安定的皇位継承について朝日新聞は、さらにもう一つ、令和の有識者会議ヒアリングで意見を述べた笠原英彦・慶応大名誉教授(日本政治史)へのインタビュー記事を出しています。
「なぜ男系男子なのか」 皇族数確保の議論を懸念する大学教授の提案【朝日新聞】
笠原氏の答えを二つ、引用させていただきます。
(女性皇族の配偶者と子の身分について)
「女性皇族の配偶者や子を皇族とすることへの反対があるのは、母親つまり女系で天皇家とつながる子が皇位継承権を持てば、女系天皇への道を開くことにつながると警戒しているためです。一つの案として、上皇后美智子さまや皇后雅子さまのように、皇族の身分を持って皇室の活動に参加するが皇位継承権はない、という形が考えられます」
女性皇族の配偶者の方は「皇族の身分を持って皇室の活動に参加するが皇位継承権はない」。男性皇族の配偶者となられた方々の例に倣って、非常に分かりやすくすっきりとした形です。(そして当然、女系天皇への道を開くことにもつながります)
(養子案について)
「憲法14条の『門地(もんち)による差別』にあたるおそれがある、と考えざるを得ません。皇統に属する男系男子で皇籍を離脱した者は、戦後だけでなく戦前にもいました。このなかで戦後の離脱者とその子孫だけを養子にして皇室入りできるようにすることには、憲法上の問題が生じかねません」
養子案は「憲法14条の『門地(もんち)による差別』にあたる」「憲法上の問題が生じかねません」。同じく令和の有識者会議ヒアリングで意見を述べた憲法学者・宍戸氏と大石氏と同じ考え方ですね。
「なぜ男系男子なのか。」と帯に書かれた「皇室典範―明治の起草の攻防から 現代の皇位継承問題まで」という笠原氏の新書は未読なので、まだ真意は測りかねますが、令和の有識者会議ヒアリングにおいて、これで3人もの識者が疑義を呈していると判明した養子案が全体会議の論点に入ってしまっているのは、まことに奇異なることであるのは、間違いありません。
昨日5月5日と本日5月6日にかけて、3つもの記事を報じて安定的皇位継承への関心を喚起した朝日新聞に、意見をお送りしたいと思います。
「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ
2 件のコメント
daigo
2025年5月6日
天皇というお立場に男女の違いはありません。歴史から学ぶと女性天皇は8人10代も誕生したんですから、男系男子絶対でなければならない理由がない。
SSKA
2025年5月6日
>皇統に属する男系男子で皇籍を離脱した者は、戦後だけでなく戦前にもいました。このなかで戦後の離脱者とその子孫だけを養子にして皇室入りできるようにすることには、憲法上の問題が生じかねません
神武天皇を理由とするくせに旧宮家のみ特別視する理由について不明確、不徹底なのも男系派が真面目に考えていない証拠です。
男系主義により国民の平等原則(14条)を無視すれば、実際面においても旧皇族子孫や他の皇統子孫との間で優劣を争ったり混乱を招く恐れが生じるのを何故理解出来ないのでしょう。
本来国民の中に自然に生じるはずの血統への信任(その逆の不信任も)を蔑ろにして、政府の決定が権威の上でも皇室の意思に勝ると錯覚しているのなら本末転倒です。