【論破祭り】外伝 「ブレーキ役」4人の発言について考える(前編)

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敵兵を論破するのも良いですが、ここでは少し趣向を変えてみます。あの番組で竹田らへの「ブレーキ役」をした4人の発言(の要旨)を振り返り、評価すべき所・批判すべき所を見ていきましょう。(なお、カレーせんべい氏の文字起こしを参考にしました)

1.笠井信輔氏
2000年も男系男子が続いてきた理由の一つは、明治以前に側室制度があったからだと思う。126代のうち、半分ぐらいは、側室のお子さんが即位している。
ただ現代で側室制度は、認められない。側室制度が失われた前提で、方策を考えるべきだ。

(『旧皇族』の内)80歳以上の方は、お子さんの頃、皇族として生活されていたのだろう。一方、より若い世代は、もうほとんど一般人として生活している。一般社会にいる方が、皇室に入ってくるということに関しては、やはり疑念が拭えない。例えば「竹田さんが皇族になる」場合に、ざわつきが起こる。そう考えると(旧宮家案を)素直に認めるのは難しい。

(笠井氏へ)
 側室+男系継承=1セットの両翼で、片翼のままでは墜落する・・・そんな基本を押さえており、好感が持てます。現代では、歴史を振り返り、合理的に考えるという思考がますます困難になっていますから・・・・。
 また、旧宮家復帰案に対しては「旧宮家系一般人の参入」が難しい事、同意します。果たして国民的コンセンサスが得られるのか?というのは、最低限の想像力でしょう。欲を言えば、我々の唱える3大ハードル「旧宮家系の復帰候補、その人を養子にする皇族、憲法違反の疑い」まで言及して下されば、論理的にパーフェクトです。

2.宮家邦彦氏
実は私の祖先は、武士と喧嘩した後鳥羽上皇である。(竹田氏・江森氏)両方の言い分は分かった。だが王朝がどうあるべきのか、皇室がどうあるべきなのか、それは最終的には国民全体で決める事だ。

長子優先の場合も、今の法律に従って、やっていくのは当然の事。だが、途中で行き詰る時があるかもしれない。その時に行われた改革・変化の内容が、もし国民に受け入れられなかったらば、それで王朝は終わってしまう。それを踏まえると「皇統」ももちろん大事だが、もっと大事なのは「国民」だと思う。

(宮家氏へ)
男系万歳でこそないものの、彼は「国民主権病」の患者です。憲法の最初に「天皇」条項がある意味を、もう一度考えて欲しいです。価値相対主義的な考えにより、結論を出さず「将来の国民議論」に逃げるのは、結果として皇族方を苦しめてしまいます。結論は出ている問題なので、現行法に拘らずに、「具体的にどう変えれば、国民に受け入れられるか?」という方針を持ちましょう。

3.江森敬治氏
現在の皇位継承第1位は秋篠宮様で、第2位は悠仁様。愛子さまを含めた議論は、まだこれから。

ここで考えるべきは、今の皇室の制度、環境というものがどうだろうか?という事。
ポイントは「皇族である前に、一人の人間である」という所。息苦しかったり、何かやりたいことがなかなかできないとか、そういったところがもしあったら、それはやはり今のこの時代にそぐわない部分も出てくるのでは?男系男子というのは大切かもしれないが、やその中に暮らしている方々が今どうお考えなのか、今の皇室の現状ということを踏まえて議論すべき。

(旧宮家復帰案は)「国民感情からみれば現状では厳しいのではないか」
現状だと色んな意見がある。(復帰に)国民の理解と支持というのがどこまで広がるか、というところが問題。

(江森氏へ)
陛下も皇族方も、血の通った生身の存在です。そうして「人格を尊重した敬意」を払う事は、重要な事です。歴代陛下が「主体的な行動」で、旧弊を刷新していった歴史も、共に思い起こしましょう。
旧宮家案については、笠井氏と同じ視座に立っています。ただ、以上のお三方に共通するのは「国民感情の考慮」です。それも重要な一要素ですが、時間が切迫している以上、もう少し踏み込んで欲しいです。具体的な法制度・改正案、歴代皇族方の苦難への反省、皇族方の負荷軽減、女性天皇登場時に、何が起こりうるか・・・など。

彼らはブレーキ役ではありますが「ストッパー」とは言えません。この論破祭りを盛り上げ、世論の中に強力な「ストッパー」を育てたいです。後編では、古舘伊知郎氏を取り上げます。

福島県 殉教@中立派

3 件のコメント

    ただし

    2022年8月17日

     強力な世論を作り上げて、政治家が動きやすいようにしたいですね! そのためにも続けましょう、ボーカルマジョリティーーッ!

    京都のS

    2022年8月16日

     男尊派の日テレ系の、しかも男系派の巣窟みたいな番組で、暴走する男系派へのブレーキ役として可能な限りやってくれた気がしました。ブレーキ役の着地点が国民の理解と支持が大事という部分なら、世論(の精髄としての公論)の核となる公論サポーターズの役割が、いよいよ大きくなってきた感があります。

    基礎医学研究者

    2022年8月15日

    興味深く読ませていただきました。「ブレーキ役」4人に焦点を当てたのが、斬新でございましたね(^_^)。「論破」とは少し異なりますが、建設的と思った次第です。笠井氏については、個人的には闘病を乗り越えてから、一皮むけた気が、私見では致します。発言に重みがあったのではないかと。江森氏は、さすが秋篠宮さまを直に取材しただけあって、身近な問題として「皇統問題」を引きつけられている感じがしますかね。宮家氏については、たしかに殉教さんの言われる「国民主権病」というのはいい得て妙で、もうひといきという感じですね。で、確かに「時間がない!」という感覚が我々レベルで共有されているかはいまいち測れないところがありますが、この方々のような感覚ならば、いまそこにある危機である「皇位の存続問題」を議論できる!と、私見では思います。
    後半線に、期待致します。

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