【「国家再生会議」感想】11. yan ryu 皇室を巡る言語空間を打破したい

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よしりん十番勝負「国家再生会議」を視聴して・・・
私は、仕事の都合で、会場に行けなかったので、ニコニコ動画で視聴致しました。
今回は本当に、真剣な議論の場という空気が画面からひしひしと伝わってきました。

冒頭の藤井先生施先生が述べられた、
皇室論を国民的議論にして、皇室を巡る言語空間を打破したい
皇統についての幅広い議論が必要というお話は、本当にその通りと思いました。

そして、小林先生から提示された、

天皇制が無くなったら共和制に移行しなければならない。
そうなった場合、権威と権力の同一が起こる。
「岸田総理を敬えるか?」

いや、出来ないですね(;^ω^)
むしろ、アメリカ大統領選などを見ていると、それゆえに、国民の間で分断が起こってしまう。
それを防ぐためにも天皇がいらっしゃる日本は幸せと改めて感じた次第です。


藤井先生の提示された「暫定案」の中で、
3.旧宮家の皇籍復帰、育成の部分。
「皇室の育成」とは何だろう?
国民の側が皇室の方々を育成する?
国民はそんなに高尚か?

そして旧宮家の皇籍復帰は、「君臣の別」をどう担保するのか、
さらに憲法第14条が規定する「門地による差別」をどう回避するのか?
高森先生もことあるごとに指摘されていますが、改めて疑問に思いました。


施先生は、

愛子様が天皇になられることによる国民世論の分断、
また悠仁殿下との関係において、皇室が割れてしまうのではないか?
さらに女系となった場合、それを利用しようとする勢力、諸外国が現れるのではないか

と懸念が表明されましたが、

権力を持たず、また私兵も持たない皇室においてそのような分断、また諸外国による干渉が行われる可能性があるか大いに疑問に思いました。

まして、国民世論の大半が女性天皇を容認している現在では果たしてそのような分断が起こるのかどうか・・・


また、

永い伝統には、人智の及ばない理由がある

とお話がありましたが、果たしてそうなのかどうか・・・

本当に男系男子が「永い伝統」であったのかどうか・・・
ここも議論の余地があると感じましたし、
美智子上皇后陛下も仰っておられるように、
伝統というのは時代に合わせて良き形に変化しながら続いていくものではないでしょうか?

そして、男女平等、多様性を重んじる現代社会において、
まして国民平等を謳っている憲法を持つ国で、
「男系男子」のみしか国民統合の象徴となりえないというのは「文明国」と言えるのでしょうか?


小林先生が仰られた、

天皇をやっていただいているという意識が国民の側になければ、天皇制は成り立たない

というお話。

政治的主張が封じられている天皇の想いを国民の側が受け止めて忖度しなければならない。

皇室の方々と国民の間にゆるぎない信頼関係がなければ成り立たないのが天皇制だと改めて感じました。


そして、イギリスには、国王が首相にアドバイスする「オーディエンス」の習慣があり、
また施先生からは、尾高朝雄の「国民主権と天皇制」を引用され、
皇室は国民主権をより良い方向へ導くためのイデアという発想が示され、
これこそ、天皇制、そして立憲君主制のあるべき姿と感じました。

施先生が、この点を最後に提示されたのは大きいように思えました。


最後に、藤井先生、施先生とも真摯に議論に参加されたことに感謝いたします。

今後のお二人の言論に注目していきたいと感じた「国家再生会議」でした。


文責:東京都 yan ryu(男性、40代、鉄道員)


※yan ryuさんのこちらのブログもどうぞ!

6 件のコメント

    yan ryu

    2022年5月29日

    京都のS様
    コメントありがとうございました。「皇室の育成」ってものすごく不敬ですよね。藤井先生がそのような発言をなさるとは・・・                >「愛子様が天皇になられることによる国民世論の分断」が怖いのではなく、「それによる自称保守世間の衰退」が恐いとしか聞こえないセリフです。       

    結局藤井先生も自分の世間第一だとしたら悲しいです。
    それじゃあ「コロナ専門家」のことを批難できないはずです。

    >時所位に応じて伝統を更新していくという考えが無いなら、故西部邁先生の平行棒を受け継いだとは言えませんね。

    この考えこそ保守の真髄じゃないかと感じています。美智子上皇后陛下もそのように仰っておられますね。

    私も、藤井先生、施先生には意見を変えてくださることを期待しています。「国家再生会議」での発言は、保守世間へのエクスキューズだったと思いたいところもあります。(甘いですかね。)

    ダダ様
    コメントありがとうございます。育成発言はおかしいですね。国民主権病ですね。それじゃ保守とは言えないはずです。

    >愛子さまの品格は育成されたものではなく、内から醸成されたものだと、成年会見でのお言葉で分かります。

    あの成年会見でのお言葉はそうですね。お育ちになられた中で出てきたお言葉と感じました。藤井先生もアタマの中は「男!」しかないとしたら絶望です。

    殉教@中立派様
    コメントありがとうございました。
    >かつては、WGIPによる、アメリカ製の義眼こそが「閉ざされた言語空間」だった(江藤淳。小林先生の新戦争論1より)。だが現代では、皇統危機に無関心な者が多く、それを利用した男系派こそが「閉ざされた言語空間」の仕掛け人といえる。

    あの頃は、こんな事態になるとは思っていなかったです。むしろあの頃のサヨクより悪質だと感じています。

    >「国民主権」の意味を、「俺様こそが国民で、主権者で、偉いんだぞお!」みたいに解釈しては、いくら保守学者(バーク、オルテガ、チェスタトン)を読んでも、何の意味もなく。しかも、イデオロギーで歪んだ悪良識を再生産するので、有害でしかない。

    結局、戦後民主主義から抜け出せていないんですね。なぜ日本国憲法が最初に「天皇」をもってきているのか、考えなければと思います。知識を悪用してイデオロギーに利用する・・・サヨクよりも質が悪いです(汗)
    >やはり、ひとつずつ世論や政治家に訴え、少しでも風穴を開けるしか無いようだ。

    「一発、風穴あけたる」脱正義論での私の好きなセリフです。

    サトル様
    コメントありがとうございます。
    東京侵略・・・もとい進出を狙っている弊社でございます。

    >ただ私的には、あそこで「尾高朝雄」を出してきたので、ますます施氏に「?」と思った次第です。

    尾高朝雄についてよく知らなかったのですが、父性を重視していたみたいですね。施先生は、「父性、男系による継続」を言外に込めたということですか・・・

    >また、「伝統」についても、確かに「畏れ」という意味において、施氏の「人智の及ばない……」に関し、それは「自然、生命に対する」ものであって、人が作った「制度」に当て嵌めるのは、いかがなものか?と思います。

    私もそう感じました。国家や、皇室、さらに人の生についても施先生は、かなりシステマテックに考えておられると思いました。私は国や、皇室を想う気持ちの前提には「愛郷心」とか、自分の育った時代(昭和〇年代とか、)への郷愁がベースになるんじゃないかなと感じています。(私自身がそうだからなのかも知れませんが)施先生の発言からはそうしたものが感じられませんでした。ある意味、「共産主義的」な計画国家のようなものを想定されておられるのかな?とも感じてしまったのは事実です。

    >さらに、「伝統」に拘泥するあまり、皇室を「永遠の昨日」で生かす……牢獄かと。ましてや「因習」であれば……。

    「永遠の昨日」・・・中世を表して故・小室直樹氏が著書で言われていましたね。皇室の方々をそんな牢獄に閉じ込めてはいけない!伝統は時代に合わせて良き形に変化し続けていくもの。だからこそ皇室も続いてきたのですから。

    基礎医学研究者様
    コメント、ありがとうございます。

    >お二人のお話を今回聞く限りは、議論の前提がよしりん先生や私たちとは異なるのではないでしょうか?

    そうですね。やはりベクトルは違ってましたね。あの会議の中での小林先生のご発言から、なにか感じ取って頂けたら・・・と思いましたが、そのあとの藤井先生のブログを読んで甘かったかな?と感じています。

    >「可能な限り男系」、および「万策尽きたら」であり、自分でしたら、万策はすでにつきていると思いますし、可能な限り男系という考え方がすでに疑わしい!?というところから、議論を始めるのが、建設的な議論になるのでは?と思う次第です

    万策はもう尽きてますよね。ただ一応、「抵抗はしたよ」と自分のお仲間への発信だったのかなとあの時は感じました。今からでも、考え直してもらえないかと感じています。そうじゃないと、「コロナ専門家」と一緒になっちゃいますよと言いたいです。

    基礎医学研究者

    2022年5月28日

    興味深く読ませていただきました。確かに、yan ryuさん言われますように「皇室論を国民的議論にして、皇室を巡る言語空間を打破したい、皇統についての幅広い議論が必要」という目的の設定は、その通りかと思いました。しかし、おそらくyan ryuさんも感じたと思われますが、お二人のお話を今回聞く限りは、議論の前提がよしりん先生や私たちとは異なるのではないでしょうか?その前提とは、「可能な限り男系」、および「万策尽きたら」であり、自分でしたら、万策はすでにつきていると思いますし、可能な限り男系という考え方がすでに疑わしい!?というところから、議論を始めるのが、建設的な議論になるのでは?と思う次第です(でも、きよさんのところにも書きましたが、お二人の今後の反応を見たい、ということには同意でございます)。

    サトル

    2022年5月28日

    yan ryuさん
    御無沙汰しております。
    貴社の車両見るたび、思い出しております。

    ブログ同感でございます。
    ただ私的には、あそこで「尾高朝雄」を出してきたので、ますます施氏に「?」と思った次第です。

    また、「伝統」についても、確かに「畏れ」という意味において、施氏の「人智の及ばない……」に関し、それは「自然、生命に対する」ものであって、人が作った「制度」に当て嵌めるのは、いかがなものか?と思います。

    さらに、「伝統」に拘泥するあまり、皇室を「永遠の昨日」で生かす……牢獄かと。
    ましてや「因習」であれば……。

    それは本来の「皇室の姿」と、かけ離れてる……と思う次第です。

    殉教@中立派

    2022年5月27日

    かつては、WGIPによる、アメリカ製の義眼こそが「閉ざされた言語空間」だった(江藤淳。小林先生の新戦争論1より)。だが現代では、皇統危機に無関心な者が多く、それを利用した男系派こそが「閉ざされた言語空間」の仕掛け人といえる。国民主権病ではあるが、そもそも「国民主権」の意味を、「俺様こそが国民で、主権者で、偉いんだぞお!」みたいに解釈しては、いくら保守学者(バーク、オルテガ、チェスタトン)を読んでも、何の意味もなく。しかも、イデオロギーで歪んだ悪良識を再生産するので、有害でしかない。
    やはり、ひとつずつ世論や政治家に訴え、少しでも風穴を開けるしか無いようだ。

    ダダ

    2022年5月27日

    育成発言には驚きました。
    旧宮家男系男子を皇室に相応しい人物に育成して、養子として皇室へ入れよう!・・・普通、そんなこと考え付きません。頭の中は常に男!なので引きます。。

    愛子さまの品格は育成されたものではなく、内から醸成されたものだと、成年会見でのお言葉で分かります。
    (私は幼い頃から、天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下を始め、皇室の皆様が、国民に寄り添われる姿や、真摯に御公務に取り組まれるお姿を拝見しながら育ちました等)

    京都のS

    2022年5月27日

     タイムシフト視聴していた時はスルーしていましたが、「皇室の育成」とは…凄く不敬なブリーダー目線と映ります。「やっていただいている」という意識が無い、重症の国民主権病です。
     「愛子様が天皇になられることによる国民世論の分断」が怖いのではなく、「それによる自称保守世間の衰退」が恐いとしか聞こえないセリフです。
     「永い伝統には、人智の及ばない理由がある」…結局「時効」(Eバーク)ですか。はぁ…。時所位に応じて伝統を更新していくという考えが無いなら、故西部邁先生の平行棒を受け継いだとは言えませんね。死者に墓石で投票(GKチェスタトン)してもらえば、死者たちは愛子天皇が良いと言うに決まってますよ。
     ともあれ藤井氏・施氏には、小林先生との共著を出すまでに意見を変えてくださることを期待しています。会議での両氏の発言は自称保守世間への「主張はしてみたよ」というエクスキューズでしかなく、共著で「転向しました」と言ってくださったなら評価は爆上がりします。もちろん死者からの評価もです。

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