宮内庁長官が、またも踏み込んだ発言をしたことを毎日新聞が報じています。
皇族数確保の意見集約見送り 宮内庁長官「議論しっかり進めて」【毎日新聞】
安定的な皇位継承に向けた皇族数確保策の与野党協議について、今国会での意見集約が見送られる見通しを受け、宮内庁の西村泰彦長官は12日、定例記者会見で「宮内庁としてはコメントすべき立場にないが、皇族方の減少は大きな課題であり、それを踏まえた議論はしっかりと進めていただきたい」と述べた。
5月の会見においても「皇室の皆さま方の活動は日本国民にとってかけがえないもの。それが減っていくというのは日本国民にとって大変不幸なことであると思う」と述べた宮内庁長官。
昨日11日は、「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」(会長・麻生太郎最高顧問)において、胡乱な報告が多数なされていました。
実は宮内庁長官は「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」の初会合の直後にも踏み込んだ発言をしています。
「安定的皇位継承に課題」 宮内庁長官、改めて認識【産経新聞】2023年・令和5年11月22日
「現時点の皇室全体を見渡すと、安定的な皇位継承という観点からは課題がある。皇族数の減少は皇室の活動との関連で課題がある」との認識を(宮内庁長官は)改めて示した。
自民党は17日に総裁直轄の新組織「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」の初会合を開いた。政府の有識者会議は令和3年12月、①女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保有②養子縁組による旧皇族男系男子の皇族復帰―の2案の検討を求める報告書を答申しており、自民の懇談会は2案を踏まえながら議論する。結論を出す時期は定めなかった。
西村氏は会見で「要望があれば説明に伺う」と述べた。現時点では要望は届いていないとした。
「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」は、2023年・令和5年10月23日に当時の岸田首相が所信表明演説の「結び・(憲法改正・皇位継承)」において、「「立法府の総意」が早期に取りまとめられるよう、国会における積極的な議論が行われることを期待します。」と述べ、10月30日に衆院予算委員会で「自民党としても、このテーマは喫緊の重要な課題であるということから、議論に貢献をすることを形として示すためにも、党内に総裁直属のこうした会議体を設けたということであります。」と述べたところに由来します。
2023年・令和5年10月23日 岸田首相 所信表明演説「結び・(憲法改正・皇位継承)」
また、安定的な皇位継承を確保するための諸課題等、とりわけ、皇族数の減少への対応も、国の基本に関わる重要な課題です。政府としても、このような認識の下、皇族数確保のための具体的方策等を取りまとめ、国会に御報告いたしました。この重要な課題についても、「立法府の総意」が早期に取りまとめられるよう、国会における積極的な議論が行われることを期待します。
2023年・令和5年10月30日 衆院予算委員会 257
○岸田内閣総理大臣 天皇の退位に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議で示された課題について、委員の方から今御紹介がありましたように、政府としては、令和三年十二月に取りまとめられた有識者会議の報告書を尊重するとともに、昨年一月、私から衆参両院議長に報告を行ったところです。
当然、国会において議論が進むことを期待したわけですが、御指摘のように、その後、議論が進んでこなかった。それに対して、自民党としても、このテーマは喫緊の重要な課題であるということから、議論に貢献をすることを形として示すためにも、党内に総裁直属のこうした会議体を設けたということであります。
是非、各党とも、喫緊の課題であるという強い認識を持って議論に参加していただきたいと思いますし、自民党も貢献をしていきたいと強く思っております。
首相、皇位継承策「喫緊の重要な課題」 議論にアクセル【産経新聞】
天皇陛下の御意向に沿わないまま、宮内庁長官が踏み込んだ発言をすることはあり得ません。
「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」初会合の直後に、「現時点の皇室全体を見渡すと、安定的な皇位継承という観点からは課題がある。皇族数の減少は皇室の活動との関連で課題がある」「要望があれば説明に伺う」と述べたということは、自民の懇談会は2案を踏まえながら議論することは、御意向に沿っていないということ。
①女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保有 という立法府の総意に至っていた合意案さえも拒否し、
②養子縁組による旧皇族男系男子の皇族復帰 という憲法上の疑義のある案を押し進めようとして
今国会での意見集約を見送るという、前代未聞の今回のちゃぶ台返しもまた、
御意向に沿ったものではないことは明らかです。
「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ
6 件のコメント
すぅいーと ぽて子
2025年6月15日
新聞記事を紹介してくださり、ありがとうございます!
11日の「政権与党としての危機感を欠いているのではないか」と自民党を批判する社説の感想と合わせて、毎日新聞に意見を送りました。
宮内庁長官のご発言は、天皇陛下の御意向をお伝えしてくださっているのだと思います。
たみちゃん
2025年6月13日
記事のご紹介ありがとうございます。毎日新聞に意見投稿させて頂きました。読売提言と宮内庁長官の声明を無視し続ける自民党。陛下を蔑ろにする事は許されません。
ダダ
2025年6月13日
毎日新聞に意見投稿しました(`・ω・´)ゞ
***
山田奈緒様
お世話になります。
5月12日の記事 皇族数確保の意見集約見送り 宮内庁長官「議論しっかり進めて」 を読みました。
記事にして頂き、ありがとうございました。
西村宮内庁長官がいまだに「宮内庁としてはコメントすべき立場にない」と仰っているのが歯痒いです。
「皇族方の減少は大きな課題であり、それを踏まえた議論はしっかりと進めていただきたい」では、政府の暴走を牽制するメッセージとして弱いです。
先日、国民民主党の玉木代表が山尾氏を使い捨てたことが批難されています。男系男子継承を主張する輩は、例外なく男尊女卑感情を持っています。
自民党案も男尊女卑にまみれています。公に資することのないに対して、宮内庁はコメントすべきではないでしょうか。
与野党協議は先行き不透明ですが、定例記者会見を通して政府に圧力をかけ続けることはできます。
定例記者会見では、引き続き皇統問題を質して頂きたいです。
くりんぐ
2025年6月12日
天皇陛下のご意向を無視する自民党への、西村長官の怒りが伝わってきます。
ありんこ
2025年6月12日
皇室会議案のめば立民だって一応旧宮家案呑んだらしいのにね。一応尊皇心あってお言葉と決定には従う保守右派だっていうメンツだって保てたのにね。自覚ある逆賊ってバレちゃったじゃないの。情けないね。
SSKA
2025年6月12日
現在、麻生の爺さんはルビコン川を渡ってしまった印象です。
あれ程の地位にいる政治家にしてはなりふり構わずさもしいやり口だと思います。
国の誇りどころか男の卑小さを自身で包み隠さずアピールして身を滅ぼす以外道が無いのが男系主義なのでしょう。