言いたいことは山ほどありますが、まずは竹田恒泰にもの申します！
まず、皇室の男系継承が伝統であったと言いますが、それは違います！
男系継承になったのは明治になってからで、それまでは男系も女系も認める双系だったのです。
男系で続いてきたのはあくまで結果です。皇位継承の制度としては江戸時代まで双系でやってきたのだから、そっちの制度に戻せばいいじゃん、というだけなのです。
わざわざ男系継承の制度に固持することの方が伝統に反しています。
『一つの王朝が続いてきたというのは、これは男系継承してきたからなんですよ』と言っていますが、それは違うのではないでしょうか。
私は、男系継承ではなく今まで双系継承というフレキシブルな姿勢だったからこそ、末永く皇室が続いてきたと考えています。
例えばですけど、過去２０００年の歴史の中で、皇室の男系の継承者が何らかの戦乱に巻き込まれて命を落としたり、病気で亡くなられたりしたらどうなりますか。男系継承でやってきていたとしたらそこで断絶しちゃいますよね。
女系の継承者が残っていたら、そこで無事に皇位継承ができるかもしれませんが、男系継承でやってきた場合は、竹田恒泰が言うように、王朝断絶です。
でも、双系継承だったら…？
はい、断絶とか問題なくそのまま無事に皇室は末永く続くわけです。
男系ではなく、双系継承の方が皇位継承の候補者が多くいるので、不測の事態に備えやすいのです。
もちろん、実際にはそういう悲劇が起きなかったからなんとか男系継承で続いてきたのかもしれませんが、それはただ単にそういう悲劇が起こらなかったから。別に男系を維持しようとしたとかではありません。
次に、竹田恒泰は２０００年にわたって男系を守ってきたと主張しますが、これも明らかに間違っています。
よく、彼は、女性天皇は女系天皇につながるからダメ！と主張しますよね。確かに、「男系で維持することを目的」とするなら、論理的には合っているんです。
だからこそ問いたい。じゃあ、なぜ歴代の天皇に女性天皇がいるの、と。
確かにこれら女性天皇は男系です。でもちょっと待って。
本当に男系を守り通すことが目的なら、女性天皇は認めない方がよいのでは。
だって、竹田恒泰自身も、「女性天皇は女系天皇につながるからダメ！」と言っているじゃありませんか。
これは、当時の人々が男系継承に固執していなかったことの証左ではないでしょうか。
だって当然ですよね。当時は双系継承だったのだから！
したがって、今まで男系で続いてきたのは、男系という伝統が素晴らしいからでもなく、それを守り通そうとしたわけでもなく、Y染色体が素晴らしい神聖なものだからでもありません。
ただ、男系が途絶えるような悲劇が起こらなかったから、そして今まで男系に固執しないフレキシブルな制度でやって来ていたからです。
竹田恒泰は口うるさくＹ染色体を崇めていますが、まあ、個人の信仰は自由だからとやかく言うつもりはありません。
少なくとも、善良な庶民に対して、男系が伝統だとか、男系を守り通して来たとか、そういうおかしな教義をペラペラまき散らすのはやめてほしいですね。
熊本県 リョービン
3 件のコメント
ただし
2022年8月16日
すごく説得力があり、かつ分かりやすくて、読んでいて楽しかったです。
今まで男系が続いて来たのは、男系が途絶えるような悲劇が起こらなかったから、そして今まで男系に固執しないフレキシブルな制度でやって来ていたか。頭の中が整理されました☆
竹田ってうるさいんですよね。何故そう感じるかと言えば、言ってる内容がメチャクチャだから。そして、それをゴリ推しするから。
殉教＠中立派
2022年8月14日
「積み重なった偶然の幸運」に対し、都合のいい解釈をする。歴史学者としてだけでなく、市民としても失格な振る舞いであろう。
歴史を勉強していない庶民でも「違和感の表明」くらいは出来る。有識者会議の報告書同様、国民を舐め切った態度だ。何が「伝統」なのかを知らないまま暴走すると、傾国の悲劇が訪れる。商売目的だか何だか知らないが、単なる（現実＆史実無視の）洗脳工作に過ぎない。一般国民よ、これ以上（奴の掌で）踊らされないでくれ！！
基礎医学研究者
2022年8月14日
興味深く読ませていただきました。いや～「わざわざ男系継承の制度に固持することの方が伝統に反しています」。その通りですよね、非常に適格な言い方だと、思うのではないでしょうか？こういう意見こそが、テレビで放映されてほしい。そして、「少なくとも、善良な庶民に対して、男系が伝統だとか、男系を守り通して来たとか、そういうおかしな教義をペラペラまき散らすのはやめてほしいですね。」リョービンさんは控えめにいっておられますが、日本には思想信条の自由が保障されていますから、ケケ田がそう思うことはOK、でも社会的に発言するのは、止めてもらいたい（有害だから）。これが、事の本質かと思った次第です。