遅ればせながら、私も新聞社に、施光恒氏コラムの感想を送りました。
8月29日付の御社WEB記事「施光恒の一筆両断 愛子天皇待望論の危うさ」を拝読しました。今回は、その感想文を送ります。
産経新聞社様には、今年6月25日紙面で、ゆうネット発の意見広告を掲載していただいた恩義があります。また、ウクライナ戦争を巡る考察・レポートにも、ハッキリした論調により、頼もしさを覚えます。・・ですが、先述の施光恒氏の文章には、大いに落胆を覚えました。
私は皇位継承問題に於いては、上皇陛下が、生前退位に関するビデオメッセージで示された「象徴天皇の務めが、常に途切れることなく、安定的に続いていくこと」を、ただただ叶えてあげたいと願う立場です。そして、現時点でその為に現実的な方法は、皇室典範の改正、女性宮家の設立、愛子皇太子の実現が欠かせないと考えています。
一方の施光恒氏には、「象徴天皇を、途切れなく安定させる」事に対して、一体何を考えているのだろうと、首をかしげました。仮に「男系が大原則」「旧宮家の皇籍復帰」という、彼の意見が正しいとしても・・憲法で保障された基本的人権を捨ててまで「皇族に戻りたい!」と言う候補者はおりませんし、いたとしても、憲法14条「門地によって差別されない」に違反する可能性は、拭いきれないと思います。国民の余計な分断を招かず、皇室を存続させるという部分は、彼に同意できますが・・・現実を見たうえで、もっと具体的に考えて欲しいと思いました。
「国民の間に大きな分断を生じさせるだろう」という部分にも、現在まで複数回行われた世論調査の結果(女性の天皇がいてもいいという意見が、回答者の7〜8割)と比べると、非現実的な推測に思えます。施光恒氏は、日本の世間について考察した事がありますが・・今回は本人が、自分自身の属している「男系男子の世間」から、一歩も出られないように感じました。易姓革命のくだりも、天皇に「姓」が無い時点で、実現しようがありませんし・・・。
以前、ゆうネット発の意見広告を掲載していただいたときにも、同じ感想を送りましたが・・・皇室問題について「両論併記」することは、御社の方針では可能でしょうか。御社は昔から、男系男子万歳派の言論人ばかりを、重用してきたふしがありますので。そうした指針を貫くのも、商売上は一つの手でしょうが・・・いくら問題提起のためとはいえ、現在の世論と激しく解離した上に、非現実的なアイディアをそのまま載せるのは、新聞のチェック機能が不全だと感じます。ゆうネット発の意見広告のときは、将来世代に安定的な国を残そう!と意識していましたが・・・皇室もまた、そうした未来の為に必要なものです。御社と施光恒氏は、皇室の意義をどう考えているのか、首をかしげます。主体性を奪ったロボットだというなら、それは極左の発想でさえあります。商売の顧客を失いたくないという気持ちも分かりますが、そのために保守の何たるかを見失わぬよう、もう一度考えて欲しいと思います。
福島県 殉教@中立派
産経新聞
u-service@sankei.co.jp (東京)
o-dokusha@sankei.co.jp (大阪)
1 件のコメント
基礎医学研究者
2022年9月2日
(産経新聞の編集者になった気分で)興味深く読ませていただきました。まず、殉教さんのような産経新聞の功績にも配慮できるバランスを持つ読者でさえも、今回の施氏の記事には掲載批判的コメントをせざるを得ない、ということを、心して見るべきなのでは?と思います。そして、さらに「皇室問題について「両論併記」することは、御社の方針では可能でしょうか」という建設的な提案もされているので、これをどう考えるのでしょうね?実際のところ、現在どのくらいの意見・コメントが産経新聞に寄せられているかはわかりませんが、「愛子天皇への道サイト」に寄せられている、かなり”本気”の意見コメントと、自分たちの気持ち・こだわりで送られているであろう”賛同コメントについて(こういう方々は誹謗・中傷以外のしっかりした意見コメントが送れるのか(その気力があるのか)どうかは疑問ですが)、是非比較して塾考していてほしい、と思う次第でございます。