「希望行きの列車」を走らせよう!

Post's thumbnail

先日、映画「怪物」を題材にしたブログを載せていただきましたが、次は「銀河鉄道の父」でも書いてみます。

(「銀河鉄道の父」と「怪物」のネタバレあり)

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

 映画「銀河鉄道の父」は、父・宮澤政次郎(役所広司)と息子・賢治(菅田将暉)との葛藤劇です。厳しくも子煩悩な政次郎と生き方に迷い続ける賢治との対峙、そして最愛の妹としの応援と喪失は賢治の創作にとって重要ですが、それだけではないと明らかになり始めています。

 賢治は全寮制の盛岡高等農林学校に入った時に保阪嘉内という人物と出会いますが、実は嘉内こそが『銀河鉄道の夜』におけるカムパネルラで、『風の又三郎』における又三郎だと判明しています。また賢治の手紙などの資料から解った事実は賢治の嘉内に寄せた恋愛感情でした。つまり明治から戦前昭和の世間が絶対に許さなかった同性への恋愛感情という「賢治の背負った業」と「普通を求める世間」とのズレこそが賢治を最も強く創作に駆り立てたのではないかと考えられます。

 「銀河鉄道の父」の劇中で政次郎は、死の床に就いた賢治に「雨ニモマケズ」を暗唱して「良い詩だ!」と褒めましたが、賢治の死後、政次郎が詩碑文として実際に推したのは「業の花びら」でした。このことは賢治の背負った業(同性を愛してしまうこと)を理解し、明治期の家父長的な家族観をも超えて賢治を許したことを意味する気がします。

 さて、ここから「怪物」(カンヌ映画祭で脚本賞・クィアパルム賞を受賞)にも言及します。実は是枝裕和監督は宮澤賢治が好きだと公言しており、「怪物」の終盤で麦野湊(黒川想矢)と星川依里(柊木陽太)が立て籠った廃線車両は銀河鉄道をイメージしたものだとされます。つまり2人は「世間の目」が届かない「銀河の果て」へ旅立とうとしたのかもしれません。そう、賢治の死後90年、および戦後80年になろうとしても日本の世間はLGBTを許していないのです。

このように「普通」以外は許さない不寛容な世間(至上)主義は、統一協会の価値観(LGBTは生産性が無い!皇室も一般家庭も男系継承が正統だ!)と親和性が高く、それと呼応するかのように保守系の政治屋・言論人が女性や性的少数者を苦しめ、皇族方の願い(女系継承の公認による皇位継承の安定化)も踏み躙っています。

そろそろ、我々は「世間主義」を超えて「希望行き」の列車を走らせましょう!…その発車の合図は当然「愛子さまを皇太子に!」です。    

文責:京都のS

1 件のコメント

    京都のS

    2023年6月15日

     「日々是皇室」ってコーナーが私の遊び場みたいになっていて寂しいやら申し訳ないやらです。これからも「世間主義」(※世間体至上主義や世間至上主義の語も使用)という日本人の「負の国民性」を考えていきたいと思います。
     ふぇい様、掲載ありがとうございました。

コメントはこちらから

全ての項目に入力が必須となります。メールアドレスはサイト上には表示されません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。