石破茂 列伝①

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もう、5年も前の話になります。
石破茂 衆議院議員は、「天皇陛下のご生前ご譲位について」という意見書を自民党に提出し、その内容を公表しました。

理路整然とした隙のない論理の中からもにじみ出てくる、皇室への熱い想い。
以下、その一部を引用します。

このまま推移すれば将来皇族は悠仁親王殿下ただお一人になってしまう可能性も否定できず、先送りすることなく今回、生前ご譲位と併せて早急に制度を整備すべきものである。
先帝陛下(引用者註:昭和天皇のこと)が明確に側室制度を峻拒なさって以来、男系男子のみで皇位を継承し続けることは不可能にほぼ等しく、これから目を背けてはならない。旧宮家の復活も一案ではあるが、皇籍を離れて一般国民として長くその人生を送ってきた方を皇位継承者とすること妥当性には疑問なしとしない。
皇室が途絶えてしまうことは、我が日本国の国体そのものの滅失を意味するものであると考え、男系男子による皇位継承を基本としつつも、女性天皇の可能性も敢えて追求し、早急に解を求めるべきものと思料する。

全国民の代表者である我々国会議員は、天皇陛下と国民との間をつなぐ立場にある者として、このお気持ちに正しく沿った解を出さねばならない。
ご譲位を制度化することは陛下のご在位を短くするものであるからこそ、ご譲位の後、どのように安定的に皇統を繋いでいくかということについても、我々は併せて、政府とともに解を出す責務があると信じるものである。

「天皇陛下のご生前ご譲位について」より引用
http://ishiba-shigeru.cocolog-nifty.com/blog/files/doc05453420170202093118.pdf

石破茂氏とはいったいどのような人物なのか。
「石破茂列伝」としてその半生に迫ります(全5回)。

■幼少期

石破茂氏は、昭和32年(1957)、建設省の事務次官だった父・二朗と、元国語教師だった母・和子の長男として東京都で誕生しました。
きょうだいには、17歳上と16歳上の、歳の離れた姉が2人います。
1歳半のとき鳥取に移り住み、中学卒業までの少年時代をそこで過ごすことになりました。

父・二朗は鳥取県知事ということもあり、地元を歩くと県民から挨拶されるような政治家だったとのことですが、息子・茂を連れて歩くことを嫌ったそうです。
「会う人会う人、自分の父親に頭を下げるようなところを見せるのは絶対いかん。だから倅は連れて歩かん」という理由からです。

また、母・和子は、官選知事として徳島県知事と山形県知事を務めた金森太郎の娘であったこともあってか、家に出入りしていた県庁職員に対する、息子の「生意気な態度」には特別厳しかったようです。
小学2、3年のときに「おまえが偉いわけじゃない。お父さんが偉いからです。おまえは何を勘違いしているんだ」と言って、寒い日に家から放り出し、泣いてもわめいても一晩入れてくれなかった、と石破氏は回想しています。

中学生時代、時は「反体制」の嵐が吹き荒れる中、知事の息子として石破氏はずいぶんと辛い思いをしたようです。
それを見た母・和子は、息子を単身東京に上京させ、慶應義塾高校に進学させる決断をします。
そして慶応義塾大学法学部に進学した石破茂氏は、生涯の伴侶となる佳子夫人と出会うのです。

(次回:高校時代、大学時代の石破茂氏 に続きます)

【参考文献】
『石破茂の「頭の中」』鈴木哲夫 著
石破茂オフィシャルブログ

文責:千葉県 まー

9 件のコメント

    ma-

    2022年2月26日

    コメントいただきありがとうございます!
    urikaniさん
    子供時代のエピソードと現在の石破氏の姿勢に整合性がありますよね!

    jackerさん
    この部分、JACKERさんにきっと刺さると思ってましたよ!

    茶呑みじじいさん
    全5回ですので、是非どうぞ!

    基礎医学研究者さん
    ドラ国民にはなりたくないですね!

    よっしーさん
    石破茂氏の話をじっくり聞けるなんてぜいたくな時間ですよね!

    チコリさん
    私も今回初めて知りました。
    そんな「ダメ国民」(笑)に対しても諦めず語りかけてくれる石破氏は政治家の鏡ですね。

    ダダさん
    このサイトを見ている人なら、石破氏と共通な感覚を持てそうですね!

    希蝶さん
    石破氏のご両親は、厳しい中にも愛を感じますよね!

    希蝶

    2022年2月24日

    興味深い内容でした。普通、親が官僚だとか議員だとかいった場合、子供にも自然とそのことを誇る習慣が生まれてしまい、「虎の威を借る狐」のようになってしまいがちですが、石破氏のおとうさまはそのことを非常に憂慮していたのだろうと思われます。石破氏のおかあさまも「孟母三遷の教え」「孟母断機の戒め」というような感じだったのでしょう。現代の二世議員に爪の垢を煎じて飲ませたいような話でした。次回以降が楽しみです。

    ダダ

    2022年2月22日

    >全国民の代表者である我々国会議員は、天皇陛下と国民との間をつなぐ立場にある者として、このお気持ちに正しく沿った解を出さねばならない。

    石破議員の信念に痺れました!
    上皇陛下は、象徴天皇の務めを幸せなことと振り返られました。
    このお気持ちには必ず応えたいです!

    チコリ

    2022年2月22日

    石破議員をよく知らなかったのでとても新鮮でした。というより、衝撃!でした。意見書も初めて読みました。(無知でホントにすみません)
    それならそうとはっきり言ってくれたらいいのに!などと不遜にも思ってしまいましたが、自分が知ろうとしなかっただけですね。(汗)
    石破議員に対する見方が明らかに変わりました。
    これまで時々石破議員のお話しを聞いても、(己の無知を棚に上げて) なんだかまわりくどくてよくわからないなあーと感じていたのです。
    今回道場にいらしてくださるのに、「いったい何を話してくれるのだろう❔」と、正直期待していない自分がいました。 
    ここに至っては、旗幟鮮明にして頂きたい!と心から思いました。(偉そうにすみません)
    石破議員のご両親がとても立派な方で、気持ちが引き締まる思いです。
    「○○さんの息子さん」と持ち上げる風景はまことによくお見かけします。
    「それがどーした!」って話です。
    石破議員を何も知らなかったんだな、と今更実感しました。
    「石破茂 列伝」タイムリーで素晴らしい企画です、次回も期待しています!
    ありがとうございます!

    よっしー

    2022年2月22日

    3/13ゴー宣道場のゲストとしてお越しくださる石破茂議員の生い立ちの紹介、とても興味深いものがありました。
    愛子天皇を望む方々は、変な権威主義とは無縁の方々で、石破茂議員もご両親から厳しく道徳や公論の教えを教わだだからこそ、愛子天皇誕生を真っ直ぐに理解されているのだと思いました!

    基礎医学研究者

    2022年2月22日

    興味深く読ませていただきました(どうも、口癖のようになってすみません(m_ _m)。なるほど、この”石破茂列伝”、今回に限っては、ネット上で「ゲル様」と呼ばれているベテラン政治家というよりも、子育ての見本のような話に感銘を受けました(こういう子育てが、「ドラ息子(ほぼ死語ですが(^_^;)」を生み出さな秘訣なのだということを、です)。閑話休題。
     石破議員の皇室への熱き想い、しっかり受け取れました。自分は、「皇統問題」に限っては、どの政党に属するのかよりも、立法府の国会議員としての見識や信念が問われていると思いますので、非常に心強く思います。それでは、次回を楽しみにしております。

    茶呑みじじい

    2022年2月22日

    生まれた時代や暮らした地域とか、家族構成とか、親や兄弟の言動など、その人の考え方や性格形成は、生い立ちによるものがとても大きいですね。
    東京生まれとは知りませんでした。年の離れたお姉さん2人というのは、羨ましいです。私は年の離れた兄貴2人がすごくイヤだったので(笑)
    石破さんへの興味が、俄然湧きました。
    続きが楽しみです!

    jacker

    2022年2月22日

     ”おまえが偉いわけじゃない。お父さんが偉いからです。おまえは何を勘違いしているんだ”まさしく金言ですね。これは、子育てのみならず社会人教育にも使える言葉だと思います。”お前が偉いわけじゃない。お前の勤めている会社の発展のために頭を下げてきた今までの上司や先輩が偉いからです。”
     昨今、職場の看板を鼻にかけて自分までが偉いと勘違いする人もいますからそういう人を諌めるにはうってつけの言葉でしょう。
     石破議員は、幼少の頃からこの言葉を教えてもらってきたのですね。そういうことを教えてくれる両親を持ったのは石破議員にとって幸運でしょう。

    urikani

    2022年2月22日

    たいへん面白く読ませて頂きました。
    『全国民の代表者である我々国会議員は、天皇陛下と国民との間をつなぐ立場にある者として、このお気持ちに正しく沿った解を出さねばならない。』
    こんな風に考えられている政治家は一体何人居るんでしょうか?
    石破茂氏がご登壇される3月13日(日)のゴー宣道場『愛子天皇こそ日本の未来!』
    とても楽しみです♪

    石破茂氏のご両親は、厳しくも愛情深く氏を育てられたのだろうと感じました。
    勘違い野郎にならなくて済んだのは、ご両親のお陰ですね。
    (≧∇≦)
    続きが楽しみです!

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