先に速報で連載記事のことをお伝えしましたが、2024年1月6日の朝刊に、紙面に掲載されました。
この記事に対して、自分が意見・コメントを送りましたので、以下に示します。
【基礎医学研究者】
1/6朝刊21面の記事に関するコメント
毎日新聞さま
1/6の朝刊21面に掲載されました、山田奈緒記者による「考・皇室 深まる危機。進まぬ皇位継承議論 「男系男子」緩和必要」の連載記事を、読ませていただきました。今回は、世間的には有名な、京都産業大名誉教授の所功氏へのインタビューで、全体としては、なるほど!?と思うことが、散見されていました。特に、所氏がこの記事で「典範においては、天皇から5世以降は自動的に次男以下を皇族でなくし、長男も8世より後は皇籍を離れる「皇族降下」の基準も設けられた」という言及をされたことは、非常に勉強になりました。しかも、この重要な知見は、平成の有識者会議の事務局が作成された資料にしっかり含まれていたということなので、平成の有識者会議が「皇位の安定継承」にいかに真剣に望んでいたのかが、よくわかりました。現在の“懇談会”における「皇族数の確保が」、という態度とは根本的に異なり、皇族と国民の間の「君臣の別」という定義がしっかりなされていたと、自分は思います。
ところで、所氏の発言で1つ気になることがございます。それは、「男系男子」緩和必要とはっきり問題点がわかっているのに、なぜ先の羽毛田氏や園部氏のように、女系・女性も含めた直系継承についての言及が不徹底なのか?ということについてです。自分の理解が間違っていたら申し訳ないのですが、本記事の所氏が言われていることは「“皇位継承”に関する問題点は、良く把握されている。しかし、現実の運用を考えると「皇族数の確保」という概念を超えるものではない」というものです。言い方を変えると、これでは毎日新聞さんが昨年の12/30にスクープされた、自民党の“懇談会”メンバーが画策している「両論併記案」とどこが違うのだろう?という気になってしまいますが、いかがでございましょうか?
ただ、所氏が言われる「憲法が第1章に定める天皇は、伝統の本質と宮廷文化の体現者だと思います」というのは見事な表現で、最後に「次世代につないでいくためには、皇室への国民多数の関心や理解の高まりこそが重要」というのも、大いに共感するところです。最後に、だからこそ、毎日新聞さんの、山田記者のこの連載は、国民への関心や理解の高まりを呼び込む可能性のある連載と、私は信じます(読者の後押しは、あります)。
3 件のコメント
基礎医学研究者
2024年1月9日
>サトルさん
コメントありがとうございました。情熱!?伝わっていますかね(それは、嬉しいカモ)。所氏の変節については、実は自分、DOJOサポーターになった時点ではよくわかっておらずで、1度ちょっと恥かきしたことあり(;^_^Aでした。ただ、サトルさんの倉山本連載を通じてそのことを認識し、今回の毎日新聞さんの連載で、現在のスタンスがよくわかりました。このような不徹底な態度でも倉山のようなダンケーに突っ込まれるのならば、女系・女性天皇も視野に入れた「皇位の安定継承」を言われた方がスッキリすると思うのですけどね、どうでしょうか?
で、これは、完全に邪推ですが、所氏の場合、メディアへの露出が(現在の態度に)影響したような印象を持ちますね(逆に小林先生のように、アップデートはされるけどブレない、という言論人は、本当に少ないのかもしれない)。しかし、良いことも言われているので、自分はそこは評価するものです。
*「情熱邪推」の「情熱」は削除でm(_ _)m
→対応しました。
サトル
2024年1月9日
すみません
「情熱邪推」の「情熱」は削除でm(_ _)m
サトル
2024年1月9日
いつもながら、情熱を込めながらも冷静な筆致に感服いたします。
そして疑念があることにも、「議論の作法」として指摘していることも見逃せません。
「倉山皇室論」に於ても、この所氏の「不徹底さ」が、倉山につけこまれる一端ではないのか?と思い、邪推の1つもしたくなるのです(私はしてしまいます(^_^;))が、そこは基礎医さん。
あくまで「公論」としての姿勢を崩さない……のは見習わなければ……と思います。