(続いて、後編でございます)
・「中継ぎ」を巡る考察
「中継ぎ」についての高森師範の考察、難解ではありましたが、興味深いものでした。「中継ぎの定義」「立派な業績は、中継ぎ説には関係ない」「具体的な女帝の個別ケース」「明正天皇の即位には、幕府と朝廷の両方が容認」「政治的な中継ぎ説が、いつしか学問分野を侵食~戦前の『女帝は先例にあらず』説」など。
長島議員の知識が、過去の事例のままで止まっていたのも、それ(女帝は先例では無い!←明治の学説)を鵜呑みにした、倉山の影響を受けたから・・など、今までの疑問も解けます。
ただ「中継ぎ」は性別に関係なく存在し、ましてや「中継ぎ=普通より軽い地位」という認識は、現代では通用しないでしょう。蘊蓄を重ねるよりも、まずは目の前の、愛子さまや皇族方の苦難に、正しく向き合う事。そして、時代に合った認識に刷新して、(型ではなく)エートスを残す事。蘊蓄による説明は、あくまでその後の事です。
高森師範の説明が難解であっても、皇族方の気持ちに寄り添いつつ、民衆の常識との調和を模索していきたいです。
・皇室バッシングへの対応、その難しさ
週刊誌やSNSによる皇族叩きが目立っているなら、「その根源を断ち斬ろう、規制しよう」という発想が当然に出るでしょうし、私もその方が早いと思います。
ただ、政治的に悪用された「不敬罪」を、現代で復活させるのは難しい事。また、皇族方に代わって、政治の側が(名誉棄損の)訴訟を行う事も、分断のトリガーとなるので難しいでしょう。皇族方がSNSを行い、ある人をブロックしても、似たような効果が起きます。今上陛下が「国ごとに合ったやり方で」という正論を唱えられた事にも、そうした「分断」への懸念がある・・と拝察できます。
それでも、ノーガードのままでは駄目であり「宮内庁、仕事しろ!」「宮内庁職員にも、やりがいのある制度を!」とは思います。彼らが週刊誌を強く非難したのは、約十年前(2013年6月※)が最後であり、機能不全に陥っています。皇室が消えたら、彼らの食い扶持も消える・・・食い扶持の為に、カンセンタイサク・お注射を促進したヤブ医者どもは論外ですが、動機は何であれ「とっさに行動できる宮内庁」が望ましいです。
福田恒存の「象徴を、人間が務める事の矛盾」という指摘は真っ当なものであり、「天皇身分をやっていただいている」という気持ちは、最低限のものです。それがあれば、皇族方の「自由の拡張」を、国民達が少しずつ認められるようになり、民度の向上→皇族方の負荷軽減→相思相愛の実現に近づくでしょう。
倉山ら「民意より先例だ!」派は、憲法一条の「国民統合の象徴」が、民意によって補完され、現代型の皇室へ繋がる・・という側面を、ガン無視しています。都合のいい部分をつまみ食いした出来レースとは、一線を画した議論でした。
設営隊の皆さま、お疲れ様でした。まだまだ各人の戦いを積み重ね、
7月の祭りを、万全の態勢で迎えましょう。
(※)よしりん辻説法3巻のP78より
3 件のコメント
殉教@中立派
2023年3月13日
>基礎医学さん
「天皇」には、様々な意味が込められていますね。祭祀王、アキツミカミ(GODとは別物)、統合された国民の象徴、(事実上の)元首、そして生身の(研鑽を重ねられた)人間という側面も。
男系派は、天皇の味方が画一的であり、時代によるイメージの変化を無視、事績や人柄もガン無視、血の器でしか評価しない、以上の勝手なイメージを押し付ける・・と、やりたい放題です。
(駄目な)自分を肯定する為に「強い日本・立派な天皇」を求めるとしたら、80年代の「自分探しをする若者」と、あまり変わらない気もしますが。実際に、陛下や皇族方、未来の日本に禍根を残している分、より悪質な連中でしょう。
「象徴天皇」の現代的な意味付けは、昭和天皇~上皇陛下~今上陛下の三代に渡り、(陛下方が)模索されましたし、国民達もそれを受け入れました。
今度は、私達が陛下に応える番ですね。愛子さまを皇太子に!
>突撃さん
以前、jackerさんのブログに「私達が、皇室の用心棒になろう」という記述がありました。民間レベルでの論破祭りが、間違いなく「用心棒」の一つになったと思います。眞子さまバッシングの時にも、こうして対抗できていれば・・と「たられば」を考えてしまいますが。今、私達の手にした武器の効果は、予想以上に大きいと信じて、未来に繋げるしかないでしょう。
民間レベルでは論破祭り、メディアの機能正常化。政策レベルでは、宮内庁や皇宮警察をマトモに機能させる事・その為に必要な法の制定など、改善すべき箇所は多面に渡ります。迷いそうになったら、今上陛下のお言葉から拝察した「皇室と民との紐帯(相思相愛)」を、基軸にしましょう。
・・・そういや男系派は「皇室の意志を拝察し、基軸にする→基軸から逆算して、具体的な問題解決のプランを出す」が出来ていませんね。基軸にしているものが「自分の私的な願望・男系世間の願望・統一原理の基軸」ばかりでは、さもありなんですが。
突撃一番
2023年3月13日
近い将来、もし皇族方がSNSを活用されるようになったら、眞子さまの時以上に、心ないバッシングに晒されるリスクも増すでしょう。
宮内庁にばかり任せておいても、週刊誌のデタラメ記事からお守りする事すら出来ず、ご病気になるまで女性皇族方を追い詰めてしまったという結果は、もう出てしまいました。
しかも三代に渡って。
私の心情的には、不敬どころかもはや「大逆罪」を適用して、嘘情報を流した奴等も、ヤフコメとかで眞子さまを罵った奴等も、全員死刑にしてしまいたいです。
現実には「不敬罪」を適用する事も難しいのであれば、我々が「正論」をもって、バッシングする奴等を叩き潰すしかありませんね。
ノーガードにはさせない。
皇室をガードする者は、ここに大勢いる!!
基礎医学研究者
2023年3月13日
(編集者からの割り込みコメント)まず、奈良道場の設営隊の1人として、ありがたいお言葉、感謝致します(我々にとって、励みになるというもの!)。
次に、私、福田恆存氏の「象徴>>元首」は、かなり驚きでした。あきらかに、この憲法を作ったアメリカの意図は違うと思います。失礼ながら、もしかしたらこういうところに歴史・伝統の浅さが出るのかもしれませんが、たぶんアメリカの意図は、象徴≒symbolで、”お飾り”のようなイメージだったのでしょうね。でも、よりヨーロッパや日本的に記号論的な意味を探ると、象徴は人間を超えた存在(≠ニーチェのいう超人)というのは、非常に興味深かったですね。天皇陛下は、やはり祭祀王という定義が、自分にはもっともしっくりきて、国民にも寄り添っていると、思う次第です。