「愛子さまトーーク(第346回):産経新聞は女性天皇を、どうとらえていた?」をご視聴いただき、ありがとうございました<(_ _)>。2025年、1月25日のゴー宣DOJO in東京において、森暢平先生からこの話が出てきたとき、かなり衝撃でした(森先生には、連載原稿掲載前に、この話題をDOJOでしていただき、感謝致します)。そして、ゴー宣DOJOサポーター総合Pのちぇぶさんより、「是非、この記事を紹介してほしい」という激励を受けたので今回取り上げたわけですが、この記事は古いので、簡単には入手できません。ただ、重要情報であるのは間違いないので、今後のために、自分の方で、ブログとして取り上げてみます。
主張 [女性天皇]前向きな議論を期待する(産経新聞、平成13年(2001年)5月11日朝刊 2面)
女性の天皇に道を開こうという皇室典範改正の動きが政府・与党を中心に起きている。女性天皇を認めることは皇位をつつがなく継承する意味でも重要なことである。天皇を象徴として戴いてきた日本の歴史について国民に関心をはらってもらうためにも、前向きに議論が進むことを望みたい。
番組でも話ましたが、冒頭から、これが「産経新聞の社説??」と思わず唸ってしまいました。そして、結構重要なポイントは、まだこの時点では、雅子さまのご懐妊が発表されたばかりで、お子様が男子か女子かは、わからなかったということです(実際には、「愛子天皇論2」にもあったように、そもそも、皇太子殿下は、性別の確認を望んでいなかった)。
天皇の位、つまり皇位は皇室典範で「皇統に属する男系の男子がこれを継承する」とし、皇太子を一位に細かにその継承順位が決められているが、女性の皇族方は皇統に属していても継承権は認められていない。
こうしたルールが法的に定められたのは明治になってからであり、明治の国作りが男性中心に進められたことを反映しているといえる。
しかし、これからは小泉内閣に五人の閣僚(*田中眞紀子、森山眞弓、遠山敦子、扇千景、川口順子 by基礎医)が誕生したように、男女が共に国や社会を担っていく時代である。それだけに女性天皇への道を開くには当然である。
最初は、にわかに信じられませんでしたが、この辺からかなり踏み込んいます。
もっと重要なことは、皇位とそれにまつわる尊厳性を維持していくという意味合いである。日本の天皇は百二十五代にわたり綿々とその権威と尊厳を引き継いでおり、そのことが日本の国民の求心力を保ってきた。
だが、将来的に言えば「男子のみ」と規定することで、皇位継承が難しくなることも考えられ、その意味でも女性天皇は好ましいことだ。
事実、歴史を見ても十代八人の女性天皇がその役割を果たしている。ことに六世紀末に崇峻天皇暗殺後の国内の動揺をおさめた推古天皇や、七世紀後半に改革を進めた持統天皇ら、その尊厳を高めた女性天皇は多い。
さらに外国でも、六十四年間にわたって君臨し国民の敬愛の的となったイギリスのビクトリア女王をはじめ”名君”も数多く、その点での懸念は少ないといえる。
ここは、最初、毎日新聞の記述かと思ってしまいましたが、実際には、毎日新聞よりも、さらに男女関係のない、双系の継承の正当性を記述しています。
むろん日本の天皇が酷似を遂行される上で問題はないかなど、検討すべき点は多いだろうし、時期尚早との意見もあろう。しかし、皇太子妃雅子さまのご懐妊の可能性の発表もあって、国民の皇室への関心が高まっているこの気に十分、議論すべきである。同時に天皇を国民統合の象徴として戴いてきた日本の国柄について考える機会ともしたい。
そして、最後は、「皇位の安定継承」への制度化を進めるための(立法府の)議論の時期は今!と、いう形で警告を発し、「社会の公器」としての役割を充分に果たしていると思います。
是非、最近の産経新聞の社説と、比較していただければ、幸いです。
*太字は、「愛子さまトーーク」で言及した箇所です。
以上、ご参考までに
ナビゲート:「愛子天皇への道」サイト編集長 基礎医学研究者
10 件のコメント
ひとかけら
2025年2月9日
京都のSさん西部邁の女系論、マージナルマン、三島由紀夫の女系論の情報ありがとうございました。
産経新聞が西部邁の論考によって聖と俗マージナルマンとしての天皇を参考にしてたとは知りませんでした。
聖として神格化された天皇だけではなく俗として人間としての最低限の権利すら認めなければ限界が来るのを西部邁は知っていたのでしょうね。三島由紀夫の世襲は女系も含むという考え方も未来を予見していたと感じます。
産経新聞は20年前ぐらいの自身の新聞の考え方を取り戻す必要が有りますね。
京都のS
2025年2月9日
(以前「愛子様トーク」に書いたコメントを孫引き転載w)
2005(平成17)年は「有識者会議報告書」が小泉政権に提出されました。その前年には故西部邁が「女系女子にも皇位認めよ」という1節を含む正論( https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2003/01291/contents/207.htm )を著しています。
※「マージナル・マンとしての天皇(下)」( https://aiko-sama.com/archives/22465 )を参照してください。
また『血滾る「三島由紀夫」憲法改正』と『三島由紀夫の日本改正論』が出たのは2003年と2005年です。共に松藤竹次郎編著で毎日ワンズからの出版です。
※「三島由紀夫の女系公認論」( https://aiko-sama.com/archives/25322 )を参照してください。
2000年代初頭は今とは全く空気が違っていたようですね。
ひとかけら
2025年2月9日
産経新聞の昔と今の比較をありがとうございます。
何故ここまで堕落してしまったのか気になります。男系継承を続けられなくなるという現実を突き付けられてビビったのではないでしょうか。
あしたのジョージ
2025年2月8日
基礎医学研究者さん、森暢平氏の記事の紹介ありがとうございます。
産経新聞は、購読部数とかの売り上げの面で切羽詰まって、男系派の機関誌のようになってしまったような感じですね。
産経新聞だけが、悪目立ちしているような今の感じですが、その事は気にならないのかなぁ〜🤔
基礎医学研究者
2025年2月8日
>ジョージさん
>どの辺から変わっていったのか知りたくなりました。🤔
この点について。自分は原典みていませんが、ふぇいさんがまとめた、下記の森先生の記事にその手掛かりがあると、思います。ご参考までに。
https://aiko-sama.com/archives/50179
あしたのジョージ
2025年2月8日
基礎医学研究者さん、産経新聞の古い社説の記事を取り上げてくれてありがとうございます。🙇
産経新聞は、全くの正論を言っていると思いました。
なんでこんな素晴らしい事を言っていたのに今のような男系派の機関誌のような存在に闇堕ちしてしまったのでしょうか。
どの辺から変わっていったのか知りたくなりました。🤔
基礎医学研究者
2025年2月8日
みなさん、コメント、ありがとうございます。
今後の皇統クラブ活動や、新聞への意見・コメントに役立てばと。
ありんこ
2025年2月8日
紹介ありがとうございます!!
昔産経新聞を取っていて読んでいた身としては、女帝女系が伝統に反する!と主張した時にわけわかめな怒り感情になった事を覚えています。気のせいだったのかと思っていましたが、やっぱり変わってんじゃん!!!
サトル
2025年2月8日
基礎医さん
まとめ…ありがとうございます!
ご参考までに…は、基礎医さんの決め台詞(作法)てすが、この台詞で(笑)、産経新聞に投稿したい…と思っております。
「産経新聞は新聞社としての「伝統」は、どこにあるのですか?革新的姿勢の新聞社なのですか?政権に阿る…が社としての「伝統」なのですか?判断しかねるので困っています」…と書くのは(今は)止めときます(笑)
まいこ
2025年2月8日
基礎医さん、衝撃の過去社説、ありがとうございます!!!
今後、産経新聞の記事を取り上げる際は、どしどし引用させていただきますね。