【まるで論破祭りのような、日々是皇室】国民民主・大塚耕平氏に問う!「倭の五王」は、父系継承か!?(中の中編のオマケ)

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  1. 【高天原の「現御神(あきつみかみ)」、爆誕!!】~「群臣推挙」を終わらせた、スーパー女帝~

「倭の五王」から時代は下りますが、前回までにみてきたような「群臣推挙」のシステムを塗り替え、史上初めて「天に坐す神」から統治を委任された君主として即位されたのが、第41代「持統天皇」です。

世襲が確立されたとされる欽明天皇以降も、例えば壬申の乱にみられるように、同じ血統の中での実力抗争を経て、群臣の支持を得た者が次の王となる構造は、依然としてそのままでした。 天武天皇の皇后であった時からその渦中にいた持統天皇が、群臣推挙ではなく「神話からの連続性」に基づいて天皇の権威を確立された事は、そういった豪族同士の争い事から、皇位の継承を切り離すという狙いもあったことでしょう。

それまでは群臣が王を選ぶ際に捧げた璽符(みしるし)であった鏡・剣が、天つ神から授かった「神璽」とされたのも、実は持統天皇の即位儀式が初めてなのです。

持統天皇が、このような即位儀礼の大転換をやっていただいたからこそ、歴代天皇は「天照大神の子孫」として、三種の神器を代々継承されるという「伝統」が、令和に至るまでずっと続いているという事ですね。

やっぱり持統さんは、「スーパー女帝」だと思う!

現在の日本に残された功績があまりにもデカ過ぎるので、いっそのこと大河ドラマで取り上げてほしい!!

・・・それにひきかえ、皇室に対して「先例」に無い施策を一切認めようとしない、どこぞのストロング皇室史学者さんにとっては、このような大改革を伴った持統天皇の即位儀礼でさえ、「先例破壊だ!」と否定するのが道理の筈でしょ??

なにしろ、「奈良時代は先例やぶりが横行した時代」「第45代聖武天皇の先例やぶり・・・(中略)・・・成れの果てが道教事件」などと、あろうことか聖武天皇まで口汚く批判してるぐらいですから。

継体天皇以前の「先例」に倣い、御代替わりの際には必ず「群臣による天皇総選挙をやれ!」とでも主張しなきゃいけなくなりますね(笑)。

(中の後編)につづく

文責 北海道 突撃一番

5 件のコメント

    突撃一番

    2023年3月28日

    殉教@中立派さんも、コメントありがとうございます!
    天武天皇も、「大君は神にしませば」と万葉集に詠われてはいますが、これはあくまで、天武個人の軍事的統率者としての才覚に依るところが大きかったらしく、歴代天皇全てに普遍的な「神性」とは言えなかったみたいですね。

    天皇個人の政治的才覚に依拠しない、血縁による世襲を実現するには、「歴代天皇は全て、天照大神の子孫である」という点がいかに重要であったかが推察できます。

    まさに、持統天皇が実現した「神話からの連続性に基づく群臣推挙システムからの離脱」と、殉教さんがおっしゃった「権威と権力の分離」は、切っても切れない関係にあるのかも知れませんね。

    突撃一番

    2023年3月27日

    お二人とも、コメントありがとうございます!

    倭の五王の章からだいぶ離れるので、改めて出典を明示しておきますが、
    義江明子『女帝の古代王権史』p139~140
    に詳しいです。

    所謂「天孫降臨」を含む高天原神話が成立したのも、持統天皇の頃だそうです。
    『日本書紀』が編纂を終えたのも、それから約30年後の、元正天皇の時代なので、まさに「天照大神の子孫である」という点に、天皇の権威を確立しようとする過渡期といえる時代だったのかも知れませんね。
    そんな時代に、「神武天皇以来の男系血統」なるものを意識していた臣下の者が、果たしてどんだけいた事やらwww

    ついでに、ストロング倉山の駄文の出典も載せておきますが、
    「言論ストロングスタイル vol185」週刊SPA! 2023年2月14日号p31

    義江さん= 一流芸能人
    倉山  = 映す価値ナシ

    みたいな扱いでいいですよ(笑)。

    殉教@中立派

    2023年3月27日

     近代といえば「政治と皇室の分離」。これは、明治憲法の解釈改憲によって担保された。
     そして古代は「豪族内紛と皇位継承の分離」。しかも、(大嘗祭を行い、天皇号を制度化した)持統天皇自身が行っている・・やはり伝統を手探りする時期であっても「天皇の主体的な意志」こそが、伝統を刷新していく。

     しかし(持統天皇が定めた)剣璽等承継の儀に、女性皇族が参加できないという、現代こそが異常だなあとも思った。「立派な業績であっても、女だからダメ!」という思考は、(ご都合主義・歴史解釈の)ストロングゼロ学者以外にも、根を深く張った問題だろう。

    京都のS

    2023年3月27日

     「『神話からの連続性』に基づいて天皇の権威を確立された事は、そういった豪族同士の争い事から、皇位の継承を切り離す」ですか。
     ここで「システム」を変更するとともに「共同幻想」も塗り替えたわけですね。万世一系幻想(内実は万葉一統)は持統帝からだと言えるのに、女帝の業績は「先例違反」だと言うのでは、万世一系(男系派の言う万世男系は特殊な亜種)を自ら否定したことになります。どこぞの自称憲政史家は「飛鳥期も『先例やぶり』が横行した」と言いなさい(笑)。

    基礎医学研究者

    2023年3月27日

    (編集者からの割り込みコメント)今回も、勉強させていただきました。自分、持統天皇のことはある程度わかっているつもりでしたが、実質、「天に坐す神」から統治を委任された君主として初めて即位されたのが持統天皇というのは、「おお、なるほど!」と思わず唸りました(;^_^A。まあ、どう考えても中継ぎなどという存在でないのはもちろんですが、研究ベースでいくとこの知見は、ダンケーにとって非常に都合の悪いことと、自分は思いました(ダンケーのイメージは、この役割は神武天皇ではないですか?)。だから、「先例破り」とか必死になってこの知見を否定するのですかね(ストロングスタイルの方は(笑))なんか、ブログのレベルを落として申し訳ありませんが、自分の中ではつながった気がいたします。次回を、楽しみにしております。

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