【特集ワイド】は、毎日新聞の夕刊に掲載される特集記事です。先に、当サイトのまいこさんが記事紹介をしてくれましたが、この記事は今後を考える上で、けっこう重要な記事と思います。
自分は、毎日新聞が彼らのスタンスを変えているとは思いませんが、ある程度批判的な意見を求めている、という見方もできるので、最近は公表していないのですが、あえて【特集ワイド】に自分が送った意見を、以下に示します。
8月26日の夕刊、稲垣衆史記者まとめによる、特集ワイド「『愛子天皇待望論』の危うさ」の記事を読みました。まず最初に、特集ワイドは楽しく読ませていただいていますし、毎日新聞さんが、皇室に寄り添う形で皇位継承問題の記事を継続的に発信されていることには、国民として勇気づけられます。ただ、以下に述べるように、私は鈴木洋仁さんの意見を、基本的に支持しません。鈴木さんがいわれる「平成の有識者会議がかつて提言した結論、女性・女系天皇や直系長子優先を含む皇位継承の議論を避けてきたことは不誠実だった」というのは、その通りでしょう。また、先に問題となった「中曽根発言」が「制度を超えた、個人(愛子さま)に関する感想です」というのも、面白い見方です。ただ、現在の動きを人物論、すなわち「女性天皇に賛成することと、愛子さまに天皇になってほしいと思うことは本来、別の話なんです」というのは、少し雑な議論なのではないでしょうか?
仮に世論調査で、「愛子さまが将来の天皇になることに賛成か反対か」のような聞き方をするならば、まだわかります。ただ、毎日新聞も含めて新聞の世論調査ではそういう聞き方は慎重に避けていると思いますし、また、鈴木さんが「15年前には『愛子天皇』という声もなかった」と言いますが、世論調査の結果は、平成後期から現在まで安定して、「女性天皇」への支持率は70~90%を推移しています。たしかに、週刊誌やSNSが「愛子天皇か悠仁天皇か」のような煽った意見を展開していることはあるでしょう。ただ、私は、今の動きは人物論というよりも、天皇のお子様が皇太子(皇嗣たる皇子)になることは自然と考えている感覚が国民にまずあって、さらに愛子さまが公務に出られるようになり、その具体的なイメージが膨らんだ、ということだと思いますが。これは、決して悠仁さまを軽んじているわけではなく、国民は愛子さまも悠仁さまも、さらには佳子さまらにも、皇室の未来を歩んでほしい、ということになるのだと思います。
それで、鈴木さんは「愛子天皇待望」の人は人物しかみていないといいますが、では男系を支持する側はどうなのでしょうか?私には逆に目の前の皇族の方々をまったく見ずに、男系継承という根拠の怪しい制度に固執しているように見えますが。さらに、鈴木さんの言われる「個人の制度より『皇位継承制度』議論を」というのは、一理あります。ならば問いたいのですが、鈴木さんは政府や立法府のまとめで公言された「悠仁さままでの継承はゆるがせにしない。継承順位はすでに決まっている」という部分については、どう考えるのでしょうか?私見では、現在は皇太子が不在なわけですから皇位継承順位は固定されていないし、将来は変っても全然おかしくないと思います。それは、男女関係のない皇位継承を可能にする形で皇室典範が再改正されれば、皇太子は自動的に愛子さまがなるはずです。「皇位の安定継承」をということを視野に入れて議論をするのならば、鈴木さんには「悠仁さままでゆるがせにしない」の部分も含めて、意見をはっきりさせてもらいたい、というのが、私の要望です。
鈴木さんの結論については私は賛成ですが、国民はそんなにバカではないし、現在のように政治案件ではなく、国家の土台としての議論になれば、制度論の議論は十分可能と思います。
ご参考までに
ナビゲート:「愛子天皇への道」サイト編集長 基礎医学研究者
*特集ワイドは通常と異なり、下記のメールアドレス直接、ご意見を送るようです。
t.yukan@mainichi.co.jp
8 件のコメント
基礎医学研究者
2026年8月31日
>mantokunさん
コメントありがとうございました。お送りされた意見コメント読ませてもらいましたが、たしかに激烈で、自分とは違いますね(;^_^A。ただ、鈴木さんの見解は先にもかきましたが、お前はどっちなんや!的な意見は問題あるところ。で、そうおもっていたら、8/29長官の「考・皇室」に後藤さんのとてもスタンスのはっきりした意見がでてきたので、毎日新聞はもしかして読者の反応を知りたかったのでは、ないかと。
mantokun
2026年8月29日
基礎医さんの抑制の効いたご論考、さすがです。私も基礎医さんの文面を参考にしたつもりだったのですが、実際に出来上がったのはかなり激烈な怒りを前面に出したものになってしまいました💦
基礎医学研究者
2026年8月29日
>SSKAさん
コメント、ありがとうございました。自分は、平成と令和の有識者会議は断絶していて、「悠仁さままで、ゆるがせにしない」は令和の報告書で突如でてきた「マジックワード」という認識です。ただ、国会審議というのはやはり意味があって、高市が「平成の有識者会議報告書を上書きする形で、れいわの報告書がある」という答弁をしたのは驚いた(これは、完全に認識違い)。鈴木さんもせっかく平成の報告書を挙げているのならば、それをふまえた論理を展開するのが、筋でしょう。
SSKA
2026年8月28日
制度論として俯瞰するのならば、2005年で一つの見解が示された後も先送りされただけで何一つ否定されておらず(立憲議員の表明もあり)、典範1条の現状のままの継続は疑義ありとして審議は中断、保留中であり、法文の効力は停止、凍結中と見なすのが法治のプロセスの正しい見方ですし、今回の改正にしても本心では2005年のものが生きていて火傷どころか致命傷を追うから敢えて避けざるを得なかった背景も納得出来ると思います。
平成、令和と二つの会議があり一見別物に見えるものの実際は一つの線上で繋がって存在しているのに対し、「揺るがせにしない」はそのどこにも属さない法律制度論から外れた(感情的な)一見解に過ぎないのですが、政府は立法より上とする考えを学者の卵が正しいと言って張り付いて公表する辺り、その性格に対し先が思いやられると感じました。
基礎医学研究者
2026年8月28日
みなさん、コメントありがとうございました。
自分は、鈴木さんの意見を全否定するものでは、ありません。ただ、これでは「お前は、どっちなんや!」という感じがすること、および、制度論を出すのならば、今はもうこういう人気投票的な言い方は周回遅れで、やはりその先を言論人ならば、出してもらわないとマズイのでは、ないかと。特に、自分がかなり侮れないと思っている、「悠仁さままでゆるがせにしない」までを訴状に挙げて、議論ができるのか?鈴木さんの言い方で、「ここは、まあ前提なので」ということしか示せないのならば、見識が浅いと思います。
サトル
2026年8月28日
毎日新聞の記事についても、「スタンスを変えた」とは見ず、「批判的な意見を求めているという見方もできる」とした上で、鈴木氏の問題提起そのものに向き合っていますね。
そして「人物論ではなく制度論を」という問いを受け止めた上で、「では『悠仁さままでゆるがせにしない』はどうなのか?」と返す。
鈴木氏の問題提起を否定するのではなく、その問題提起を最後まで貫いてください、ということですよね。
毎日新聞には、「投稿」という形で返し、鈴木氏には、切り分けて問いかけている、
私も、鈴木氏の結論には同意。だからこそ鈴木氏に聞いてみたいですね、制度論として。
ナクラ
2026年8月28日
私は、昔からの毎日新聞の読者なので、この記事は気になりました。
始めは、電子版で見たのですが、その時にも引っかかりがありました。
まあ、正論なのでしょうが、正論を言って言ってるだけでは世の中動きません。
特に政府の一部に巣食う「男系男子派」は頑強で狡賢いです。正論吐いているいるだけでは、私たちが思っている結論には至らないでしょう。
愛子さまが正統な候補と判断した上で、「愛子天皇待望論」をことは正しいことだと信じます。
マスコミでは「ゆるがせにしない」等の揺り戻しもみられますが、気にせず信じた道をすすめましょう。
京都のS
2026年8月28日
基礎医様、これは複雑な事象を丁寧に腑分けしつつ反論が必要な相手に的確な反論を届ける見事な文章でした。その対象である鈴木洋仁氏は某ファクトチェッカーと同様に腰が据わっていないため、男系固執派からの攻撃を巧妙に交わしつつ、どちらが政治的(≠学問的・社会的)に勝っても勝者の末席に連なれるような書き方をしています。その部分に対する的確な分析を加えた上での反論だと感じました。