毎日新聞からの記事です。
対談・「令和流」の天皇像
https://mainichi.jp/articles/20240510/ddm/004/070/008000c
*デジタルで、一部読むことが可能です。
2024年5月10日朝刊の9面(オピニオン面)を使った、原武史、および辻田真佐憲氏の対談となります(以下、敬称略)余談ですが、記事下に、将棋の名人戦とか囲碁の本因坊戦の対局面がでているのが、ちょっとシブいです)。
最初に断っておきますが、今回の記事は、毎日新聞さんが出している「皇室」関係の記事としては、イマイチです。これは、明らかに、対談者の人選に問題あり、と思います。ここは私見で恐縮ですが、これって、リベラルの暗山とケケ田が対談しているようなもので、正直、「皇室の存続」を他人事のようにとらえ、「皇室への敬愛」が感じられない!という意味では、ほぼ同根です。なので、全編を紹介する意義を感じません。ですが、皇位継承問題と天皇制の在り方に関する部分については、部分的に引用していこうと思います。
では、どうぞ(m_ _m)。
――「統合の象徴」が外国人まで包摂する?
—-(中略)
辻田 多様性の話でいうと、男系男子しか皇位を継承できないままでは、いずれ天皇制が途絶えかねません。明治維新期に近代天皇制を創造したような抜本的改革が必要です。
(※すみません、これは何をさしているのでしょうか・1文と2文で矛盾していませんか?)
原 私は改革に悲観的です。たとえ女性や女系の天皇を認めても、子どもを産まない自由はない。また、宮中では今も生理中の女性が祭祀(さいし)に出られません。
宮中に嫁ぐ女性は「絶対に男児を産め」というプレッシャーにさらされ、しきたりにもしばられる。雅子妃が適応障害になった一因もそこにあるでしょう。女性に負担を強いることで天皇制は成り立ってきた。日本のジェンダーギャップ指数は世界最低水準。このままだと、皇室がその象徴のように見えてしまう。それでも必要なシステムかどうかという話です。
辻田 平成の生前退位同様、天皇の意見表明をきっかけに変わることはないでしょうか。いずれにせよ、既に愛子内親王は22歳、佳子内親王が29歳ですよ。
それにしても、世論調査で天皇制への支持率は高いですが、その中身は何かと。皇室の話題で世間の感情がかき立てられるのはゴシップ中心。天皇の権威や皇室の将来を論じても、どうも反応が鈍い。「被災者を元気づけるキャラクター」が必要なだけならば、天皇でなくともよいわけですが。
→私は、この部分を読んだだけで、憤りました。原さんに関しては、以前ふぇいさんが当サイトで紹介された対談においても、仰天発言の連発だったので、まあこんなものだろうと。でも、女性皇族におもねっているようにみせて、「宮中では今も生理中の女性が祭祀(さいし)に出られない」という、知識として正しくなく、山口真由が「愛子天皇論」で批判されたのと同レベルの発言をしていることは、注目すべきところです。
一方、辻田さんの方については、正直、「皇位継承問題」や「皇室」のことについて、あまり深く考えていないのでは?という印象が、この段階でありました。最初の発言は、一体何のことをいっているのかと!?「皇統の男系男子」ということを皇室典範に書いたのは明治時代だし、側室制度は大正天皇のときに採用されず、昭和天皇のときに廃止されましたが、一体どの部分を評価しているのですかと?あと、2つ目の発言については、見識が浅く、庶民の直感はあなたなどよりも、よっぽど「皇室の尊さ」が分かっていると思うが、どうでしょう?
――ともあれ、象徴天皇の位置づけが改めて問われている。
原 シンボルの訳語としての象徴という言葉は、連合国軍総司令部(GHQ)の憲法草案が初出です。当時の幣原喜重郎内閣で問題になりますが、昭和天皇はあっさり容認しました。この頃、国民レベルでも「象徴とは何か」を突き詰めた議論はほぼありません。
辻田 昭和天皇は以後も戦前と変わらない感覚だったのでしょう。ずっと、外交や安全保障などの意見を大臣に言っていました。
原 昭和天皇も多くの国民も「象徴とは何か」を真剣に考えないまま、いつしか象徴天皇制が定着しました。この問いが積み残しになっていたから、平成時代に定義し直されたわけです。「平成流」の天皇の言葉と行動によって。
辻田 定義があいまいだからこそ時代に合わせてうまく存続できる面もありますが。
原 「平成流」は象徴のハードルを上げすぎたとも言えます。宮中祭祀と行幸啓の2大柱を「全身全霊」でできなければ退位するしかないとなったわけですから。
「平成流」の陰の立役者は上皇后です。言葉のセンスが抜群で、和歌もうまい。だからこそ平成の天皇も安倍政治に対抗するような言葉を発せられました。
他方、今の天皇は新型コロナウイルス禍の際、国民へテレビでメッセージを出すかと私は思いましたが、出しませんでした。
今の天皇があまり発信をしない背景に、皇太子時代の経験もありそうです。04年に、「雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です」と発言したときは「おっ」と思いましたが、結局、この発言は皇室内でも否定的に受け止められてしまった。これが今も響いているかもしれません。
辻田 天皇の発言が、いつか、より自由になる可能性は?
原 あると思います。今はまだ、「令和流」を前面に押し出しにくい状況なのかもしれません。
→正直、ここについても、言いたいことはいっぱいあります。”一体何言ってんだろう!”と。1つだけ。庶民の直感を舐めてもらっては困るので書いておきますが、歴代の天皇陛下は「皇室の歴史」を継承してきたわけですから、”象徴”ということは自覚されているでしょう?特に、辻田さんは「昭和天皇は以後(戦後)も戦前と変わらない感覚だった」と発言していますが、それはそうでしょう!ただし、あなたの言っている意味とは違う、はっきりいって!?
――最後に付け加えると。
辻田 皇位継承問題が解決しない限り、単にだらだらと皇族が減っていく未来はあり得ます。
原 昭和時代のように革命で天皇制を打倒したい人はまずいませんが、「個人にこれほどの負担を負わせても存続させるべきか」という議論は出てくると思います。
辻田 女性・女系天皇を認めずに皇位継承者がいなくなっても、国事行為をする人は憲法上必要です。皇室典範の改正で皇族以外が摂政を務めるようになり、いつの間にか日本が共和制になっている可能性すらあるのでは。
原 「象徴とは何か」を論じず昭和をやりすごしたように、なんとなくそう流れていくかも。
辻田 問われるべきは、なぜ天皇制が必要かです。必要なら、存続のためにどんな改革をすべきか。国民は考えないといけません。
→ここについても、最後はもう少しまともなことをいうと思いましたが、これならば、最後に付け加える必要などなかった。はっきりいってこの対談、「令和流」の天皇像を全然描けていません。それどころか、天皇陛下を軽くみているようにさえ、見える。私見では、そもそもこの方々の問題設定がおかしくて、”象徴”とは何か?というのは、心ある国民には明らか(それは、日本国の権威を担っている、ということでしょう。それ以外に何が?)。そして、歴代の天皇陛下御自身が、”象徴”としての不断の努力を続けている。もし、不徹底だとするのならば、それは「皇位を安定継承」していくための制度設計をしてこなかった、という事でしょう(でも、それは「皇室」の方々の責任ではなく、国民、その代表の政治家にこそ、責任があるでしょう)。だから、将来に禍根を残さないように制度設計を行い、女性宮家の創設、そして何よりも、これまでの歴史・伝統に沿った、男女関係のない直系長子優先の継承という道を開いていくのではないですか(それは、次は「愛子天皇」ということです。)?
心ある国民は、あなた方がいっているような「必要なら、存続のためにどんな改革をすべきか。国民は考えないといけません」などという悠長なことを思っていません。もう残された時間は、少ないと思っているはずです(それは、4/28の共同通信社の世論調査結果に表れている、と思います)。
今回の対談は、毎日新聞さんがこれまでに掲載してきた「皇室」のありかたや「皇位継承問題」に関する見解と、大きく異なるものだという事を、最後に書いておきます。
ナビゲート:「愛子天皇への道」サイト編集長 基礎医学研究者
*毎日新聞の紙面の連絡先情報を、転載します。
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〒100-8051毎日新聞「オピニオン」係
E-mailアドレス: opinion@mainichi.co.jp
8 件のコメント
れいにゃん
2024年5月13日
以下のように、記名して、メール投稿しましたので、共有します。
日頃より、皇室の良質な記事を届けて下さる御社に感謝申し上げます。
表題の件、『対談・「令和流」の天皇像』です。
正直なところ、読んでいて不愉快極まりない印象を持ちました。
皇位継承問題においても、皇室の活動についても、皇族方の品格を損なわない記事を提供して下さるので、読み進めたところ、なんと、これは、現皇室の否定ではありませんか?
辻田真佐憲氏の『「被災者を元気づけるキャラクター」が必要なだけならば、天皇でなくともよい』には仰天しました。先月末に報道された共同通信の世論調査を読んでいらっしゃらないのでしょうか?令和5年の陛下の活動に「評価(設問ママ)」するものを選ぶ問いに、一位国際親善、二位国民との触れ合い、についで、僅差で三位被災地のお見舞い が選ばれています。これは肌感覚でも納得します。私は南海トラフ地震の津波被災地になる可能性が高い地域に住んでおりますので、相次ぐ震災は他人事とは思えません。絶望的な状況に、長く身を置くことになった被災地の方々に、天皇陛下と皇族方が、その中に入って話をして下さる。これがどれだけ理にかない、情に溢れた行動なのか、解からないのでしょうか?「元気づけるキャラクター」と表現するとは、なんと幼稚なのでしょう。
平成はこの災害が多い国で、天皇が存在する意味を思い知った時代でした。
令和も、被災地に寄り添う皇室を、受け継ぎ、更に深く追求されていることを、国民は感じ取り、世論調査結果にも反映されていると感じます。
他にも、言いたいことは多々ありますが、記事全体にいえることは、タイトルの『令和流』を掴むことのないまま、現行室を見下している印象しかない、ということです。
原武史教授に至っては、『血の穢れ』信仰に未だに囚われている野蛮人かと、がっかりしました。「事実をいったまで」というのは無しです。女性女系天皇を認めても皇室の女性は「男子を産む機械」であり続ける、それが皇室というものだと、印象操作しています。世論調査結果は、女系容認が84%でした。国民は「せめて生まれてくる御子の性別に優劣をつけるのをやめて、ご負担を少なくして差し上げたい。女系天皇は問題ない」と考えています。それを相対化したいのか、令和流を見下し、世論も見下している印象です。
辻田氏の「問われるべきは、なぜ天皇制が必要かです。必要なら、存続のためにどんな改革をすべきか。国民は考えないといけません。」という言葉で終わっていますが、国民はそんな悠長なことは言っていられないと、すでに危機感を持っています。継承策の議論を「現時点から早急に検討するべきだ」が最多です。
どうしても誰かを見下したい権力者思考の方に、皇室について、毎日新聞紙面で語られるのは不愉快です。
権力が跋扈する混乱の世を避けるためにも、女性天皇を実現して、今よりずっと安定的な皇位継承を次世代に渡したい。もう答えは出ています。毎日新聞社こそは、その世論をリードしていく媒体だと思っていますので、今回のような、問題を相対化するような記事は二度と出さないでいただきたく、切にお願い致します。
昭和43号
2024年5月13日
陛下は令和3年2月、コロナ禍最初の天皇誕生日の記者会見で、女性や若者の自殺、家庭内暴力・児童虐待などの増加に危惧を示され、生活困窮者やその子供達などに思いを寄せられています。
マスコミに無視されていた社会的弱者に、しっかりと目を向けておられました。
https://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/43
皇室を無能呼ばわりする人が、皇室の専門家を名乗る資格はありません。
基礎医学研究者
2024年5月12日
自分も、毎日新聞「オピニオン」に条件のメールアドレスを使って、意見投稿しました(ダイレクトな送信なので、名前、住所、および電話番号も、付記しました)。
ゴロン
2024年5月12日
毎日新聞社の投稿フォームで意見を送りました。
・・・
5/10「皇室はジェンダーギャップの象徴なのか 「天皇制の今」本音対談
国民主権病なのか、妙に上から目線で、読んでいて、ストレスがたまる対談記事でした。
今、毎日新聞社で載せる記事とは思えません。やたら「象徴」に拘って、朝日新聞かと思ってしまいました。天皇は事実上この国の「君主」であるという意味で良いと思います。
だいたいこの方々は、いつも本音で語れるのだから「本音対談」というタイトルも意味不明です。
色々と腹立たしい話がありましたが、2点だけ。
一点目は、辻田氏の「女性宮家を認めても、そこで生まれた子どもに皇位継承権を認めなければ焼け石に水。私は明治維新の時のような抜本的な改革で天皇制を存続させるべきだと考えます。」から続く話についてですが、
辻田氏は、「・・抜本的な改革」とか言い方が、大げさで滑稽ですが、女性・女系天皇も公認することで、安定的な皇位継承を目指すことは常識的な考えだと思います。
これに対し、原氏は、何が言いたいのか、さっぱりわかりません。結局、俺は男尊女卑だと言いたいだけなのか。
まず、女性・女系天皇も公認する制度にして、女性皇族の選択肢を広げ、少しでも生きやすいようにしなければ話にならないでしょう。
なお、眞子さまは、普通に祝福されご結婚して、皇族を離れればよかっただけなのに、週刊誌等のマスメディアが何の落ち度もない小室圭さんを貶め、それに煽られた大衆とともに、お二人を米国まで追い出したのでしょうが。何が、「皇族の女性を縛るもろもろから、米国への「亡命」のような形でしか逃げられなかったとも思えます。」ですか。白々しい。
もう一点は、何が、「いつの間にか共和制でもいいのか?」ですか。いい訳がないでしょう。天皇がいなくなれば、現行の憲法上、この国は何もできません。貴重な紙面上で馬鹿な話をしないでください。共和制にするなら、その前に、憲法改正しなければ、立憲国家と認められなくなるでしょうが。
毎日新聞社であれば、5/9のYahooニュース(FLASH)「90%が容認」世論調査も進まぬ「女性天皇」実現への道・・」のような記事を期待していました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cc05d5ede6124e26dc66c431945e056e521a3549
この記事は、先日の共同通信社の世論調査を受けたもので、天皇陛下のお子様である愛子さまが次の天皇になることを願う声と共に、神道学者、皇室研究者の高森明勅氏が、安定的な皇位継承のために女性天皇が必然だという「4つの理由」と最も明解な「解決策」を説明されています。その解決策については、「皇室典範の『皇統に属する男系の男子』の『男系の男子』という部分を『皇統に属する子孫』と書き換えればいい。それだけです。」と記載されております。
毎日新聞社様には、引き続き、国民が皇位継承問題の議論の状況に関心を持ち続け、国会議員が議論しているベース案の非常識さが国民に伝わるような記事の掲載をお願い致します。
基礎医学研究者
2024年5月12日
>京都のSさん
基礎医です。ご苦労様です。すみません、ちょっと気が利いていなかったですね。実は緑文字の部分は、毎日新聞の情報をそのまま転送したもので、自分は、opinion@mainichi.co.jpというメールアドレスに、自分のメーラーを使って直接意見を送るのだと、理解していました。しかし、毎日新聞らしくない記事なので、こういう意見はしっかり受け止めてほしいですね。
京都のS(サタンのSでも飼い慣らすし)
2024年5月12日
アドレスを見つけたので送りました。
5月10日朝刊の9面(オピニオン面)に掲載された原武史と辻田真佐憲氏による対談を拝読しました。この対談は貴社の左派読者へのエクスキューズだと私は感じました。朝日新聞と共に左派の受け皿を担ってきた貴紙は天皇制に反対する極左読者も抱えているでしょうから、また社内にも左翼勢力が残存しているのでしょうから、天皇制をキャンセルしたがっている内外の勢力に色目を使わないといけないはずです。そうした残存左翼は男系固執派を利用すれば滞りなく天皇・皇室をキャンセルできると気付いているはずです。
しかし、そんな彼らも共同通信社の世論調査には驚いたでしょう。皇位継承に危機感を持っている人が70%超、女性天皇と女系継承を認めて良いと思う人が90%という結果でした。ゆえに焦った貴社内の左派は、本対談においては「平成流」がどうの「令和流」はどうするのとお茶を濁し、現実的な対策については何も回答を示されませんでした。天皇制が消滅した場合の憲法上の諸問題(国事行為が行われなければ日本国は二進も三進も行かない:日本国憲法1章を削除する改憲が天皇制消滅までに間に合わなければ日本国は国家の体を為さなくなる)についてもゼロ回答です。それどころかトンデモ回答が用意されていました。「皇室典範の改正で皇族以外が摂政を務められるようにしろ(=権力者が権威者を兼ねて良い=その権力者が外国人であっても良い)」というものです。そして、おそらく新型インフルエンザ特措法に基づく「緊急事態宣言」が違憲であったにも拘らず何となく受け入れられたように、例え皇室典範に手を付けなくても、新しく作った「特措法」や「特例法」が違憲・違法であっても、何となく見過ごされるのが日本だと気付いたはずです。男系固執派もキャンセル左翼も「自分が死んだ後に日本や世界がどうなろうと知ったこっちゃない」という究極のニヒリズムに捕らわれているように私には感じられます。
当対談記事は皇室関連の良質な記事を今まで多く載せてこられた毎日新聞の記事なのでしょうか?これは産経新聞とは異質であっても同程度の逆賊記事だと認識せざるを得ません。私は貴紙への期待感が強かっただけに失望しました。
京都市在住の一読者○○(40代)
SSKA
2024年5月12日
原武史は天皇の研究家の肩書で名前をよく見かけますが皇室存続に水を差すネガティブな発言や内容ばかり目立つ人です。
昭和で定義が曖昧だったのは敗戦と占領のせいで、平成の時代に上皇様が消滅しかけた概念を必死の努力で国民に近付けたのが本音では気に食わないのでしょう。
「「平成流」は象徴のハードルを上げすぎた」と「全身全霊」の姿勢を揶揄する所に悔しさが滲み出ています。
コロナで天皇がメッセージを発するのも意味不明で原が自分の不安心理を慰めて欲しかったと都合良く利用したいだけで、そんなただの臆病者の一連の小姑めいた物言いは確かに天皇を敬わない男系の人間に近いと感じます。
京都のS(サタンのSでも飼い慣らすし)
2024年5月12日
以下のような意見を送りたかったのですが、「オピニオン係」には送信フォームやアドレスが見つかりませんでした(判ったら送りたい)。
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この原武史と辻田真佐憲氏による対談は毎日新聞社の左翼読者へのエクスキューズだと感じました。朝日新聞と共に左派の受け皿を担ってきた毎日新聞は天皇制反対な極左読者も抱えているでしょうから、また社内にも左翼勢力が残存しているのでしょうから、天皇制をキャンセルしたい内外の勢力に色目を使わないといけないはずです。そうした残存左翼は男系固執派を利用すれば滞りなく天皇・皇室をキャンセルできると気付いているはずです。
しかし、そんな彼らも共同通信社の世論調査には驚いたでしょう。皇位継承に危機感を持っている人が70%超、女性天皇と女系継承を認めて良いと思う人が90%という結果でした。ゆえに焦った社内の残存左翼は、本対談においては「平成流」がどうの「令和流」はどうするのと無意味な御託を並べさせて茶を濁し、現実的な対策については何も回答を示しません。天皇制が消滅した場合の憲法上の諸問題(国事行為が行われなければ日本国は二進も三進も行かない:日本国憲法1章を削除する改憲が天皇制消滅までに間に合わなければ日本国は国家の体を為さなくなる)についてもゼロ回答です。いや、とんでもない回答が用意されていました。「皇室典範の改正で皇族以外が摂政を務められるようにしろ(=権力者が権威者を兼ねて良い=その権力者が外国人であっても良い)」というものです。そして、おそらく新型インフルエンザ特措法に基づく「緊急事態宣言」が違憲にも拘らず何となく受け入れられたように、例え皇室典範に手を付けなくても、新しく作った「特措法」や「特例法」が違憲・違法であっても、何となく見過ごされるのが日本だと気付いたはずです。男系固執派もキャンセル左翼も「自分が死んだ後に日本や世界がどうなろうと知ったこっちゃない」という究極のニヒリズムに捕らわれているように見えます。
これは本当に皇室関連の良質な記事を今まで多く載せてこられた毎日新聞の記事なのでしょうか?これは産経新聞とは異質であっても同程度の逆賊記事だと言わざるを得ません。失望しました。