「幻の世界」に安住したい人々が現実世界を破壊している

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 「アリスとテレスのまぼろし工場」(令和5年9月15日~公開)というアニメ映画をご存じでしょうか。(以下、ネタバレあり〼)

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 本作は地方都市(見伏市)にある製鉄工場の爆発事故以来、現実世界から空間的にも時間的にも切り離された異世界に暮らす住民たちの物語です。住民たちの心が不安定になると現住の異世界が壊れると考えられたため、住民たちは心の動きを報告する「自分確認票」を提出させられていました。そして製鉄工場の高炉から吹き出す煙が異世界のヒビ割れを修復するという設定です。本作は14才の少年少女(菊入正宗&佐上睦実)が主人公ですが、時間が止まっているから思い描いた夢にも進めず、「情動は悪」と教え込まれているから抱いた恋心も封印させられています。

 この異世界を守ろうとする人々の筆頭が見伏神社の宮司である佐上衛(※佐上睦実は後妻の連れ子)で、彼の言い分は「事故は神の山を削って工場を建てた祟り」と「こうなった以上は現住世界の維持が最優先」です。しかし「神罰が事故の原因」とする説は誰にも証明できず、また「現状維持が最優先」という対策は高齢者が死なない世界に安住したいというネクロフォビア(死の恐怖)に他なりません。これは何かに似ていないでしょうか?つまり「自粛の不徹底がコロナ蔓延の原因」と「自粛維持が最優先」、あるいは「左翼や共産党が皇室の危機の原因」と「男系維持が最優先」という言い分です。それは要するに、我々が安心できる世界を維持するためなら青少年の未来が断たれても構わない、そして次世代が皇室を喪失した後の日本国で生きることになっても知ったこっちゃないという意味です。

 劇中の異世界が崩れ始める契機は、菊入正宗と佐上睦実の恋心や10数年後の現実世界から迷い込んだ2人の間の娘(沙希:異世界では五美と命名)の存在でしたが、逆に現実世界(リアル)への異世界(コロナコワイ世間・男系派世間・陰謀論世間…)の侵食を許してしまった我々の世界では、我々自身が動く他ありません。劇中で起こることは「幻の世界」の出来事に過ぎませんが、我々の現実世界で起こることは、皇室という精神的支柱を欠いた日本国が他国からの様々な形の侵略(軍事侵略・経済侵略…)を受ける事態も当然ながら起こり得ます。ゆえに「幻の世界」の住人としての男系固執派(動機:カルト利権)や自粛ワクチン継続派(動機:延命至上主義&医療利権)、そして現実には全く動かなくて済む陰謀論者(動機:身内の相互承認)も全て崩壊必至の異世界に置いていきましょう。我々は情熱を携えて「愛子天皇の未来へ」と進むだけです。     

文責:京都のS

1 件のコメント

    京都のS

    2023年9月22日

     こうして日本人は一から十まで「現状認識」と「対策」を間違えます。経済問題では「グローバル化改革の不徹底が経済低迷の原因」とされ、対策は「規制緩和・分割民営化・貿易自由化・緊縮財政が最優先」となります。そのせいで「失われた40年」が50年にまで延び、自死と餓死と児童虐待が激増し、少子化も不可逆的に進みます。
     環境問題では「CO2排出↑が地球温暖化の原因」とされ、対策は「化石燃料使用削減・太陽光パネル設置・原発再稼働」となります。
    ※「平等と格差の間(転)~真の持続可能性とは?」( https://aiko-sama.com/archives/26961 )を参照してください。

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