高森明勅先生による動画「皇位の安定継承をめぐる「雑音」を整理する」シリーズの紹介です。

全10回シリーズの第3回です。
テーマ：｢男系男子」が正統性の根拠なら足利義満にも皇位継承資格があった

※空欄（○○）は動画を見てご確認ください。

雑音：足利義満は皇位の簒奪を狙って皇族の真似をしていた

そういう説もあったが、○○で完全に否定されている。足利義満は○○(男系)男子であるが皇位の継承資格はなかった。

雑音：皇位は神武天皇のY染色体論が受け継がれている男系男子が継ぐものだ

10代8方の○○天皇にはY染色体はない。たとえ「中継」であったとしても(これは別の機会に述べる)皇位についていたのは間違いないが、これをどう説明するのか？論理的に整合性とれていない。荒唐無稽。

疑問：男系男子であれば全員に皇位継承の資格があるとすれば、足利義満も平将門も男系男子であり、Y染色体もっているが、皇位につく資格があったか？

○○○○制の無い時代は皇族は4世までとされていた。○○○○がないと皇族と認められなかった。男系派は○○○○制を過去に遡って投影している！男系男子であれば皇位を継承できるという考え方は皇族の範囲を無限に広げ、万世一系にとって忌むべきこと！男系男子が全てOKなら○○が起きていた？！

答えは12分のショート動画で！

｢男系男子」が正統性の根拠なら足利義満にも皇位継承資格があった
https://www.nicovideo.jp/watch/so41923176

要約：BATA

ラインナップ
①悠仁親王殿下のご誕生で｢皇室の危機」は去ったのか？
②歴史上の側室は無意味だったのか？
③｢男系男子」が正統性の根拠なら足利義満にも皇位継承資格があった
④旧宮家の血縁の遠さと戦前・戦後の出来事
⑤旧宮家当事者の意思表明
⑥旧宮家プランは違憲で婚姻による皇籍取得が合憲の理由
⑦天照大神が皇室の祖先神であることの意味
⑧現在の皇位継承順序をゆるがせにしてはならないか？
⑨敬宮殿下のお気持ちとは？
⑩無理でムチャなルールからより安定的なルールへの転換が求められている

＜動画中の参考文献＞

室町の王権　足利義満の王権簒奪計画　今谷明 著　（1990）
https://www.chuko.co.jp/shinsho/1990/07/100978.html
強大なカリスマ性をもって、絶対主義政策・中央集権化を支持する官僚・公家・寺社勢力を操り、武家の身で天皇制度の改廃に着手した室町将軍足利義満は、祭祀権・叙任権などの諸権力を我が物にして対外的に〈国王〉の地位を得たが、その死によって天皇権力簒奪計画は挫折する。天皇制度の分岐点ともいうべき応永の時代に君臨した義満と、これに対抗した有力守護グループのせめぎあいの中に、天皇家存続の謎を解く鍵を模索する。

足利義満 　公武に君臨した室町将軍　小川剛生 著　（2012）
https://www.chuko.co.jp/shinsho/2012/08/102179.html
公家社会と深く交わるなかで王朝文化に精通し、明国の皇帝には日本国王の称号を授与され、死後、朝廷から太上天皇の尊号を宣下される――。三代将軍足利義満の治世はしばしば「皇位簒奪」「屈辱外交」という悪評とともに語られる。だが、強大な権力、多様な事績に彩られた生涯の全貌は、いまだ明らかにはなっていない。本書では、新史料にも光を当て、公武に君臨した唯一無二の将軍の足跡をたどる。