現在、天皇・皇后両陛下は国賓としてイギリスを訪問中ですが、6月19日に訪英前の記者会見が行われ、昨日当サイトでもふぇいさんによって報告されました。
ここでは、記録の意味もあるのですが、では翌日、この記者会見について各社がどう報じたのかを、以下に見ていきます。
まず、日経新聞さんは記事にはなっていますが、この新聞は前回お伝えしましたように、他者に先駆けて訪英したことをとり上げましたので、今回は扱いませんが、しっかり記事にはされていました。同様に、産経新聞も掲載はされていますが、今回は割愛。
・天皇陛下が英国訪問前に記者会見…「旧交を温め、両国の友好関係が深まる機会に」(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/koushitsu/20240619-OYT1T50170/
こちらは、朝刊の24面(社会面)に掲載され、読売新聞にしては珍しく、全文を読むことが、可能です。この記事自体はさらっとしてますが、実は読売新聞は、この回「皇室」に関する記事は結構力が入っており、ここではとりあげませんが、「令和の天皇 日英の絆」上(6/19)、中(6/20)、下(6/22)という、天皇陛下と英国の交流を描いた連載コラムを掲載しました(この記事、特に「中」については陛下の水研究の詳細が書かれており、なかなか読むごたえがあります)
・天皇陛下「戦争の傷癒やす地道な努力、忘れない」(朝日新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/161b61bf3bd4194521ca9ac6477165a617e6e1dc
こちらは、朝刊の25面(社会・総合面)に掲載された、社会部の力丸祥子、および中田絢子記者による記事で、全文を読むことができます。記者会見における「日本と英国で敵対したこともある・・・」の質問の部分に、力点が置かれた記事です。
・「平和を愛する心育む」 22~29日訪英、天皇陛下が期待感(毎日新聞)https://mainichi.jp/articles/20240620/ddm/012/040/088000c
*デジタルで、一部を読むことが可能です。
こちらは、朝刊の19面(社会・総合面)に掲載された記事で、山田奈緒、および高島博之記者によるものです。それで、毎日新聞さんはやはりさすがだと思うのですが、各紙の中で唯一、記者会見で質問のあった「皇位の安定継承」に関することを、取り上げています(実は、各紙の会見要旨には、その部分に関する記述が省略されています)。
以下、記事を引用します。
安定的な皇位継承の議論に関する質問には「公的活動を担う皇族は以前に比べ減少してきています。これは皇室の将来とも関係する問題です」と従来と同様の認識を示し、「制度に関わる事項について、私から言及することは控えたい」と述べるにとどめた。
これは、愛子さまも日赤の就職にあたっての抱負のところで話されたことと重なり、陛下から「皇位の安定継承」に関する直接的な方向性のお答えを引き出すことなどは無理なのですが…
自分、重要と思うのは、
やはり「皇位の安定継承」に関する質問をメディア側から行うこと自体が重要で、それに関するやり取りをきっちり記事にする!ということが、陛下に対して、いや「皇室」に対して、国民が「皇位の安定継承」に関心を持ち、何とかしたいということを示すことにつながる行為と思うのですが、いかがでございましょうか?
ご参考までに。
ナビゲート:「愛子天皇への道」サイト編集長 基礎医学研究者
3 件のコメント
基礎医学研究者
2024年6月26日
>ダダさん
基礎医です。補足いただき、ありがとうございました。たしかに、「権能」を行使しない形で…」そのように書かれていましたね。いや、記事書くときに、記者会見の動画を探して観てはみたのですが、合同記者会見で事前に質問は提出されていたようですが、この「問5」については、文字でしか確認できなかったのですよね(自分は、少なくとも探せませんでした)。一応質問者は名乗っていたような気がしたので、これは完全に推測ですが、この質問を入れ込んだのは、毎日新聞ではないかと思っております(前回の国会閉会後にも、他の新聞社とは違い、唯一「皇位継承」に関する質問をするくらいの新聞社なので)。
ダダ
2024年6月26日
新聞記事への感想ではありませんが、記者質問の問5「現在行われている安定的な皇位継承に向けた検討に関して、どのようなお考えをお持ちでしょうか。権能を行使しない形で、皇族の意見を検討に反映させるには、どのような方法があるとお考えでしょうか。」の【権能を行使しない形で】が踏み込んでいて、おぉ!と感じました。
例えば、天皇が被災地復興の願いを表明し、そのために公金が投入されても、天皇の政治介入とはなりませんよね?
天皇が安定的な皇位継承を表明したとしても、皇室典範改正(直系長子継承)は憲法要請(皇位は世襲)を根拠にできるので、天皇の政治介入になるとは思えません。
象徴天皇の大御心を忖度しない国会議員は恥を知れ!です。
ありんこ
2024年6月25日
これは皇室の将来とも関係する問題です“が”、制度に関わる事項について、私から言及することは控えたいと思います。
この「が」について私は並々ならぬ陛下の心苦しさを感じてしまったのですが、毎日新聞さんはそこを外されたのですね。なんか意外です。なんか勘ぐっちゃダメかな。