カザフ騎馬遊牧民(西の果ての親戚)からの教え

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 10月28日(土)放送の「世界ふしぎ発見」(TBS)は「カザフスタン・黄金人間と青いガラスの女王」というタイトルでした。カザフには日本人に近い顔立ちの人が多く、伝統楽器ドンブラは琵琶のルーツとも言われています。カザフを中継点として黒海周辺からモンゴル・満州までを繋ぐ「草原の道」と呼ばれる一帯に、約3000年前に騎馬遊牧民のサカ族(スキタイやキンメリアを含む)が存在し、サカ族の女王トミュリスは大国ペルシャとも勇敢に戦ったそうです。太陽を信仰するサカ族の王の古墳からは黄金の装飾品が大量に出土しましたが、黄金は太陽の象徴だからだとされます。また彼らが 「神の使い」や「太陽の象徴」と呼ぶ動物は鹿であり、角が生え替わる様子から「再生復活の象徴」と見られたからです。つまり騎馬遊牧民サカ族が最も大切にした動物は馬と鹿です。

 サカ族王の古墳からは黄金と共に青いガラス玉の装飾品も出土しますが、これと全く同様のものが日本でも発見されています。福岡県糸島市にある平原遺跡から出たガラス連玉(国宝)です。元素分析によればガラス玉の産地はエジプト周辺と判明しており、「草原の道」を通って日本まで来たようです。平原遺跡は『魏志倭人伝』に記述の有る伊都国の女王の墓だとされ、副葬品として占いに使ったと思われる割れた鏡も出土しましたが、これについては、女王の呪力が強すぎたために復活を恐れた誰かが割ったと考える研究者もいます。年代的には卑弥呼より50年ほど古いようで、もし邪馬台国北九州説に立って卑弥呼=天照大御神とするなら、伊都国女王=伊耶那美命となり、鏡を割ったのは夫(伊耶那岐命)となりましょうか。

 それでは、上記のサカ族と日本人の共通点を整理してみましょう。

①太陽を信仰する。
②女王を戴く。
③顔立ちが似ている。
④似た楽器が伝わっている。
⑤馬と鹿を間違ってはならない(そんな奴はバカ)。

 拙文双系システム(日本の伝統的な家族形態)の成立過程を考察する(承)では縄文期に列島へ渡来・帰化した人々を分類しましたが、3番目に渡来したヒナ族(モンゴル型・蝦夷の祖先)には「草原の道」で交流した中央アジア(トルコ)系のサカ族も混じっていたと思われます。つまり我々は今、

西の果ての親戚(サカ族)からも「愛子天皇を戴くべし」と教えられているのです

 ちなみに「イースター島民(東の果ての親戚)からの教え」( https://aiko-sama.com/archives/29840 )ではコシ族(南方海洋民型)に触れました。

文責 京都のS

2 件のコメント

    京都のS

    2024年1月4日

     「VIVANT」(TBS)再放送を観ました。なるほど、「世界ふしぎ発見」(TBS)がカザフを採り上げた理由が分かった気がしました。
     「VIVANT」はモンゴル・ロシア・ウイグル(中華圏)・カザフに囲まれたバルカ共和国(架空の国)が舞台だからだったからです。国際テロ組織「テント」と自衛隊内に設置された諜報部「別班」と公安外事課による三つ巴の抗争を描くドラマでした。この「別班」という存在は、そもそも自衛隊法が憲法9条下では違憲立法である点を置くとして、その設置には自衛隊法の大幅な改正が不可欠だと思われます。違憲・違法の組織なら、かつて公安外事課に属していた乃木卓(ノゴーン・ベキ=緑の魔術師:役所広司)みたいに国から見捨てられるリスクと隣り合わせです。
     さて、彼がノゴーン・ベキ(緑の魔術師)と呼ばれた由来は、公安の正体を隠して入国すべく農業支援を行う団体として働き、砂漠に井戸を掘り、緑化に努めていたからでした。このエピソードはアフガニスタンを支援して65万人を救ったと言われる医師の中村哲や「インド緑化の父」と呼ばれた杉山龍丸(玄洋社の杉山茂丸の孫)などが想起されます。
     ところで、かつて当サイトに砂漠の緑化に関して書いたことがあるので提示しておきます。「今上陛下のライフワーク『水問題』に関する一考察(下)」( https://aiko-sama.com/archives/10264 )です。

    京都のS

    2023年10月30日

     「寄生獣」で大ブレイクした岩明仁氏の「ヒストリエ」という漫画をご存じでしょうか?本作はマケドニア王のフィリッポス2世やアレクサンドロスに仕えた書記官エウメネスが主人公の物語ですが、彼はスキタイ(「草原の道」の西部)の出身で、元はアテネ貴族の奴隷でした。マケドニア王に仕える前後には黒海産のキャビアを産業化する政策を試みるシーンなどもありました。作者の体調が思わしくないようで「ヒストリエ」が未完に終わる可能性が高く、非常に残念です。
     ところで、中央アジア(トルクメン)産の馬種アハルテケは呂布や関羽(→赤兎馬)やアレクサンドロス(→ブケパロス)も乗っていました。ちなみに、「黄金の馬」アハテルケの像は東京競馬場に展示されているそうです。当サイトには競馬の話題もチョイチョイ出るので(笑)。

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