前回、愛子さまと「立太子の礼」について(その5:明仁親王の「立太子の礼」に至る歴史的背景)からの続きでございます。
切手をみますと、戦後の切手ですが、外国郵便用の24円切手には、菊花紋章が入れられ(図としては「皇太子旗」)、「皇室切手」ということを意識しております。また、ここでも篆書(てんしょ)体で、「立太子礼記念」と書かれています。国内用の5円(はがき用)、10円(封書用)の切手に取り上げられていますのは、霊獣の“麒麟”であります。麒麟は、中国の古代思想における“四霊(他は、鳳凰、霊亀、および應龍)”の一つで、鹿の身体に、角の生えた狼の頭、牛の尾、馬の足と角を持つとされているようです(我々の場合、イメージしやすいのは、俗なところで「キリンビールのラベル」ですかね(^_^))。さらにシートには、”鳳凰”が描かれております。
そして記念切手(小型シート)は、1952年12月23日(立太子礼からずれた親王の誕生日)に無事発行されましました。ただし、国民の関心の高さとは裏腹に、切手発行までには、「因習」としか思えない省庁間の攻防が浮き彫りになったようです。
次回はいよいよ最終となりますが、「立太子の礼」記念切手発行に至るまでの課題、および愛子さま「立太子の礼」への願いについて書かせていただきます。
参考文献
皇室事典編集委員会 (編集, 著) 2019『皇室事典 文化と生活』 (角川ソフィア文庫) 文庫 角川書店
内藤 陽介 2005 『皇室切手』平凡社
文責: 大阪府 基礎医学研究者 52歳(男性)
その1:はじめに
その2:そもそも、立太子の礼とは?
その3:裕仁親王の立太子の礼「記念切手」(1)
⇒3月16日(水)掲載予定
その4:裕仁親王の立太子の礼「記念切手」(2)
⇒3月18日(金)掲載予定
その5:昭仁親王の「立太子の礼」に至る歴史的背景
⇒3月20日(日)掲載予定
その6:昭仁親王の立太子の礼「記念切手」(1)
⇒3月23日(水)掲載予定
その7:昭仁親王の立太子の礼「記念切手」(2)、そして「立太子の礼」への願い
⇒3月25日(金)掲載予定
7 件のコメント
基礎医学研究者
2022年4月7日
ただしさん
そうですね~私、切手の愛好家ではありませんが、どちらも現:日本郵便(株)はギリギリの妥協点を見出しがんばっておりますね(”売ろう”い動機もなかなかのもの(^_^)。最後に意味深なことを書いてしまいましたが、確かにでデザイン力は上がっていますね。そして、間違いなく国民の関心は高かったと思います。最終回にご期待いただければと。
ただし
2022年4月5日
裕仁親王の頃と比べて、デザインが現代的・近代的になっているのが、一目で分かりますね。どちらも、それぞれ趣があって良いなあ…☆
基礎医学研究者
2022年3月29日
チコリさん
遅ればせながらですが、コメント、ありがとうございました。そうなんですよね~結果的には、「立太子の礼」記念切手は国民には歓迎され、かなりの枚数が発行されたようです(売れたようです。それは、裕仁親王の国外用切手の”レアもの”とは異なり)。で、郵政省はこの時期の国民を元気づけようという動機も強かったはずなのですが、そこはかなりギリギリの戦いがあったようです。なかなか国民の願いと省庁(この場合は、宮内庁)の意識には、ギャップがあったのだと思われます。最終回をよろしくお願いします。
チコリ
2022年3月25日
「国民の関心の高さとは裏腹に、切手発行までには、「因習」としか思えない省庁間の攻防が浮き彫りになった」
敏感に反応してしまいました。
しかし、因習に振り回されるのはもう終わりにしましょう!
終わらせてみせる!やったるでーっ!
基礎医学研究者
2022年3月24日
ダダさん
コメント、恐縮でございます。確かに!自分は書いている気づかなかったのですが、きっとこの外国切手の「青」は、裕仁親王の立太子礼記念切手と同じく、皇室カラーを意識されているのではないかと。お見事です。
また、そうですね。5円、10円同じですね、確かに。これは、最終回の話と関係があるのですが、郵政省の本来の希望と関係があるのかもしれません。
次回も、宜しくお願い致します。
ふぇいさん
コメント、ありがとうございました。そうなのですよね(;^_^A、当時の国民は大歓迎で「立太子の礼」を迎えたのですかた、切手も方も素直にそれに応えれば、シンプルだと思うのですけどね。
最終回も、宜しくお願い致します(m_ _m)
ふぇい
2022年3月23日
いろいろな戦いがあるのですね。
年月が経ってもこの辺り変わらないですね(・_・;
次回楽しみにしております!
ダダ
2022年3月23日
今回もありがとうございます。
偶然かも知れませんが、外国郵便用切手には青が使われていますね!
5円と10円が同じデザインなのは意外でした。