立憲・野田代表 安定的皇位継承 憲法審査会で議論すべき 令和4年5月12日

Post's thumbnail

安定的皇位継承を巡る全体会議は、第一、第二、第三回と、立憲民主党はすべて馬淵議員が意見を述べていました。ここで、改めて立憲民主党の方針を現わしていると思われる野田代表の国会での発言をみてみます。

第208回国会 衆議院 憲法審査会 第12号 令和4年5月12日 議事録(021野田佳彦議員~)

○野田良彦委員 御指名、感謝を申し上げます。
 皇室制度に関わる有識者会議の報告書の検討が国会に委ねられています。まさに国家千年の計に関わる重要なテーマだと思うんですが、全く今、国会の中での議論は進んでおりません。強い危機感を持っておりますので、憲法とも密接に関わる重要なテーマだと思います、したがって、当憲法審査会においても討議すべきであるという立場から発言をさせていただきたいと思います。

 皇室典範特例法に対する附帯決議の主たる要請であった安定的な皇位継承を確保するための諸課題の検討は、報告書では、機は熟していないとして、先送りをされています。国会を軽視しているとともに、次世代皇位継承者がたったお一人しかいないことに対する危機感が足りません。

 皇族数の確保を図る具体策は二つ提案されていますが、いずれも憲法と関連づけた深い洞察に欠けています。その欠落した憲法的な視点を補うためにも憲法審査会における議論が必要であり、立法府の総意をまとめるための地ならしになると思います。

 二つの案の具体的な問題点を指摘したいと思います。
 まず、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案は、配偶者と子は皇族という特別な身分を有せず、一般国民としての権利義務を保持し続けるとしています。これがもし実現すれば、一つの家族の中に皇族と一般国民が同居するという不自然な形になってしまいます。
憲法第一章(天皇)と第三章(国民の権利及び義務)を家庭内で両立できるのでしょうか。
 女性皇族は、戸籍がなく、投票権もありません。言論や表現の自由は制限され、政治的発言やSNSの発信もできません。しかし、その夫と子は、言論や表現の自由、職業選択の自由などが認められ、SNSも活用していいし、政治的発言も自由です。夫は被選挙権もあるし、子はスカウトされてタレントになる可能性もあります。この不自然な家庭からはたくさんの不都合が噴き出すのではないかと懸念をしています。

 次に、七十五年前に皇籍離脱した旧宮家子孫の国民男性を養子縁組して皇族に復帰させるもう一つの案も、幾多の問題点がありますが、最大の問題は憲法違反の指摘があるということであります。
 国民の中にあまた存在する皇統に属する男系の男子の中から、旧宮家の子孫だけを養子縁組によって特権的に皇族の身分を与えるプランは、憲法第十四条が禁じた門地による差別に該当するという指摘であります。違憲の疑いのある制度では、到底、国民の理解を得ることはできません。

 以上のように、憲法を踏まえた深い洞察に欠ける報告書でありますので、立法府の総意を取りまとめるに当たり、憲法審査会における丁寧な議論の積み重ねが重要だと思います。

 小泉政権下の平成十七年十一月、皇室典範に関する有識者会議が報告書を取りまとめました。当時は、憲法調査会でも、平成十五年から十七年にかけて、小委員会も含めて計七回にわたり、天皇制に関する議論が行われました。
 そこで、まず、自民党の新藤(しんどう)幹事にお尋ねをしたいと思います。
 皇位の安定的な継承や皇族数の確保について、憲法との整合性という観点から憲法審査会で議論すべきだと私は思いますけれども、新藤幹事の御所見をお伺いしたいと思います。

○新藤義孝(しんどう よしたか委員 御質問ありがとうございます。
 大変重要な課題であって、野田委員は、かつて総理であった頃にこれに熱心に取り組んでおられたこと、これは私もよく承知をしております。
 その上で、現状の私の見解でございますが、まず、この問題は、岸田総理から衆参議長へ政府報告書が提出をされて、そして、議長は各会派代表者とともに、内容を政府から説明を聴取しているわけであります。両院議長の指示の下で、現在、各党各会派においてそれぞれ検討しておる、こういう状況がございます。ですから、まず国会におけるそうした正式の要請に基づいた議論が行われていて、その内容をやはりきちっと、ゆっくりと、しっかりと議論しなきゃいけない大切な問題であります。
 ですから、憲法審で議論する、そのことについてはどのように考えるべきか、これは、各党各会派の今行われている議論を見ながら、やはり慎重に検討していかなきゃならないのではないか、このように考えております。

○野田(佳)委員 ありがとうございます。
 各党で議論を深めることは当然だと思うんですけれども、どうしても憲法との絡みが多いので、例えば、養子縁組案を違憲だとおっしゃっている先生としては、東大の宍戸常寿先生もいらっしゃるんですね。そういう憲法学者の方をお招きして参考人としての質疑を行うということも私は大事なプロセスではないかと思いますが、この点については、例えば北側幹事はどうお考えでしょう。御賛同いただけますか。

○森英介会長 発言時間が終了しておりますので、ただいまの御提案につきましては、幹事会で協議をさせていただきます。

○野田(佳)委員 賛同かどうかだけでいいんですよ。
 ありがとうございました。

○北側一雄委員 公明党の北側でございます。
 今日は、石破委員から憲法九条について、そして野田委員から第一章、天皇制についての御所見を賜りまして、非常に、ああ、そういうふうにお考えになられているんだなということが改めてよく分かりました。それぞれの御意見についての私の所感については、また改めて述べたいと思います。
 今、野田先生からの御質問というのは、宍戸先生等の参考人を呼んだらどうなのかということですよね。これは是非、大事な大事なテーマでございますから、当然、有識者の意見を聞いていくということは意味のあることだと私は理解をしております。

小泉政権下の平成十七年十一月、皇室典範に関する有識者会議が報告書を取りまとめました。当時は、憲法調査会でも、平成十五年から十七年にかけて、小委員会も含めて計七回にわたり、天皇制に関する議論が行われました。
皇位の安定的な継承や皇族数の確保について、憲法との整合性という観点から憲法審査会で議論すべき

憲法審査会 憲法審査会は、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範(こうはん)かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査する機関です。 本審査会は、第167回国会の召集の日(平成19年8月7日)から、国会法第102条の6の規定に基づき「(衆議院に)設ける」とされています。

以上の発言は、令和の有識者会議の報告の二案(女性皇族の配偶者と子は国民、旧宮家養子案)には憲法上の疑義があるため、平成の有識者会議の報告のように憲法審査会でも議論せよ、と求めており、令和の有識者会議の皇族数の確保より前に、皇位の安定的な継承について言及していることから、平成の有識者会議=皇室典範に関する有識者会議の報告書に立ち戻ることを意図しているように思います。

野田代表は、自民党の麻生氏と同じく、全体会議には、これまですべて参加していたにも関わらず、発言はしてこられませんでした。

次回、第四回全体会議においては、平成の有識者会議が出した最適解・「幼少の頃から、将来の天皇として国民が期待を込めて成長を見守ることができるような安定性という意味で、出生順に順位が決まる長子優先が適当」すなわち
愛子さま立太子」を実現する議論の口火を切ってください。

「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ

1 件のコメント

    突撃一番

    2025年4月14日

    野田佳彦氏が指摘した、「同じ家庭内に皇族と国民が同居する」という状態が具体的にどれ程リスキーなのか、最もリアルに感じ取れるのは、やはり実際に子を育てる親御さん達だと思う。

    親子で別会計・別の身分・別の権利義務を強いるという事が一体、どれ程の弊害を生むのか、俺みたいなぼっち人間よりもリアルに想像出来る人達に是非、どんどん語ってほしい。

    あと、野田さんもいい加減、党内融和ばっかり気にしてないで、「女性天皇」「愛子天皇」と、ハッキリ打ち出してほしい。
    でないと社民・共産・沖縄の風に、追い越されるよ!!

    玄葉光一郎なんか、さっさと除名すりゃいいんだから。

コメントはこちらから

全ての項目に入力が必須となります。メールアドレスはサイト上には表示されません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。