笹幸恵さんと泉美木蘭さんが出演されている動画、淑女我報#74~「妻だけが皇族」その家庭、どーなっちゃうの? で有識者会議が提案するプランを取り上げて、色々な観点からいかに雑なプランなのかを解説していました。
https://www.nicovideo.jp/watch/so40122665
▲有識者会議の「無理筋」プラン
その中で出てきた、お金の面についてお二人の疑問にお答えします!
そもそも、有識者会議が提案する家族の形態は近代皇室では前例のないことなので、現行法体系でどのように対応するかは分かりません。
なので、現行の皇室のお金について知ることで、いかに無理筋なプランかをご理解いただきたいと思います。
Q1:家計は皇族の費用である内廷費があてられる?
「内廷費」というのは天皇家の「私的費用」という表現をよくされます。
天皇家とは具体的には、天皇陛下、皇后陛下(雅子さま)、上皇陛下、上皇后陛下(美智子さま)、愛子さまの5人です。
秋篠宮家などの宮家の「私的費用」は「皇族費」として割り当てられています。
皇室の費用は、誰が、何の目的で使うかで割り当てられています。
有識者会議の報告書のように、皇族女性と結婚した夫やその子供を国民とするのであれば、「内廷費」も「皇族費」も使えないことになります。
可能性があるとすれば、皇族女性が自由に使えるいわゆる「御手元金」から夫や子供に「賜与」* するという方法かもしれませんが、とても不自然なことです。
*皇室から与えること
Q2:日々の買物は「内廷費」でやりくりする?
天皇家の費用である「内廷費」の話なので、愛子さまが結婚して皇室に残るというケースで考えます。
そもそもですが、日々の生活に使う「内廷費」は天皇家で使途を決めるのではなく、宮内庁の関係部局で作る「内廷会計委員会」が年度初めに予算を決めます。
「用度費」として私的な衣服の費用、「食饌費」として日常の食事や会食の費用、「教養費・旅行費」として教育費や私的な旅行費が割当てられます。
「その他雑貨」として割り当てられた費用が私物を買うための費用です。
そのため、日々の生活に必要なものをやりくりして買物することはほとんどないと言っていいでしょう。
ちなみに「私的費用」である「内廷費」の中で、天皇家として自由に使える金額は1割にも満たないと見られています。
Q3:「内廷費」は品位を保つためのお金?働いて稼ぐのはダメなの?
「内廷費」は「日常の費用その他内廷諸費に充てるもの」と定義されており、特に品位については言及がありません。
逆に宮家の費用である「皇族費」は「皇族としての品位保持の資に充てるためのもの」と定義されています。
「皇族費」は、建前上、生活費のすべてをカバーする位置づけではなく、あくまで「品位保持」のため生活費を補填するものです。
言い換えると、宮家には、働いて稼ぐということが想定されています。
ただ、実際は宮家の収入のほとんどは、「皇族費」が占めています。
いかがでしたでしょうか?ちょっとは疑問が解けましたでしょうか?
「あの費用は?この費用は?」と、余計分からなくなった方もいらっしゃるかもしれません。
では、皇室の費用を、もう少し分かりやすく見ていきましょう!
(次回に続きます)
文責:千葉県 まー
【参考文献】
『天皇家の財布』森暢平
3 件のコメント
基礎医学研究者
2022年3月11日
貴重な情報、ありがとうございました。非常に勉強になりました。そして、こうして図式化すると、かなりの「無理筋」なことが、良く伝わってきました。次回も期待致します。
ダダ
2022年3月10日
この無理筋プランを実現させるための法改正より、皇位継承資格から男系男子の縛りを無くすことの方が、皇位の安定継承として絶対正しいです。
たこちゃん
2022年3月10日
まーさん
貴重な情報、ご紹介ありがとうございます。
常識的に考えてどうにもおかしなプランですが、制度としては全く
破綻していることよく分かりました。
次回も期待しています。