「今の時代の感覚だけで女性天皇を容認してはいけない」
捨て台詞のように、よく聞かれる言葉です。
女性→フェミニズム→今の時代という思考なのでしょうが、ちょっと的外れな批判だと言わざるを得ません。
確かに、「女性」という切り口もあります。
日本の常識、世界の常識が変わる中で、女性というだけで天皇になれないというのは説明がつきませんし、アナクロニズムもいいところです。
ただ、「歴史」や「伝統」といった切り口もあります。
平たく言ってしまえば、歴史的に続いてきた天皇という制度を途絶えさせてしまうのか、ということです。
俯瞰的に見ると、女性は天皇になれないという伝統はありませんし、「男系」という概念も長い歴史で見れば最近出てきた概念と言えます。
天皇という制度は日本の歴史のなかで多くの人に支えられて続いてきました。
そして令和になった今でも、多くの国民の支持を得ています。
歴史的なタテ軸、同時代的なヨコ軸が交差するところにいる私たちが、皇室を想い、皇室を守ろうとすることはとても自然なことなのです。
自然な敬愛心で皇室を語る個人。
その後ろにはきっと、多くの日本人が見えていることでしょう。
文責 千葉県 まー
7 件のコメント
基礎医学研究者
2022年6月17日
「歴史的な出来事の評価を現代の価値観で行ってはならない」、それはその通りかと思います。ただ、「今の時代の感覚だけで女性天皇を容認してはいけない」。これは、まーさんいうように”捨て台詞”であり、自分ならば、”伝統のすり替え”という言い方になろうかと思います。そして、ヘーゲルではないですが、「ダンケー」は伝統とは相反する、”観念”ということになりましょうか。
uki
2022年6月17日
「コロナは概念」という言葉がありましたが「男系」も同じようなもの.生活感覚,歴史感覚に基づいた庶民の実感から乖離しているイデオロギー発のものは失敗するでしょう.心の底から応援できないでしょうし.
urikani
2022年6月16日
今の時代の感覚だけで…男系派はそう言いますね。
まーさんのおっしゃる通り、確かに≧[゚゚]≦そうではないですね。
男系こそ長い歴史の中のほんの一時の感覚で言うとるんですね。
いい加減気付かんかーい!
((ヾ(≧皿≦メ)ノ))
ダダ
2022年6月16日
男系は概念。その通りだと思います!
皇室消滅の危機に出てきた対策案が男系男子の養子縁組。
そこに皇室の歴史(皇位は世襲)は見出せませんし、国民の理解や敬愛は生まれないと思います。
呪術高専京都校のS
2022年6月16日
この扉絵は素晴らしいですね。政治家の街頭演説を聞いている女性の後ろには死者と判る多くの日本人の姿が(やや薄く)描かれています。帝国軍人や戦国武将、平安貴族、日本髪の女性(町人?)の姿も見えます。軍人は言うまでもなく詔承必勤ですが、朱子学が浸透した江戸期よりも前の平安貴族も戦国武将も、そして近世にあっても町人は「天皇は男系男子しか認めない」などとは思いもしないはずです。つまり薩長武士が引きずっていた近世の遺制(伝統?=男尊女卑)など、2000年以上も続く日本史の中では、時間的にも空間的にも極小の一点でしかありません。そんな庶民の歴史感覚を「フェミニズムっぽいから」と退けるなら、「貴方は何を保守したいんですか?」と問いたくなりますね。
呪霊の如き遺制は祓いますが、祖霊は祓いません。
roku
2022年6月16日
古代日本は、男女の区別なく首長となって活躍していたことを、最近読んだ義江明子氏の著書で知りました。なので、男女対等なのが日本を覆う当たり前の空気であり、そのような集団の長である天皇に男子優先があったとは考えられません。側室制のなくなった今、本来の日本らしい風習をもう一度顧みても良いのではないか、と思わずにはいられません。日本にとってはもともと極々自然なことだったのですから。今こそ歴史から学びたいものです。
れいにゃん
2022年6月16日
女性天皇を容認するのが「今の感覚」だけなら、男系男子に固執するのは「支配階級が(男尊女卑を有する)儒教を取り入れていた武士の時代の感覚」ですよね。それも末期明治初期に明文化されただけのこと。これから続いていく弥栄と比べても、短~い、短~い期間の話ですね。