2024年5月28日 06:00 愛子天皇論
『愛子天皇論』連載です。
234章「モソ族から何を学ぶ?」
本日発売の週刊SPA!に掲載されています。みなさんの感想、ぜひお寄せください。
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2024年6月3日
「愛子天皇論」234章の感想です。 女性に権力があって、財産も子供も、すべて女系で承継されるモソ族。 しかし、ほぼすべての労働を女性が担っていて、男は何も働かない。 そんなモソ族の社会を、男女平等社会を作るためのヒントになるとして、各国のメディアやジャーナリストが度々紹介して、理想化するが如く伝えるのに、よしりん先生は違和感を抱いています。 つまるところ、ヒモ夫がいる家族でいいのか、と。 モソ族の社会では、子育ても仕事もすべて女任せで、男は生活能力がなく、種を配るばかりにして、一生、遊んで暮らすのが伝統となっているようなので。 そしてトッキーさんのブログでは、TBS「NEWS23」ゴー宣の批判を完全無視、シレっとモソ族大絶賛! と題して、今回のゴー宣を、よしりん先生が寄稿しているエコノミストと同じく毎日新聞系列のTBSの報道番組が、全く無視していることを批判しています。 これ、何だろうな、と思って、私なりに、いろいろ考えてみたところ、最近話題になっている、共同親権の問題に行き当たりました。 モソ族では、子育ても仕事も、専ら女性が担うのですが、これって、離婚後の元妻が大抵子供の親権者となり、シングルマザーとなるも、元夫からの支援は全然あてに出来ず、子育ても仕事も一人で担うのと、似ています。 日本では、離婚後、子供の親権者となるのは母親であるのが8割で、従って、子供は母親の許で養育されるも、しかし父親は、負担すべき養育費を全然支払わない、というのが現状だからです。 このことは、モソ族の男女関係・子育てが、日本における離婚後の元夫・元妻の関係・子育てに近い、ということです。 つい最近、法改正が国会で成立し、離婚後は単独親権だったのが、近々の改正法施行後は、共同親権が導入されることになります。 離婚後は単独親権、それも大抵は母親が親権者で、仕事も子育ても母親が担い、父親は養育費を支払わない、と言うのは、モソ族の男女関係・子育てに近い。 とすると、モソ族の男女関係・子育てを肯定的に評価するのなら、法改正により導入されることになる、離婚後も、父母共に親権者として子育てに関与する、共同親権にはむしろ否定的でないと、おかしいのではないでしょうか? しかるに、日本のマスコミは、逆に、離婚後共同親権導入に対しては否定的ではなく、むしろ肯定的です。 何故か? それは要するに、離婚後も婚姻中に引き続き共同親権なのが、主として欧米諸国であり、共同親権が欧米的価値観によるものだからでしょう。 因みに、欧米諸国において共同親権なのは、沿革的には、男尊女卑のキリスト教により、親権者は専ら父親だったところ、後から母親にも親権を付与する、ということで共同親権になったようです。 ところで、今回のゴー宣では、欧米人の悪癖と言っていいかもしれない、オリエンタリズムについて言及されていました。 オリエンタリズムとは、欧米人が自らを文明人と思い込み、対するに未開人として見下しの対象である東洋人には、好奇心からエキゾチックなものを感じ、憧れを抱く思想である、従ってそれは、欧米人にとって都合のいい東方趣味・東洋趣味・異国趣味である、と。 今回のゴー宣では、欧米人のモソ族に対する視点は、オリエンタリズムだ、指摘しているのです。 これに対して、よしりん先生が寄稿しているエコノミストと同じく毎日新聞系列のTBSの報道番組である、TBS「NEWS23」がどう答えるかですが、完全無視でした。 これについて、私なりに考察するに、TBS「NEWS23」は、もちろん日本のマスコミですから、欧米的価値観の共同親権には肯定的なのでしょうが、しかし、欧米的価値観を正に主導する欧米が、その欧米のメディアやジャーナリストが、いっぽうで、共同親権とは対照的なモソ族の男女関係・子育てをあたかも肯定的に評価しているのに、違和感や困惑を覚えたからではないでしょうか? そして、TBS「NEWS23」は違和感や困惑を覚えるも、欧米的価値観に従うのが日本のマスコミの習いですからージャニーズ問題における日本のマスコミの対応がその証左ー、伝えられるモソ族の社会を肯定的に評価する一方、今回のゴー宣に対して、何ら、答えることが出来なかった。 そんなところなのでは、と思いました。 さて、そうすると、日本における離婚後単独親権も、実際のところ、欧米人はどう見ているのでしょうか? 思うに、日本における離婚後単独親権に対する、欧米諸国や国連からの厳しい批判には、実は、オリエンタリズムとはコインの裏表な関係にある、差別意識があるのでは? 長くなりましたが、今回のゴー宣を読んで、以上のようなことを、考えることとなりました。
遅まきながら、「愛子天皇論」234章の感想を書かせていただきます。
モソ族の家母長制社会に、最初は日本の平安時代みたいだと 興味を惹かれましたが、音は遊び暮らしてるという辺りから、 疑問が浮かびました。
読み終わって、モソ族の家母長制は男が女をこき使ってる、 男尊女卑と変わらないように感じました。
女性が権力、財産、子供を握っているなんて、 フェミニストから見れば、男を見下せて爽快でしょう。
でも、生活の糧は全て女性が稼いで、男は遊び暮らしてるのは、 面倒事は女性に全て押し付けてると言えます。
また、モソ族の家族形態は、皇室に残る女性皇族の夫と子供は 国民のままという混成家族案とダブって見えました
女性皇族が自由と権利を制限されながら公務に励む傍らで、 夫や子供が国民の権利をたっぷり享受する様を報道されたら、 女性だけに負担を強いる皇室はいらない! とたちまち皇室廃止の声が上がりかねません。
先日のゴー宣DOJOの議論を踏まえて、 未来に繋がる男女平等について考えていかないと いけないと、改めて思いました。
2024年5月30日
このモソ族の、文化を褒めそやしていた白人のリポーターを見ていると漫画「巨人の星」にでてきた、花形満の幼少時代のシーンを思い出します。 彼は、幼少時代にイギリスかぶれの父親にイギリスの名門寄宿舎の学校に入学させられるのですが、そこで彼を待っていたのは現地の白人生徒による差別と蔑視でした。そんな彼は、反骨心からスポーツや学問などあらゆる分野でトップを獲得し白人の女子生徒から「東洋のプリンス」などと黄色い声援を浴びせられるまでになるのですが、その女子生徒たちもこのイギリス人リポーター同様、オリエンタリズムの観点からそう思っていただけなのでしょう。 少なくとも、このオリエンタリズムの様な軽薄な憧れから物事を語るのではなく、日本・日本人の観点から語ることを再認識させられる回でありました。
2024年5月28日
感想フォームには書きましたが、別の観点でも書きたくなりました。以前、私は当サイトの「双系システムの成立過程を考察する」( https://aiko-sama.com/10589-2 )という4章立ての論考を掲載していただきました。 その論考では縄文人(※南方海洋民がマジョリティーを占めた中期)が家母長制だった可能性を書きました。採集生活を送っていた母系制の縄文人(女系血族集団・男は狩猟や漁労の成果を携えて来訪&妻問)は、やがて次々と流入する異民族(モンゴル系・トルコ系・江南系…)の影響を受けつつ、感慨土木などの力仕事が必要な水田稲作の定着を以って男権も復興し、そうして双系の村社会に至ったと結論しました。その後は日本も儒教の影響が強くなり、武士の時代を経たりして男尊女卑的になっていきますが、婿入りの慣習など母系制の名残はあります。これはシナ男系主義や小中華男系主義の国ではありえないことです。ゆえに皇室にあっても双系継承が正常です。10000年以上の縄文期を含めた死者のことを思えば、「死者の民主主義」において約150年(明治以降)の男系時代?の死者が勝てるはずがありません。 さて、「双系システムの成立過程を考察する」でテキストに使った『縄文人に学ぶ』(上田篤著)にはアメリカインディアン(ネイティブアメリカン)に触れた章があります。インディアン(母系社会)は変化を拒否し続けたためか、後に侵略してきたアングロサクソン(キリスト教系男尊女卑)が悪ど過ぎたためか、あっという間に滅ぼされました。生き残った先住民の集落が観光地化したという末路もモソ族と同じです。 アメリカ白人は高貴な野蛮人としてのインディアンを滅ぼした罪悪感を払拭するために同様の侵略を繰り返します(反復強迫)。幕末~大東亜戦争終結までの日本人を完膚なきまでに叩きのめした件も同様です。この辺りのことは「博愛と競合の間」シリーズ( https://aiko-sama.com/archives/35934 )に書きました。ご参照ください。
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4 件のコメント
ねこ派
2024年6月3日
「愛子天皇論」234章の感想です。
女性に権力があって、財産も子供も、すべて女系で承継されるモソ族。
しかし、ほぼすべての労働を女性が担っていて、男は何も働かない。
そんなモソ族の社会を、男女平等社会を作るためのヒントになるとして、各国のメディアやジャーナリストが度々紹介して、理想化するが如く伝えるのに、よしりん先生は違和感を抱いています。
つまるところ、ヒモ夫がいる家族でいいのか、と。
モソ族の社会では、子育ても仕事もすべて女任せで、男は生活能力がなく、種を配るばかりにして、一生、遊んで暮らすのが伝統となっているようなので。
そしてトッキーさんのブログでは、TBS「NEWS23」ゴー宣の批判を完全無視、シレっとモソ族大絶賛! と題して、今回のゴー宣を、よしりん先生が寄稿しているエコノミストと同じく毎日新聞系列のTBSの報道番組が、全く無視していることを批判しています。
これ、何だろうな、と思って、私なりに、いろいろ考えてみたところ、最近話題になっている、共同親権の問題に行き当たりました。
モソ族では、子育ても仕事も、専ら女性が担うのですが、これって、離婚後の元妻が大抵子供の親権者となり、シングルマザーとなるも、元夫からの支援は全然あてに出来ず、子育ても仕事も一人で担うのと、似ています。
日本では、離婚後、子供の親権者となるのは母親であるのが8割で、従って、子供は母親の許で養育されるも、しかし父親は、負担すべき養育費を全然支払わない、というのが現状だからです。
このことは、モソ族の男女関係・子育てが、日本における離婚後の元夫・元妻の関係・子育てに近い、ということです。
つい最近、法改正が国会で成立し、離婚後は単独親権だったのが、近々の改正法施行後は、共同親権が導入されることになります。
離婚後は単独親権、それも大抵は母親が親権者で、仕事も子育ても母親が担い、父親は養育費を支払わない、と言うのは、モソ族の男女関係・子育てに近い。
とすると、モソ族の男女関係・子育てを肯定的に評価するのなら、法改正により導入されることになる、離婚後も、父母共に親権者として子育てに関与する、共同親権にはむしろ否定的でないと、おかしいのではないでしょうか?
しかるに、日本のマスコミは、逆に、離婚後共同親権導入に対しては否定的ではなく、むしろ肯定的です。
何故か?
それは要するに、離婚後も婚姻中に引き続き共同親権なのが、主として欧米諸国であり、共同親権が欧米的価値観によるものだからでしょう。
因みに、欧米諸国において共同親権なのは、沿革的には、男尊女卑のキリスト教により、親権者は専ら父親だったところ、後から母親にも親権を付与する、ということで共同親権になったようです。
ところで、今回のゴー宣では、欧米人の悪癖と言っていいかもしれない、オリエンタリズムについて言及されていました。
オリエンタリズムとは、欧米人が自らを文明人と思い込み、対するに未開人として見下しの対象である東洋人には、好奇心からエキゾチックなものを感じ、憧れを抱く思想である、従ってそれは、欧米人にとって都合のいい東方趣味・東洋趣味・異国趣味である、と。
今回のゴー宣では、欧米人のモソ族に対する視点は、オリエンタリズムだ、指摘しているのです。
これに対して、よしりん先生が寄稿しているエコノミストと同じく毎日新聞系列のTBSの報道番組である、TBS「NEWS23」がどう答えるかですが、完全無視でした。
これについて、私なりに考察するに、TBS「NEWS23」は、もちろん日本のマスコミですから、欧米的価値観の共同親権には肯定的なのでしょうが、しかし、欧米的価値観を正に主導する欧米が、その欧米のメディアやジャーナリストが、いっぽうで、共同親権とは対照的なモソ族の男女関係・子育てをあたかも肯定的に評価しているのに、違和感や困惑を覚えたからではないでしょうか?
そして、TBS「NEWS23」は違和感や困惑を覚えるも、欧米的価値観に従うのが日本のマスコミの習いですからージャニーズ問題における日本のマスコミの対応がその証左ー、伝えられるモソ族の社会を肯定的に評価する一方、今回のゴー宣に対して、何ら、答えることが出来なかった。
そんなところなのでは、と思いました。
さて、そうすると、日本における離婚後単独親権も、実際のところ、欧米人はどう見ているのでしょうか?
思うに、日本における離婚後単独親権に対する、欧米諸国や国連からの厳しい批判には、実は、オリエンタリズムとはコインの裏表な関係にある、差別意識があるのでは?
長くなりましたが、今回のゴー宣を読んで、以上のようなことを、考えることとなりました。
佐々木
2024年6月3日
遅まきながら、「愛子天皇論」234章の感想を書かせていただきます。
モソ族の家母長制社会に、最初は日本の平安時代みたいだと
興味を惹かれましたが、音は遊び暮らしてるという辺りから、
疑問が浮かびました。
読み終わって、モソ族の家母長制は男が女をこき使ってる、
男尊女卑と変わらないように感じました。
女性が権力、財産、子供を握っているなんて、
フェミニストから見れば、男を見下せて爽快でしょう。
でも、生活の糧は全て女性が稼いで、男は遊び暮らしてるのは、
面倒事は女性に全て押し付けてると言えます。
また、モソ族の家族形態は、皇室に残る女性皇族の夫と子供は
国民のままという混成家族案とダブって見えました
女性皇族が自由と権利を制限されながら公務に励む傍らで、
夫や子供が国民の権利をたっぷり享受する様を報道されたら、
女性だけに負担を強いる皇室はいらない!
とたちまち皇室廃止の声が上がりかねません。
先日のゴー宣DOJOの議論を踏まえて、
未来に繋がる男女平等について考えていかないと
いけないと、改めて思いました。
JACKER
2024年5月30日
このモソ族の、文化を褒めそやしていた白人のリポーターを見ていると漫画「巨人の星」にでてきた、花形満の幼少時代のシーンを思い出します。
彼は、幼少時代にイギリスかぶれの父親にイギリスの名門寄宿舎の学校に入学させられるのですが、そこで彼を待っていたのは現地の白人生徒による差別と蔑視でした。そんな彼は、反骨心からスポーツや学問などあらゆる分野でトップを獲得し白人の女子生徒から「東洋のプリンス」などと黄色い声援を浴びせられるまでになるのですが、その女子生徒たちもこのイギリス人リポーター同様、オリエンタリズムの観点からそう思っていただけなのでしょう。
少なくとも、このオリエンタリズムの様な軽薄な憧れから物事を語るのではなく、日本・日本人の観点から語ることを再認識させられる回でありました。
京都のS
2024年5月28日
感想フォームには書きましたが、別の観点でも書きたくなりました。以前、私は当サイトの「双系システムの成立過程を考察する」( https://aiko-sama.com/10589-2 )という4章立ての論考を掲載していただきました。
その論考では縄文人(※南方海洋民がマジョリティーを占めた中期)が家母長制だった可能性を書きました。採集生活を送っていた母系制の縄文人(女系血族集団・男は狩猟や漁労の成果を携えて来訪&妻問)は、やがて次々と流入する異民族(モンゴル系・トルコ系・江南系…)の影響を受けつつ、感慨土木などの力仕事が必要な水田稲作の定着を以って男権も復興し、そうして双系の村社会に至ったと結論しました。その後は日本も儒教の影響が強くなり、武士の時代を経たりして男尊女卑的になっていきますが、婿入りの慣習など母系制の名残はあります。これはシナ男系主義や小中華男系主義の国ではありえないことです。ゆえに皇室にあっても双系継承が正常です。10000年以上の縄文期を含めた死者のことを思えば、「死者の民主主義」において約150年(明治以降)の男系時代?の死者が勝てるはずがありません。
さて、「双系システムの成立過程を考察する」でテキストに使った『縄文人に学ぶ』(上田篤著)にはアメリカインディアン(ネイティブアメリカン)に触れた章があります。インディアン(母系社会)は変化を拒否し続けたためか、後に侵略してきたアングロサクソン(キリスト教系男尊女卑)が悪ど過ぎたためか、あっという間に滅ぼされました。生き残った先住民の集落が観光地化したという末路もモソ族と同じです。
アメリカ白人は高貴な野蛮人としてのインディアンを滅ぼした罪悪感を払拭するために同様の侵略を繰り返します(反復強迫)。幕末~大東亜戦争終結までの日本人を完膚なきまでに叩きのめした件も同様です。この辺りのことは「博愛と競合の間」シリーズ( https://aiko-sama.com/archives/35934 )に書きました。ご参照ください。