【文字起こし】竹田恒泰(230601)のYouTube動画

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今回も新潟県ただしさんによる文字起こしです。
※できるだけ動画に忠実に文字起こししましたが、内容を変えない範囲で読みやすくしている部分もあります。

6/1竹田恒泰ch第535回
【6月特番】幕末・孝明天皇論20(59:15~~1:31:05)

SJ(※)間違い探しのコーナーです。パチパチパチパチ

※篠原常一郎氏の発言を指しているらしい。が、ここではケケ田が何を言っているかが問題なので、詳細は割愛。なお、篠原氏については、以前別の文字起こしで取り上げたことがあります。

私はSJの動画見ないんですけども、さすがに皇位継承の話をしてた様子なので一応見たんです。彼の考えは分かりやすいですよね。女性天皇を何が悪いと。愛子内親王殿下に天皇になっていただいて、問題ないではないか。これが彼の考え方です。

まあ、自分の考えを言う分にはいいんですけども、その前提となるね、まあ事実の部分で大きな間違いがたくさんあるんですよね。でまあね、あの、ちょっと調べればわかることなんですけども、私の場合ね、一次資料とか二次資料を一番重視するわけですよ。本人が書いた書簡とか、そのね。例えば、帝国憲法とか皇室典範を審議するって、その審議議事録とか、それはもう、もう実際のやり取りがそのまま活字になってるわけですからね。で、それを読んだ人がこう思った、ああ思ったっていうのは、これ個人の感想なので見方読み方はいろいろ変わることありますよね。だから私なんか、歴史の本読んでてこんな解釈あるんだっていう時に、「これ本当なの?」って、やっぱりこの一次資料・二次資料をたどっていくわけですよ。それを見て、なるほどやっぱそうだよね!となるか、違うじゃんとなるか、それは資料と原典をたどった時に判明するわけですよね。

でどうやら、あのSJは、小田部さんの書いた本を読んで、もう「女性天皇あるべきだ」みたいな、明治時代に皇室典範の議論をした時に、「女性天皇の議論」が出てきたと、ちょっと後で説明しますけども。まあそれで今もね、女性天皇、当然議論されるべきで正当だって話をするわけなんですよ。

はいそこで、まあちょっとSJファクトチェックですけども。
まずちょっとSJの主張を整理してみます。
彼は小田部さんの本を読んで、まず1つのことに気づくんですね。

明治時代に皇室典範が議論されました。この時に「女性天皇の可否」が議論されたんですよ。これが一つです。それは、確かですね。あの明治時代に、女性天皇のことが議論された。ところが、それは、あの〜〜、ええ、否定されたわけなんだけども、この否定された理由をSJは述べているわけ ですね。なぜ明治時代、皇室全般が議論されて、女性天皇の可否が俎上に乗った時に、なぜそれが外されたのか。

その理由は、当時は男が優位な時代だった、ね。

まあそうです。社会的状況がそうだから、まあここで、女性天皇となると、いろいろな矛盾が出てくる。なんか社会的な状況がね、男性優位だから却下したんだよと彼は説明するわけなんです。
え〜だから、今は社会的事情が変化した、ね、もう男女同権の世の中なんだから、当然女性天皇も議論されるべきであり、今はね、男女同権で社会的状況が変化したんだから、当然女性天皇はね、あの成立されるべきだというふうに、彼は説明するわけなんです、はい。ところで、それでですね、まあ井上毅という人が、男系を主張して、まあでもそういう理由で、結局、女性天皇却下されたと説明するんです。

ところがですね。その説明〜は、間違いです、はい。ちょっとコレ、私の書斎にあるやつを、持ってきたんですけども、まあちょっと全部持ってくると重いので、一部だけ持ってきたんですけども(分厚い本を6冊、机の上に乗せる)。

例えばね、帝国憲法とか皇室典範が、明治時代に議論された時に、どんな議論があったのか、はい、こういうものを読むと明確なんですよね。例えば「明治憲法成立史」ですね。結構、分厚いですけども、ここに当時の議論がガッツリ、皇室典範も含めて書かれているわけですよ。それから、えっとぉ‥、えっとぉ‥、あで‥、それからどこだ?(探すが見付からない様子)

まああの、井上毅という人がね、この‥、皇室典範、「男系男子」っていう風に 、まあ‥、まあ、あの、こう‥、進めていくわけなんですけども、彼がどういう発想で、そのね、女性天皇を 批判してるかっていうのも、これ「井上毅伝」、これ多分アノ、これ8冊ぐらいの、資料集なんですけども(分厚い「井上毅伝」1冊を手にして説明。“多分”って…全部読んでも持ってもいないらしい)、ここにもう、伊藤博文に宛てた手紙とか全部あるわけですよ(笑)。これを見れば、どういう議論が出てどういう理由で却下したか全部わかるんですよね。
 ところが小田部さんは、ホラ女系派ですから・・・、まあそれを読んで、ね、信用しちゃったわけですよね、はい。

でこのね、皇室典範の男系というもの、もしくは男系男子というものが、これまでどういう議論を経てきたか、これはですね、最も信用できると‥、私の宿敵なんですけども、信用できるんですよ、あの「園部逸夫さん」って、この人憲法学者で、最高裁判所の長官までやった人ですよ。で、この方が、「皇室法概説」とか、「皇室法概論」とか書いてるんですけども(その2冊を手にとり見せる)。

え〜、でも、これはこの人は、女系派なんです。でも、事実はちゃんと事実を書いてあって、私はこう思うっていうのは、それはもう私がね、あの賛同するかしないか別問題ですけど。だからやっぱり、ちゃんとした学者って、事実は事実として書いて、自分はこう思うって分けて言ってるわけですよね、はい。

皇室典範がどういう議論があって、なぜ男性だけになったのか、男系が保たれたのか、全部こう分析されてるわけですから。だからまあ、小田部さん、あの本だけ読んで、え〜ふむふむと、う、お、鵜呑みにするんじゃなくて、園部さんのね、こういうのを読むとか、実際に皇室典範をね、導いていった、井上毅のもう、元々の手紙とか、提言文とかあるんだから、コレを読めばいいんですよ(分厚い本数冊を何度か取っ替え手にとり見せつけて説明)。

で、え〜、明治時代の議論もあるわけですからね、はい。まあちょっと、え〜、そうですね・・・、ちょっと、ここ(迷いつつ、1冊を手にとる)。

まあこれは、葦津珍彦先生の書いたものなんですけども、ここにですね、憲法第2条の議論、ですね。皇室典範でなぜね、え〜、あの・・、男系の男子になったのか、っていうことが、書かれています。ちょっとこれ、まとまってるので読んでみますね。4行ぐらいですから読んでみます。(ページを開いて見せた後、読む)。

「資料によってみると、ド・エスター(?)も伊藤が最も尊敬したとみられる シュタインも共に、皇統の万全なる継承を期すためには、女系の女帝の継承権をも承認しうる道を残しておくことを切に勧告した」

だからあの、伊藤博文とか井上毅がね、憲法を作ろうとする時に外国のね、 憲法学者にいろいろ学びを請うわけですよ。その時に、女系の女帝もね、認めるべきだって言われるわけですよね、はい。でどうしたかです。

「日本人の中にも初めは、同意見・同意者もあったが、女系・母系を認めるのは皇位継承の古法に反すると断定され、父系の女帝は史上に前例があっても、認めないが良いと決定されている。これは多分に、水戸学以来の日本史論の思想によって、ドイツ人法学者の思想を拒否したものであると推測される」

とまあ、こういう風にまとめて書いてあります。でもうちょっとですね、ここですね、じゃあ園部さん。この人、最高裁の判事やった人ですね。え〜、彼は女系派ですけれども、事実はちゃんと書いてあるので、これ見たらですね、すぐわかります。

はい、「皇位継承の資格」ですね。はい、この「皇室法概論」の、2、335ページですね(本を手にとり開く)

「皇位継承資格を男系男子に限る理由」、はい。ここに明確に書いてあります。

「皇位継承資格を男系男子に限ることについて、議員からは男女平等原則や、皇位継承資格者確保の観点から、反対の意見が示されたが、男系男子に限ることとした論拠について、政府は一番、我が国の歴史、二番、国民の確信、といった2つの側面から説明をした」
と、いうわけですね、はい。(次のページをめくるが、すぐ戻し、カメラ目線で説明)

え〜、で、ここの我が国の歴史というのは、これまで、男系の血筋を受けないものが、即位した事例がない、はい。それから、女性天皇はね、だから父系の女性はいたけれども、それは暫定的なものであって(この辺りから、本に視線を落とす)、例外としてのもの、であったということ。それから国民の確信というのは、それを国民が受け入れているということ。

まあこれを説明しているわけなんです。はい(本をパタンと閉じる)。
え〜、だからこれが、明治時代、皇室全般を作った時の政府見解です。園部さんの本もう1つありますので、ここにも書いてありますから一応見ときましょう(本を開き読む)

「男子男系とする理由」。これ「明治典範」の場合ですよ。はい。チェッ。え〜〜っと。あ、ごめんなさい。これは日本国憲法だ。結局あの、男系男子に限るか限らないかという時には、この帝国憲法が作れた時と、あと日本国憲法に切り替わって、新・皇室典範を作る時と、2回ですね、議論されてるんですけども 、政府見解としては両方とも同じ答弁をしています。はい。ちょっと読みますよ。

「皇室典範第1条は、皇位の継承資格を男系男子に限ることを規定しているが、その理由について国会答弁に見られる従来の政府見解では、我が国の歴史において、皇位は男系男子が継承してきており、このような継承のあり方は、国民の皇位に対する意識にも一致しているということを論拠としている」

と。はい。

「また歴史上10代8人の女性天皇が存在したことについても、政府はいずれの女性天皇も、皇統に属する男系の女子であり、またその立場も、臨時・例外のものであったとし、男系による皇位の継承は、例外のない伝統であると説明している」と(本を閉じる)。

いう風に言っているわけなんですね。なんか、じょせ、あの〜〜、男性優位だから、当時の社会的状況がそうだから、あの女性天皇排除したという、SJの説明は、これ、事実ではないです。はい。

でですね、じゃあ、本丸に入りますよ、はい。「明治憲法成立史」、はい。ここにですね、この時の議論がありますので、見ていきましょう。

上・下あるんですけどね、まず一つ。

「女帝を立てるの可否。明治15年3月14日、15日、16日、17日、23日、24日。26日、4月4日の、毎日新聞に、この問題についての、え〜記事が、え〜〜っと‥、掲載されている」と。あっ、これ面白いのは、委員会ではこういう議論があった、新聞ではこういう意見があった、そこも書いてくれてるんですね。

で新聞では、男女同権がどうの男尊女卑がどうのって出てくるんですよ、はい。だからSJが言ってるのは、そういう新聞記事が出たというだけの話で、別に公の議論、政府とその、議員との間でのやり取りでは、それはないわけなんです。で、そこでですね、え〜〜っと・・・、うん・・、え〜〜、でこの 、うん、え〜〜っと、まあ‥、え〜〜、まあ‥、議論があったんですけども、

「島田三郎という人は女帝を立てることに反対しその理由として一番! 賛成論者は古来、女性‥、女帝を立てるの、監修ありというも、8代の女性中、処女の身をもって、大統を継承せしは、孝謙(天皇)など4帝のみ。その他はいったんコウハイ(?)あらざるはなく、推古・皇極・持統・元明、諸帝は、皆、皇子の長ずるを待てり、元正・孝謙帝は独身にして存在せしも皇太子を置く。後桜町天皇も然り。一人、明正帝のみ、え〜、チョシ(?)のこと無し。要するに我が国の女帝を立てるは異例とされ、外国において多数いるところのものと同じからず。」

これが一つ目。
「それから賛成論者が女帝を禁ずるは女性権利平等ならんとする19世紀の機運に反するものというもの。女帝の‥、女性の独身は人情に適せず、また欧州の皇制を立つるの制は、我が国の風俗より考えうるも、上下(?)の人情より考えうるも不可。わが国民に男尊女卑の一般の感情あるがゆえに皇制を置くときは女帝の尊、え〜、え、尊厳を害する恐れあり。また皇制が女性を動かし間接に政治に干渉するの弊あり。云々」

と上げていると。まあ反対論・賛成論色々ありましたよねということを、新聞の記事もえ〜っと、ですね、引いて、説明してくれてます。ですからその、男、え〜、男尊女卑的、そういう社会的状況というのは、そういう議論はあったはあったんですけども、それは新聞紙上で議論があったというだけです。

ところがですね、SJが言ってるのは、井上毅が、そういう説明をしたという風に言ってるんですけども、井上毅は、そんな説明はしてません。はい、こっから先、井上毅の話ですね。はい。
 井上毅が、「禁具意見」という 意見書を、伊藤のもとに提出してます。この伊藤博文の、提出制度資料(?)の、上巻に収録されているものなんですけども、井上毅はまず、皇室制度の女系皇位継承の問題について、明治15年の先ほどの議論ですね、ま、新聞紙での議論、この島田三郎の、「女帝を立つるを否」とする説の、同説を挙げた上で、いろいろ述べてまして、

「皇位継承のことは、そもそもの体験あり。決して女系異性の即位を認めるが如きヨーロッパの制度に模倣すべきに非ず。また欧州にあっても、サリック法の国は夫人の王位につくことを許さず、婦女に選挙権を許さずして、最高権限を握ることを許すは矛盾なりの論あり、云々と激しく反論。」

という風に書いてあります。ですからあの、井上毅は、何もあの、「男尊女卑だから女性ダメだよ」なんて“一言も”言ってないんですよね。はい。え〜・・、うん。え〜、粗忽の体験であると。つまりこの、歴代天皇がず〜っと男系で継承されてきた、この歴史のことを言ってるわけなんですね、はい。

え〜そして・・、さらに‥、「井上は、結論として、まず、ヨーロッパ各国の王室相続法に長子相続法あり。少子(?)相続法あり。相続は男子に限るあり。または男女同権なるあり。男を先にして女を次にするあり。などなどを上げた上で、井上は皇位継承に関しては、祖宗(?)以来、不文の体験あり。」

日本はね。
「私生児を退くこと、女系のことなどを上げずとすれば、大綱を掲げるだけで足りる。」それで、え〜、シンプルな、帝国憲法の表記、旧皇室全般の表記に、落ち着いていく、というわけなんです、はい。そしてこの時に、井上が提出した意見書とかね、皇室典範の意見書ですね、これ井上がえ〜っとぉ、伊藤博文に提出したものですぅ(その本のページを開いて見せる)。これもなんか、絵まで全部書いてありますよ(そのページを見せる)。

これ全部、残ってます。そして、え〜〜っと・・(ページをめくり探す)
はい、まあ、こう、これ見たら全部わかります(あるページを見せすぐ閉じる)。
そして、今私が言ったことは、えっとね‥、こう、ネットを見たらすぐ出てくるんですよね。(スマホを取り出し水を得た魚のようにイジり出す)

これどこにあったかというと、衆議院の憲法審査会かな、参議院か。の、説明資料にありました。えっと、なぜ男系男子に限るのかということで、えっと、井上毅の議論が出てるんですね。え〜読みます。

「これまで男系男子による皇位継承が守られてきたのは側室の存在による‥」あ、違う‥、あれどこだ‥、あれ、歴史上、あ違う、ちょっと待ってくださいね‥、井上毅どこ行ったっけな‥、ちょっと待ってね‥、井上毅‥あ、はい…。え〜っと。

「旧皇室典範の制定過程。旧皇室典範の初期の草案では女性による皇位継承を認めようとしていた。」

そうなんです、最初は女性による、皇位継承を認める部分がちょっと入ってたんですね。そぉれを見て、井上毅が猛反対するわけです。そして、あの伊藤博文に、文(ふみ)を宛てるんですね。え〜〜どう言ったか。・・・。

「これに対して井上は、1番・過去の女性天皇はいずれも寡婦、または独身であって、これは男系男子を守るためだったこと。2番・ヨーロッパでも、女性による王位継承を認めていない国があること等の理由を上げ、皇位の継承は、男系男子に限るべきであると、このようにしました、と。その結果、伊藤博文により、皇位の継承は、1番・皇胤に限る。2番・男系に限る。3番・一系にして分裂させない。という三大原則が出来上がった。」

はい。これあの、参議院のウェブサイトに乗っかっています。

これが井上毅の主張です、はい。そういう風にして、まあ最初ね、女性天皇を認める、文言が、意見草案に入ったんですけども、すぐに井上 毅が意見を述べ、で、伊藤博文がなるほどと、いうことで、それを排除して、男系男子に定めると、いう風にしたわけなんですね、はい。

ですから、その、まあ、あの、男性優位だから、っていうことで、え〜女性天皇が、排除されたという、SJの説明は、全く事実ではないです。そういうことを書いた、新聞があったというだけですね。井上毅は、そんなこと一言も言ってません。

はい、なので、あの〜、ウンッ、まあ、そういうね、まあ彼は小田部さんの本を読んで、旧皇室典範成立過程の話をね、したつもりなんですけども、何を読んでんのかと。こんなもん、専門家の本を、もしくは一次資料をパッと見たら、ね、もうす〜ぐわかる話なんですけどね、ええ。だからまああの〜、ちょっと小田部さんの本を私は読んでないので、なんて書いてあるか知らないですけども、もしそういうこと小田部さんが書いてるんだったら、小田部さんの本が間違ってるって話で、こんなもんちょっと見たらす〜ぐわかる話ですからね。

でなんかあの〜、えぇ、あの、「国会図書館に行ったらなんかいろいろ資料があるみたいですから、読みに行こうと思うんです」ってSJ言ってましたけども、まあこんな・・、国会図書館なんか行かなくても、私の書斎に来ていただければ、こんな本は山ほどありますからね(笑)、えぇ。(持ってきた6冊を重ねて手にとって見せる)
 えぇ〜、どうぞどうぞ見に来てください、あの、お見せしますからね、はい。国会図書館使いにくいじゃないですか!いちいち申請してねぇ、待って1回に6冊しか出てこないとかね。私、本、ほぼ!、ほぼ揃ってますからね、この手のものはね。お〜、いつでもいらしてください、あの、お見せしますからね、はい。というわけですね。

あとそれから、まあ色々と、他にも言ってましたけども、まあメイン、まあ一番、まあ、あの〜、違うなと、え〜、事実じゃないと、完全に断定できるのは、そういう話のところでした。
あとそれからですねぇ‥。え〜っとぉ(スマホを見る)
あ、あと、あ、そうだそうだ、あ、これだ。あの、私の…、 教科書‥。(後ろの棚から分厚い本を持ってくる)あの、旧皇室典範と、帝国憲法の、議論をする時に、絶対に避けて通れない話があります。

SJもぜひ、ここはですね、知っといた方がいいんじゃないかなと思いまして、老婆心ながら申し上げます。これ知らないともう本当にあの、帝国憲法・旧皇室典範の制定過程の話をするの前提が、知らないってことになりますからね。これはちょっと老婆心ながらですね、基本情報を申し上げます。

え〜日本もですね、文明開化を進めた時に、憲法を持たなくてはいけないね、と。皇室のね、運用をも、ちゃんと法律しなきゃいけないねということになるわけなんですけども。

そこでですね、明治天皇は、ここです。「国憲起草の勅語」というのを出しました。明治9年の9月7日付です。

国憲、国の憲法ですね、「国憲起草の勅語」。え〜何と書いてあるか。(そのページを開く)

「朕此処に我が建国のてい(体?)に基づき、広く海外各国の制法を斟酌し、以て国憲を定めんとす。汝ら其れ宜しく此れが草案を起草し、以て文せよ、朕まさに此れを選ばんとす」

と、おっしゃってます。はい。え〜、どういうことかというと、広く海外の各国にある、憲法というものをしっかりと勉強してね、それを参考にして憲法を定めなさいと、いうことをおっしゃってるんですけども、ただし重要な一文があるんですね。「ここに我が建国のてい(「体」だとすると、竹田は「てい」と読んでいるが、この時代の読みは《たい」では?)に基づき」って書いてあるんです。日本の建国のていに基づいた上で、各国の憲法を参考にして作りなさいと言ってるんですね。

つまり、日本は当時、成文憲法はない、不文憲法ですから。じゃあ日本の憲法状態とは歴史的にどういうものなのか、そもそも天皇とは何なのか、ね、日本の統治とはどういうものなのか、日本の建国のていをまず前提にしてね、で‥、海外の憲法を参考にしながら、日本の建国のていに「基づいて」「書きなさい」と言ってるわけですよ。はい。え〜ですから、その井上毅、伊藤博文、明治天皇が、「どうするぅ、こういう風にしちゃおうか?」みたいな話 じゃなくて(笑)、そもそも日本の歩んできたね、国家のあり方、建国のてい、不文憲法を、基礎にして作るんですよ。「それを文字に起こそう」ということですよね。

え〜、なので、え〜、じゃあそもそも皇位継承はどうだったのか、女性天皇はいたかいなかったか、いたとしてもどういう状況だったのか、男系なのか、女系の例があるのか、そういうものを、とにかく「建国のていに基づいて」、それに「基づいて」憲法を作れ、なんですよ!自由に思いついたままね、想像していいなんか一言も言ってない、時流に乗って最先端のものを作れとも言ってない、建国のていに「基づいて」作れと、これが明治天皇がおっしゃった、国憲起草の、勅語なんですぅ、はい。でね、SJが言ってることで最大にやばいのは、「明治時代だって、女性天皇議論されたじゃないか」(ヘンな声マネを付ける)っていうんですよ。

重要なのは、議論されたけども、「却下!」されたということですよ。しかもこれは、昭和20年にもう1回やったんですよ。その時も女性天皇議論されて、「また却下!!」されたんです。

2回(笑)、議論したけど、散々議論した結果、「2回とも!」、「却下!」されてんですよ。しかも却下された理由は、SJが言う理由じゃないんです。だって‥、「男系」以外の天皇はないから! はい。えぇ。

だから、男系なんですよ。女性はあったけれども、ね、あの〜…、男系を維持するための女性であって、えぇ。で、皇子(みこ)が成長するまでの間とか、暫定のものとして、ね、女性天皇立てたという、極めて異例なケースですからね。

で、それを、条文にしようかって議論もあったけれども、
「却下されたんです!!」
「2回ともですよ!!」

はい。そして、有識者会議では女性天皇・女系天皇が議論された、はい。で、ご懐妊があって話が止まった。そして、菅総理の時に有識者会議が立ち上がり、そこで旧皇族を活用する、う〜提言がされて、あくまでも男系を維持するというね、そういう話になって、そこだって当然女性天皇議論されたけども、「却下!!」されてるじゃないですかぁ。(身を乗り出す)

えぇ。そうなんです。だから、「議論に上がってるじゃないか、だから正統だ」なんて言うんですけども、議論に上がっても150年間何度も公式に議論されたけど、「毎回!」却下されてるんですよ(何度も議論があったかの如く手で空を刻むジェスチャー)。

はい。そっちの方が重要なんです。「でなぜ却下されたか」。まず男系と、ま男性ちょっと意味が違いますけど、男系に関してはね、男系を受け継がない天皇なんか一例もないんですよ、はい。これが一つ。

で、SJも、女性天皇と女系天皇を混同してますよね。えぇ。え〜〜、皇室‥、明治で議論されて、却下されたというの、コレは「女性天皇」の話であって、そもそも男系が崩れていいなんて話は、あの〜、一度も、議論されていないんです。はい。それは、SJが言ってるのは女性天皇の話なんですけど彼の話の中で女性天皇と女系天皇を混同してるんですね、はい。なので、明治の時には、あの、話の訴状に上がったけども、「却下!!」されてるんです、はい、エヘヘヘ(笑)。

それをですね、話に出たんだから正当だっておかしくないスかぁ(笑)?なぜ却下されたのか、その、その分析も完全に間違ってますからね、えぇ。小田部さんの本が間違ったこと書いているのか、もしくは小田部さんの本は 正しいこと書いてあるけども、SJの頭の中で脳内変換してね、違ったことで理解しちゃったのか、それは知りませんですけど、答えはここにあるわけです(持ってきた6冊の本をまたかざす)。

明治時代に どんな議論があったか全部残ってますから、記録がね。これを見れば、SJのような理由で却下されたという事実は存在しません。はい。まあ後は、これは今日はもう時間がね、今日はこの後「特番」だからあまり時間ないので言いませんけども、あとSJ面白いこと言ってたのは、「男系、男系って言うけど3回切れてるじゃん」って話をしてましたね。えぇぇ〜・・。

まあそんな、ひ、まあ、まあ、あの彼が言ってたのは、「明治天皇がすり替わってた」(ヘンな声を出す)という話ですね。あともう2つって言ってましたけど、まぁおそらくそれは第10代崇神天皇と・・、あと継体天皇の話になんじゃないですかね、おそらくね。もしくは「応神天皇・騎馬王朝節」とかありますけども。え〜、どうもSJは、あまりそこら辺が詳しくなさそうですけれども。

あの〜、それに関しては、もう散々議論されてきました、はい。であの〜、「皇統断絶説」って終戦後に流行ったんですよ。戦前は、そんな主張したらすぐ連れて行かれちゃいますからね。皇統が切れてるなんか言えなかったんですけども。戦後何言ってもいいってことになって流行ったんです。「ここで切れてんじゃん」、「ここで切れてんじゃん」って結構流行ったんですよね。あの〜、言うのは簡単なんですけどその後、学会で検証されていって、支持されるか支持されないかですよ、はい。

まずほら、提言、「え、ここで消えてんじゃない?」って誰かが言って検証される。「やっぱ切れてましたね」となるのか「やっぱ切れてなかったね」となるのか、どっちかですね。これ結論的に言うと、皇統断絶説っていうのは、まあ4つぐらい有名なものが戦後主張されたんです。ところが、歴史学界で色々と揉んだ結果、4つとも学問的に否定されてます。はい。

今後なんか、新しい資料かなんか出てきて学問的に確定するってことになれば、え〜歴史学界の方でね、まあ通説 になってくるでしょう。で王朝交代説は、え〜流行って、もてはやされたんですけども、結局、歴史学界で全て否定されてます。通説になった王朝交代説は一つもないんですね、はい。え〜、ですから、歴史学会上(新語? 権威主義丸わかり)取るに足らない。

かつてもう何10年も前にちょっと提唱されて、「あ〜、ないよね」と言って学者によって否定された話が、まあ3つ4つある、ということなんですよね。ですから男系継承の話をする時に、まあ「3回4回皇統が切れてんじゃん」っていう話を、まあするのは印象操作と してはね、上等だと思いますけども、学問的な話にはならないと思いますね。はい、というわけです。はい、というわけでまあ、まあまあ、そのぐらいにしておきますかね、はい。

あっ、そうそうそう、だからね、あのSJが言うんですよ。「プロイセンを参考にした」ってわけで、そらそう、その通りですよ、伊藤博文はね、ドイツ留学してるわけだから。
だからね、あの、皇位継承の話をプロイセンを参考にしたって言うんですけれども、さっき私言いました。明治天皇の勅語がありましたよね。「建国のていを基礎にして作れ!!」と言った。外国を参考にしながらも、建国のていを基礎にしろというのが、明治天皇の勅命なんですよ。

お〜〜当然、あのドイツ、プロイセン、参考にしましたよ。でもそれ、あくまでも日本の建国のていをね、基礎として、まあ参考にしただけの話なんで。なんかあのSJは鬼の首取ったみたいに、なんか伊藤博文がドイツに留学して、なんかドイツ式の皇位継承法を持ってきたかのようなね、そんな話をしてましたけども、だから明治天皇のね「国憲起草の詔」は、やっぱ知らないと恥かくので、そこは知っといた方がいいと思いますよ今後ね、はい。

ですから、まあ、老婆心ながらね、すいません、私この分野、私専門なので、まあまあ、ちょっと、SJの専門分野もあるでしょうし、そっちは私よくわかりませんが少なくとも、ここは、私、専門分野で、この論点で何〜冊も本書いてますからね、はい。え〜、なので、ちょっとあんまりね、知らないでいると、恥かくから、老婆心ながらね、国憲キ、え〜‥、「国憲起草の詔」ぐらいは、知っとかないとね。恥かきますからね!

は〜い。そこはちょっとね、SJのために、申し上げておこうと思いま〜す。

すいません私、彼の動画見ないんですけども。まあちょっと「皇位継承」って話が出てきたからね、一応、まあ変なこと言ってたらね、訂正して差し上げないといけないなあと思うことでですね、まあこれ以上恥をかかないようにですね、まあちょっと、資料の調べ方も、伝授しましたので、参考にしてくださ〜い。

はい。というわけで、え〜まあ、あの、SJファクトチェック、のコーナーは、今日はこれで閉めさせていただきましょう

4 件のコメント

    maru

    2023年6月5日

    竹馬 「重要なのは、議論されたけども、『却下!』されたということですよ。しかもこれは、昭和20年にもう1回やったんですよ。その時も女性天皇議論されて、『また却下!!』されたんです。2回(笑)、議論したけど、散々議論した結果、『2回とも!』、『却下!』されてんですよ。しかも却下された理由は、SJが言う理由じゃないんです。だって‥、『男系』以外の天皇はないから! はい。えぇ。だから、男系なんですよ。女性はあったけれども、ね、あの?…、男系を維持するための女性であって、えぇ。で、皇子(みこ)が成長するまでの間とか、暫定のものとして、ね、女性天皇立てたという、極めて異例なケースですからね。」
    俺 「馬鹿が余裕かましたつもりなんだろうけど、議論すべき内容だから『2回』も行われたのであって、お前の幻想どおり大前提としてあり得ないなら『1回』の議論で終わってるはずでしょう。現代的な感覚と照らし合わせても、近年の皇室の在り方からみても『男系以外の天皇はないから』なんて≪cult reazon≫で片付けられないから、議論になってるの!まったく・・・今までの話はもう良いから、これからの話をしようぜ!っての。それに”今までの話”にしたって、お前らの都合にあわせて捏られてるんだからさ。時間稼ぎはもうやめな!」

    竹馬 「で、SJも、女性天皇と女系天皇を混同してますよね。えぇ。え??、皇室‥、明治で議論されて、却下されたというの、コレは『女性天皇』の話であって、そもそも男系が崩れていいなんて話は、あの?、一度も、議論されていないんです。はい。それは、SJが言ってるのは女性天皇の話なんですけど彼の話の中で女性天皇と女系天皇を混同してるんですね、はい。なので、明治の時には、あの、話の訴状に上がったけども、『却下!!』されてるんです、はい、エヘヘヘ(笑)。」
    俺 「え~!?なに急に『エヘヘヘ(笑)』とか照れてんの((((;゚Д゚))))顔も仕草も気持ち悪いぞ!」

    竹馬 「明治時代に どんな議論があったか全部残ってますから、記録がね。これを見れば、SJのような理由で却下されたという事実は存在しません。はい。まあ後は、これは今日はもう時間がね、今日はこの後『特番』だからあまり時間ないので言いませんけども、あとSJ面白いこと言ってたのは、『男系、男系って言うけど3回切れてるじゃん』って話をしてましたね。えぇぇ?・・。」
    俺 「それより、お前が出る『特番』ってなんだ?”何とか記念”とか”何とかステークス”ってやつに出るの?」

    竹馬 「すいません私、彼の動画見ないんですけども。まあちょっと『皇位継承』って話が出てきたからね、一応、まあ変なこと言ってたらね、訂正して差し上げないといけないなあと思うことでですね、まあこれ以上恥をかかないようにですね、まあちょっと、資料の調べ方も、伝授しましたので、参考にしてくださ?い。」
    俺 「お前らって、よくそうやって他人の恥ばかり心配してくるけど、一番赤っ恥かいてるのはお前らのほうだから!俺がお前らだったら、恥ずかしくてとっくに≪Suicide≫してると思うよ!じゃあ、またな(^_-)-☆」

    チコリ

    2023年6月5日

    超!長文!文字起こしおつかれ様です!
    ちょっと読んだだけで資料も整理されてないし、あれこれ資料を読み込んでる体で資料ばかり沢山持って来て、事前の準備もしてないのまるわかり!

    ただ自分にとって都合のいい言説だけ
    拾って男尊女卑が理由じゃない!と言いたいだけ、と言うあたりで、早々にリタイアしてしまい、
    佐々木さんと基礎医さんお2人のコメントを読んで、至極納得致しました。ありがとうございます。

    ケケダ崩壊カウントダウン!

    佐々木

    2023年6月5日

    読んでて大変ダメな動画だと言うことがよく分かりました(笑)

    要点が全然纏まってないし、今の皇統問題に全然スポットを
    当ててなくて、事前に勉強にシナリオ、構成もしていない、
    即興であることが丸わかりです。

    同じ独り語り動画でも高森先生と笹先生のお二人とは、
    比べるのも失礼なくらい雲泥の差があります。

    こんなダメ動画の文字起こしをいつもしてくれるただしさんには
    頭が下がります。

    内容についても、過去の羅列で自分の方が皇統に詳しいんだと、篠原氏をこき下ろしてるだけで、今の皇統問題の解決には
    全然触れていません。

    単に皇統問題に何の関心もない事の吐露を繰り返してる
    だけですけど、こんなののどこが面白いのか理解に苦しみます。

    基礎医学研究者

    2023年6月5日

    (編集者からの割り込みコメント)倉山の後ということもありましたので、正直、不快度はまだ少なかったですかね(;^_^A。しかし、この動画を見る限りでは、SJという方への反論はさておき、「男尊女卑」を否定したくて必死ですね。そして、国会で議論されてきたが、歴史的に2回却下されている!をやけに強調しますね。当時の国会の議論や識者の議論は参考になりましたが、「だから、何なんだ!」というのが、正直な感想です。きっと、「(だから)男女関係なく継承できる道、すなわち”双系継承”の道を開く国会の議論を行う必要などない!」とでもいいたいのでしょうね。しかし、そこまで自信があるのだったら、やるべきです。「皇室の弥栄」を1 mmでも本当に考えているのならば。

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