倉山満の記事について。L.Kさんより

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こちらのブログの記事について

公論サポーターメーリスより、L.Kさんの投稿をご紹介します。
以下本文

東海支部のL.Kです。

笹先生が言及されていたSPA!倉山満のコラムを読んでみましたが、まあいつもながら酷いですね。

「最も大事な大枠が、皇統に属しない男子(つまり民間人)を皇室に入れたことは一度も無いことだ。」
という部分が最も言いたいことなのでしょうが、結局、近代以前までは女性も同じなんでしょ、と。
男性も女性も、皇族と同等以上の待遇を受けることはあっても、皇族として組み入れられはしなかったんでしょ、と。

倉山が示している諸々の事例を総合すれば、そうとしかいえないはずなのですが、

●女性に関しては「皇族になった事実は無いけど皇族のような待遇は受けてきた」と言い、
男性に関しては「皇族のような待遇を受けてきたけど皇族になった事実は無い」と前後を逆に説明することで、
あたかも男性だけが排除されていたかのように見せかけ、
●「皇族に准じる権威」「高貴な身分の人」「准皇族」等と、「実質0円」みたいな言葉を濫用して
「皇族」と「皇族並みの待遇を受けた者」の境界を曖昧にし、
●合間に、「天皇と結婚すれば<<即座に>>皇族になれたか」や
「この(=天皇の妻の)全員が皇族の訳はない」といった
結婚すれば皇族になることが前提とした記述を織り交ぜることで、
近代以前にも結婚して皇族となった女性がいたかのような印象を植え付ける

という、詭弁のお手本のような論法で読者を攪乱しています。
「准」という言葉を倉山は多用しますが、本質を誤魔化したい詭弁家にとってはありがたい言葉ですね。

そもそも、倉山は単純に言葉遣いがおかしい。

美智子さま、紀子さまのことを皇太后陛下、東宮妃殿下と記していますが、
いうまでもなく、皇太后陛下ではなく上皇后陛下、東宮妃殿下ではなく秋篠宮妃殿下(あるいは、秋篠宮皇嗣妃殿下)です

また、「愛子殿下や佳子殿下は(中略)皇女だ。」と書いていますが、皇女とは天皇の娘を指します。
従って、現在皇女と呼ばれるお立場なのは愛子さまのみです。

これらはただ誤用しているのではなく、自説を正しいように見せかけるための印象操作であることは明白です。
紀子さまを東宮妃殿下と記すのは、秋篠宮さまを皇太子(皇太弟)であると誤解させ、
秋篠宮さまへの継承を既成事実化させようという魂胆でしょうし、
佳子さままで「皇女」に括るのは、直系・傍系の違いを曖昧にさせたいからでしょう。

「上皇后」という(「立皇嗣の礼」と同様に)歴史上かつてなかった言葉を使いたくないのは、
気持ちとしては分からなくもありません。
しかし、既に正式に定められ、一般に定着している以上、その称号でお呼びするのが
現代に生きる社会人としての常識であるし、ご本人への礼儀でしょう。
物書きとしてその分野を一般に伝える者ならば尚更です。

歴史通ぶって、意味も無く耳慣れない呼び方をするのは、幼児じみた独りよがりなこだわりというほかありません。
見出しにもある「時代に合わせて」の意識は、一体どこに行ったのでしょうね。
(念のため断っておきますが、政府の定義と異なる認識が勝手に流布されている「旧皇族」とは、状況は全く異なります。)

そして、そこまで知識マウントを取っておいて、愛子さまのことは
「敬宮殿下」と御称号で記さないのも、逆に不自然さが際立ちます。

おそらく、そうお呼びしてしまうと直系と傍系の違いがさらに鮮明になってしまうからでしょう。

ここまで恣意的な言葉の誤用や詭弁を弄するのは、現実が倉山にとって都合が悪いからに他なりません。
秋篠宮さまが皇太子(皇太弟)の称号を辞退されたことの重みが、倉山によって却って強調されているのは皮肉なことです。

しかし、問題はそれだけではありません。
正式な呼称も、秋篠宮さまの「秋篠宮」という名前を大切にしたいという思いも無視して、
倉山は皇太弟だの東宮だのと祭り上げているのです。
自分が「治天の君」にでもなった気でいるのか?とんでもない傲慢さです。

「天皇・皇族に人権は無い」と言ったり、悠仁さまを種馬扱いしたりと、
皇室の方々の尊厳を貶める態度は目に余ります。

(倉山は、悠仁さまを種馬扱いしているという認識を動画ではっきり認め、
「(皇室とは)そういう世界なわけですからね。」と開き直っています。
下記動画の17分29秒から。
https://youtu.be/gP9fNIIN6CU?t=1049
文字起こしは下記ブログ参照(該当部分は背景黒で強調)。
https://aiko-sama.com/archives/27284

このように、論理的にも人道的にも、良識や誠実さが致命的に欠落した倉山の文章は、信用に値しません。
皇統問題以外の主張については深く知りませんが、率直に言って、読む気にもなりません。

言葉の乱れは、秩序の乱れにつながります。
仮にも言葉を武器とする出版社が、こんな言葉を公に晒して平気なのか?
編集部に問いたいです。

ナビゲーション 愛子天皇への道サイト運営メンバー ふぇい

6 件のコメント

    L.K

    2023年8月30日

    >>mantokunさん
    お読みいただきありがとうございます。
    ホントだ!web版ではそこ「だけ」は直っていますね。
    倉山が自分から直すとは思えないので、さすがに編集部も言葉のおかしさに気付いたか。
    ただそれなら「皇太后陛下」には気付かなかったんかい!とも思いますが(^^;)

    倉山は、秋篠宮さまのことを毎回「皇太弟」等と呼んで誤解を広めています。
    「過去の事例から見れば皇太弟と呼ぶのが正しいんだい!」と時代感覚がぶっ飛んだ言い訳を立てながら、
    秋篠宮さまへの継承が既定路線だと印象操作したい魂胆がミエミエです。

    『決定版(笑) 皇室論』では、「大原則」の一つに
    「日本国憲法の条文と通説の範囲内で論じる」
    などと一見もっともらしいことを書いています。が、
    実際やっているのは勝手な伝統観に合わせて憲法解釈を曲解させているだけですからね。
    挙げ句の果ては、「天皇・皇族に人権はない」と。

    これで信用しろという方が無理というもんです。

    L.K

    2023年8月29日

    >>基礎医さん
    ありがとうございます!
    私からもSPA!に送ってみようと思います。

    mantokun

    2023年8月29日

    L.K.さんの文章、いつもながら論理がしっかりされていて、感情的ではないのに心が籠っており、一見単に知識自慢に終始しているように見える倉山の文章が、いかに悪質な意図が込められているものであるかがよく理解できました。

    ところでL.K.さんが元の文章を抜き出しておられたので気づいたのですが、冊子版では紀子様のことが「東宮妃殿下」と記載されているのですね。私が見たYahooニュース版では「皇嗣妃殿下」になっているので、ネット公開にあたりSPA!編集部か倉山自身が修正したのでしょうか。

    秋篠宮様のお立場の名称は「皇嗣」であり、皇太子は現在不在であって、紀子様を「東宮妃」と記すのは明白に事実に反するので、さすがにどこかから指摘されたのかもしれません。(百歩譲って、皇太后と上皇后はほぼ同義だと言い逃れられる余地がありますが)

    というか、普通は皇太子妃、内親王と記すべきところを、倉山はいちいち東宮妃とか皇女とか古風な名称を使いたがるんですよね。私はただ倉山が知識マウントを取りたがっているだけかと思っていたのですが、L.K.さんが「自説を正しいように見せかけるための印象操作」と喝破されているのを見て、ようやく意図に気づきました。わざとあまり知られていない用語を使って、知識マウントを取りつつ、無知で不勉強な国会議員をたぶらかしてるんでしょう。それで、長島昭久みたいな議員がものの見事にひっかかっているわけです。

    倉山はもはや憲政史家でも皇室研究者でもなく、皇統断絶を目論む運動家に堕していますね。
    本当に皇室を大事に思い、秋篠宮殿下への継承を実現したいなら、ネットや雑誌が無責任に煽る秋篠宮ご一家へのバッシングを批判し、佳子様のお辛い境遇を思いやる記事の一つも書いたらどうなのかと思います。

    基礎医学研究者

    2023年8月29日

    L.Kさん
    mantokunさんとは別に、これは内容そのものをしっかり解釈しなおし、その論理的矛盾、言葉の定義の誤用(しかも、誤解するように意図的にミスリードした可能性もある)を指摘した重要な論考かと思います。自分、これはSPA!編集部に直接伝えたほうが良いと思いましたので、Xでポストしました。
    https://twitter.com/gosenkansai/status/1696466399026348405
    今回は、特にSPA!編集部には、読者に対する「編集責任」というものを考えてほしいですね。

    L.K

    2023年8月29日

    >>サトルさん
    お読みいただきありがとうございます(^^)
    ライジングコメ欄の方も拝見させていただきました。

    笹先生の先日のブログの他、「愛子天皇への道」にサトルさんをはじめ皆さんが寄せられたコメントも読んだことで、理解の助けになりました。

    倉山の、恣意的な言葉遣いや牽強付会な論理展開には、前々から呆れかえっていたところだったので、この機会に倉山の詭弁家ぶりを暴いてやりたいと思って書きました。

    サトル

    2023年8月29日

    ライジングコメント欄にも記載しましたが、「見事!」の一言に尽きます。

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