●片山氏の主張②
(佐藤優の「アイヌの先住権を認めない主張は、天皇制を崩す動きに他ならない」という主張に同意を与える形で)「ご指摘されたような日本を解体する理屈を、一生懸命ナショナリズムと呼んでいるわけですね。」(佐藤優✕片山杜秀「天皇家の昭和100年」週刊ポスト2025年1月24日号)
◯突撃一番の反論②
一体誰がそれを「ナショナリズム」と呼んでるのか、主語がハッキリしないので解釈に苦労しますが、前後の文脈から察するに「アイヌの先住権を認めない右翼勢力」とやらに、片山氏がやや批判的な態度を示している事は間違いないでしょう。
アイヌらへんの意見に関しては、本ブログの前編で佐藤をフルボッコちゃんにしたので繰り返しませんが、片山氏に対しては、若干のファン心で蛇足を加えさせて下さい。
片山氏が執筆した『大楽必易 わたくしの伊福部昭伝』は俺も多くを学ばせてもらった名著だから、批判するには少々、ためらいもあるんだけどね。
今でも多くの国民から愛され続ける『ゴジラのテーマ』の作曲者で、俺も大尊敬する故・伊福部昭先生を「ご本尊」とまで仰ぎ、長年交流を重ねた片山さんだからこそ、言っておきたい。
少年時代の伊福部さんの音楽観に、決定的な影響を与えた時代の「アイヌ」と、今現在「アイヌ民族」を自称する国民とでは、全く様変わりしてしまっていますよ。
そりゃ、伊福部さんが十勝・音更村で交流したような大正~昭和初期頃の「アイヌ」は、歌や舞踊も「決まった旋律や歌詞はなく、そのときそのときの心情を即興で吐露する」というような、土着の生活に深く根差したものであったのでしょう(「」内は片山p61より、伊福部発言の要約)。
が、今の古式舞踊は観光目的(あるいは補助金事業目的)の、単なる「仕事」だもん。 あらかじめ決まった振り付けを用意して稽古を重ね、ステージ上でお客さんに披露するようなやり方を「生活に根差した即興」と言えますか?
むしろアイヌ事業の現状は、伊福部さんが追求し続けた「(かつてのアイヌの狩猟採集文化のような)欲しいもの、生活に無くては困るものと一体になろうとする直線的芸術」とは正反対の、「しがらみの混じった曲線」ではないでしょうか?
なぜ、近代的な舞踊シアターをわざわざ税金で造ったの?
なぜ、お客さんから入場料をもらわないと踊れないの?
なぜ、古式舞踊にプロジェクションマッピングが必要なの?
これら全て、まさに伊福部さんが忌み嫌い続けた、自然と一体となる純真さ・純朴さ・素朴さを失った「曲線の舞」ではありませんか!?(片山p324~325)
おまけに、アイヌ文化の担い手育成事業と称して、本州から人を雇って教育しないと、文様彫刻のような文化継承もおぼつかないのが現状だし、古式舞踊の踊り子さんだって、本州出身で北海道に移住された方も普通に混ざって、一緒に踊ってますから。
(もっとも俺は、リンク貼った過去ブログでも書いたように、文化継承者の “血筋” には一切こだわらないから、担い手育成事業そのものには反対しないし、文化の観光ビジネス化も、極力補助金に頼らずに文化を継承する為には、必要だと思っている。)⬇️
「アイヌ」の現状に見る、血統差別の弊害について(第二回) – 愛子天皇への道 ~ Princess Aiko: Path to the Throne ~
ただ、伊福部先生が最も重んじた「伝統に根を張った土着の審美観」を、今の「自称アイヌ民族」が体現しているとは、とても思えないのですよ。
まあ、それも時代の流れだから仕方ないのかも知れませんが。
これだけ国民化・近代化が進んで、ただ「助成金獲得 & 観光目的のビジネス」と化している現状であるのに、あろうことか天皇が、北海道民の安寧を祈るのにどうして、「アイヌ民族」などという【国民のカテゴリー分け】をする必要があるのでしょうか?
アイヌ(及び北海道)を、佐藤優が言うようにいつまでも「外部領域」扱いにし続ける事自体が、「国民統合」とは正反対の「分断」ではありませんか!
「先住民族の文化」としてではなく、相撲や歌舞伎等と同様、数ある「日本文化の中の One of them としてのアイヌ文化」という扱いにすれば、文化継承の担い手を血筋で区別する必要性なんか、一切無い筈です。
愛子様がお好きな相撲の世界だって今や、外人だらけじゃないですか。
ひとえに、権利も義務も我々と平等な「日本国民」として、アイヌ文化を継承する「日本国民」に対しても、天皇が等しく寄り添い、励ましていただくだけでは、ダメなのか!?
最後に軽く、片山さんを擁護(?)しておきますが、
対談の最後の方で佐藤優が「天皇制という非合理なシステムに、部分的に合理性を持ち込もうとしているから、女性・女系天皇といった議論は危ない」と主張しているのに対し、「日本ではいくら理屈を考えても、共和国的な政体でまとまることはできないと思っているのですが・・・」と、片山氏はやんわり切り返しています。
これってつまり、皇位継承をめぐる制度を(安定的に存続できる制度に)改正しても、皇室が無くなる事はない、と言ってくれてるのかな・・・?
肝心要の論点において、俺は片山氏を批判せずに済むのなら助かるんだが??
文責 北海道 突撃一番
参考文献
・片山杜秀『大楽必易 わたくしの伊福部昭伝』新潮社2024年1月30日
※ 名著ですよ名著!!是非みなさんにもオススメですよ。特に大須賀さん!
ちなみに【大楽必易(たいがくひつい)】とは、「すぐれた音楽はわかりやすいものである」という意味だそうです。伊福部先生の、座右の銘でした。
4 件のコメント
サトル
2025年2月7日
すみません、片山氏をテレビ等で見かけると(英雄の選択とか)、ついこれが浮かんで…https://images.app.goo.gl/nqUA1BGF8wE6G9c68
いかん…とは思いつつ…なんですが…(笑)
佐藤氏は、もちろんあの(真っ黒な)…です(笑)
すいません、私の極めて偏った(悪い)見方です、ええ…。
(しかも、唐沢なをき…好きなもので…)
サトル
2025年2月7日
なるほど。
この対談は読みましたが、なんか噛み合ってないな…みたいな印象は持ち、
マウント合戦か?…の安易な感想を持ってしまいました。
突撃一番
2025年2月7日
掲載&コメントありがとうございます!
佐藤にせよ片山氏にせよ、対談を読んだ限りで言えば、天皇に対してどれだけ敬愛心を持ってるのか、さっぱり伝わってこなかったのが印象でしたね。
「制度論」に終始してた感じ。
少なくとも佐藤に関しては、「外交のダシに使える」程度の認識なのかな。
ひとまず本文で示した、アイヌの文化担い手育成事業には、和人もめっちゃ絡んでるという証拠として、釧路市のサイトを明示しておきます。
「ハリキキ」という事業です。↓
・「アイヌ工芸技術後継者育成事業」釧路市HP
https://www.city.kushiro.lg.jp/bunkasports/
shougaigakushuu/1005705/1014015/10140
17/1014028.html
京都のS(サタンのSでも飼い慣らすし)
2025年2月7日
凄い。伊福部論を出して片山杜秀を斬りつつ、片山の擁護できる部分は擁護しながら、ラストは佐藤優への徹底批判で締める論陣が見事でした。
佐藤優という言論封殺魔はロシアン・エージェント(ロシアのスパイ)ですから、北海道を日本国から分離してロシアにプレゼントし、沖縄でも同じ論法を使っていたので、分離した沖縄は中国にプレゼントする気なのでしょう。「で、ナショナリストの定義は?」て感じですね。ナショナリズムを和訳すれば国民主義ですが、であれば国民統合の象徴としての天皇こそナショナリストだという論法も成り立ちます。また「天皇制=非合理システム」は同意できる部分もありますが、「女性・女系天皇の議論=合理」だから「危ない」とは、天皇制を非合理な状態に留め置いて「滅びてしまえ」と言ったに等しくなります。つまり佐藤優は反天皇の極左です。おそらく、反天皇の動機はロシアに北海道を、中国に沖縄をプレゼントするに当たって天皇という国民が纏まれる結節点みたいな装置が邪魔だという理由からではないでしょうか。佐藤優は売国奴の極左です。こんなのに右派が騙された時期ことは憤死する程の恥だと心得ねばなりません。