〈記事紹介・感想〉第17弾 森暢平成城大教授の警鐘(これでいいのか「旧宮家養子案」)

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森先生のこれでいいのか「旧宮家養子案」第17弾です。

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サンデー毎日:140年前より後退したニッポンの女性天皇議論 成城大教授・森暢平

 始まったばかりの皇位継承に関する各党各会派代表者会議が迷走中だ。142年前、明治初年の女性天皇議論と比較するとき、議論の貧困さは目を覆うばかりである。せめて、国民に開かれた侃々諤々(かんかんがくがく)のやり取りをしたらどうか。(一部敬称略)

と、今回も始まりました。
初めて読んだ感想は、

ここまで劣化するのか

です。

明治14年に「国会開設の勅諭」が出され、憲法議論が活発となる。
その中で「女帝を立つるの可否」と題した討論会が行われます。

女性天皇・女系天皇を支持する肥塚龍(こいづかりゅう)、『東京横浜毎日新聞』で筆を振るった島田三郎が熱い議論を交わし、その様子が新聞で公開されます。
森先生は

 立場が異なる者たちが、女性天皇・女系天皇について熱い議論を交わした。討論の内容は新聞で公開され、知識層を中心に広く読まれた。

と書かれています。(とてもうらやましいです)

そして敗戦後、男女平等を保障する日本国憲法が制定され、平成11年には「男女共同参画社会基本法」を制定。男尊女卑の時代からジェンダー平等をどうするかの議論が始る中、

 ところが、現在の国会における皇位継承議論では女性天皇・女系天皇はタブーとなっている。

「男尊女卑の風習をなくそう」と言えば圧倒的に「そうだ」という声が出るにもかかわらず、皇室だけは男系継承が残って、女性・女系天皇の議論すら行えない状況。男尊女卑の風習の為、明治から女性は皇位につけなくなりました。
森先生は、

 国民の権利義務と、天皇・皇族の権利義務は異なるから、ジェンダー平等の原理は皇室に適用されないという人がいる。愚論である。皇室の人権を擁護しなくて、どうして皇室を維持できようか。

と書いています。このままでは次世代の皇位継承者がいなくなるのは誰の目に見ても明らかで、皇室の皆さまだけ確実に男児が産まれるということもありません。下品な男系カルトは男系継承のために、

こんなことを言う始末です。皇室の皆さまの想いなど何も考えていない。この暴論と同じことを自民党以下有識者会議の2案を支持する党は皇室に悠仁さまに課そうとしています。まさに極左の意見。皇室を滅ぼそうとしているとしか考えられません。

そして「天皇制打倒」を掲げた歴史のある共産党が、一番安定的な皇位継承に近づく案を出しているという皮肉な状況。社会党の福島瑞穂党首は「男系血統が当然のように議論され、女性天皇が論点に出てこないのは異常ではないか」と述べ(発言はこちらから)まっとうな考え。
国会で女性・女系天皇の議論ができない異常事態です。

こんな状況では与野党協議も議論になりません。2回目の内容を森先生が書かれています。

 代表者会議は5月23日、第2回協議が行われた。立憲民主党の野田佳彦が、女性皇族の夫と子供を皇族としない案について、夫が政治活動をし、子どもがタレントにもなれるおかしな案であることを熱弁。自民党ほか他党は何も答えられなかった。保守派は結局、「歴史と伝統」しか論拠を持たないため、有効な反論ができないのである。明治期と異なり、そもそも議論になっていない。

国会議員は、いったい何をしたいのでしょうか。「有識者会議の2案」のおかしさは協議に入る前に素人もわかっています。どこまで劣化しているのでしょう。

結びに森先生は

 意見の隔たりが大きいうえ、強引な運営を図る衆院議長、額賀福志郎への反発が強く、週1回ペースの予定だった会議は、一度中断されることになった。通常国会の会期末(6月23日)までに再開されることはないだろう。会議は始まった途端、事実上、空中分解してしまった。

と書かれています。

第2回の与野党協議が終わって一週間経ちました。次回与野党協議は何も決まっていないようです。
森先生のおっしゃるように、国会の会期末まで再開しないのでしょう。

明治の女性天皇・女系天皇を支持する肥塚龍が何を主張したか。
本文より

「(天皇を男性に限ると考える)論者は、『男子を尊ぶのは日本では祖先から行われている慣習であって、慣習であればこそ廃止できない』と言う。これは保存すべき慣習と廃止すべき慣習を区別していない論である。ある学者の言に『慣習はなるべく残した方がよい。ただし良くない慣習は廃止しないといけない』とある。慣習を重んずるかどうかの基準は、新しいか古いかではなく、人々にどのような利害をもたらすかである。ただ古いものを尊ぶのは骨董家(こっとうか)である。論者よ、骨董家となるなかれ」(中央大教授・大川真の現代語訳を利用し、一部、改変省略した)

論者よ、骨董家となるなかれ

令和の国会議員は、いつになったら骨董家を卒業するのでしょうか。
皇室本当に終わっちゃうよ。そして安定的な皇位継承の答えは国民が出してますよ。

森先生の次回作を期待しています。

文責 愛子天皇への道サイト運営メンバー ふぇい

3 件のコメント

    くりんぐ

    2024年6月2日

    天皇は日本国の、日本国民統合の象徴です。
    その天皇に天皇のお子さまが「女」であるがゆえになれない、その子孫も皇位を継げないのどころか皇族にもなれないのは男尊女卑以外の何物でもありません。
    このままでは、天皇は「日本の男尊女卑の象徴」です。

    「ジェンダー平等」は秋篠宮家の信念でもあります。
    その信念を「ジェンダー平等の原理は皇室に適用されない」と踏みにじっておいて、当主の秋篠宮さま、秋篠宮さまのご教育を受けられた悠仁さまが望んで皇位を継いでくれると思えるなんて男系派のお花畑脳みそは酷すぎます。

    男子を産む為の側室が持てない一夫一妻の現代で、皇室を続けていくには、皇室に生まれてきてくださったお子さまが性別問わず皇位を継げる制度にする必要があります。

    どれだけ医療が発展しようと、新しい命を必ず授かれる方法が見つかることはなく、その命の性別を決める方法も無いのですから。

    それが平安時代よりもはっきりと分かっているのに、「光る君へ」の藤原道隆・伊周父子が中宮定子に「男子を産め」と罵ったように、男系派は今度は悠仁さまのご結婚相手に「男子を産め」と罵ろうとしています。

    明治どころか平安時代よりも退化しています。

    あしたのジョージ

    2024年5月30日

    野田佳彦議員でした。
    呼び捨てにしてすいませんでした。m(_ _)m

    あしたのジョージ

    2024年5月30日

    元々天皇制に反対な筈の共産党の方がまともな事を言っている、ねじれ現象というのか自民党やその他の党は、劣化の極みだと思います。
    立憲民主党の野田佳彦や馬淵澄夫議員ぐらいしか期待出来ませんが、何とか食い下がって頂きたいです。

    みんな認知症が始まっているんじゃないかなぁ〜🤔

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