「皇室典範に関する有識者会議」を振り返っていますが、その内容を、
女系ありきで旧宮家の皇籍復帰・旧宮家系男子の皇籍取得案は排除されたが、その論拠は曖昧であった
と批判しています。
本ブログでは有識者会議の議事要旨・報告書に基づき、
この批判に対して反論していきます。
有識者会議では、皇位継承策の基本的な視点を3点挙げています。
①国民の理解と支持を得られるものであること
②伝統を踏まえたものであること
③制度として安定したものであること
この視点に沿って、旧宮家の皇籍復帰・旧宮家系男子の皇籍取得を含めた男系男子継承について見ていくと、
①について
長きに渡り一般国民として過ごし、600年以上遡らないと現在の皇室の血筋に辿り着かない方々を、国民が受け入れるとは思えません。
国民は現皇室の方々を幼少の頃から見守っており、それが皇室に対する敬愛をより一層高めています。
全く知らない一般国民が急に皇室に入っても自然な敬愛は生まれないでしょう。
②について
過去に男系継承がなされてきたという点では伝統を踏まえているとも言えますが、皇籍復帰の例はわずか(宇多天皇・醍醐天皇の2例のみ)で、この案が伝統とは言い難いです。
また先の2例も短期間且つ時の天皇の近親者であり、現在議論されている皇籍復帰・取得案とは条件が違います。
③について
有識者会議では現在の出生率も挙げながら現実的に調査しています。
そのデータに基づいても男系継承は安定的ではありません。
皇族男性の少ない現状を見れば明らかです。
また、雅子さまがかつて男子を産むプレッシャーから適応障害になりました。
皇位継承者を男子に限っている限り、皇籍復帰・取得が何度行われてもこの危険性は無くなりません。
以上が、男系継承が皇位の安定的継承としてふさわしくないとした有識者会議の論拠です。
曖昧なところがありますでしょうか。
また、記事では国民は女系について理解していないとも述べています。
その点の反論も踏まえて、有識者会議が女系継承の拡大をどう捉えたのかについても述べていきますが、それはまた稿を改めて。
その2に続く
参考資料
首相官邸ホームページ
「皇室典範に関する有識者会議」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kousitu/kaisai.html
文責:愛知県 マメ菓子